ほかのだれともちがう自分 🍊

上月くるを

ほかのだれともちがう自分 🍊





 ときどき、いえ、ほんと言うと、ほぼ毎日ゆえなき(あり(笑))自信喪失に打ちのめされているヨウコさん、朝のドラマで「これぞ魔法の言葉や~」と思いました。



 ――ほかのだれともちがう自分。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ



 そうだよそうだよ、この世にわたしはひとりしかいない、クローンなんかいない。

 そのわたしが書くことは、ほかのだれにも真似のできない本当のオリジナルや~。


 他者の目にどう映ろうと、ヨウコさんにはヨウコさんにしか書けない世界がある。

 自分の内で「完成」の判を押せた作品は、それだけでキラキラ眩い宝玉なんや~。




      💎




 いまやカクヨムさんはヨウコさんの人生になくてはならないものになっています。

 が、ときに、いや、しょっちゅう(笑)目を瞠る才能に出会うとヘナヘナに……。


 どうして自分にはこういう壮大な世界観が描けないんだろう、起承転結はもちろんキレのある伏線の設定&回収など、複雑に入り組んだプロットが組めないんだろう。


 そう思い出すともういけません、ただの一字も書けなくなってしまうのです。💦

 でも、ごくたまにお褒めいただくと、舞い上がっていくらでも書ける……。(笑)


 他者の評価は気にしない、形状が異なる鍵穴にマイ鍵が入るはずがないんだから。

 冷静だったつもりが、まるで悟っていなかったことを痛く思い知らされるのです。




      🖋️




 そんなとき、朝ドラの歌人が呟いた「ほかのだれともちがう自分を詠む」の至言。

 がつんと届きましたよ~、祖母のような年輩のヨウコさんの頭と胸とからだ中に。


 足掻いても足掻かなくても自分は自分でしかなく、それ以上でも以下でもなくて。

 この世でたったひとつの自分をどこまで磨けるか、それこそが大事なんだよね~。


 そう思いながら向かったカフェでも、運命的な出会いが待っていてくれました。

 またそれ? 笑われそうですが、こういう勘というか縁……わりとある性質で。




      🐦




 いつもの席に座りカクヨムさんの代表的詩人のお一人・つきのさんの『月の栞🔖わたしの本棚にようこそ!』で教えていただいた岸田衿子さんの詩集を開くと……。




   一生 同じ歌を歌い続けるのは 

   大事なことです 難しいことです

   あの季節がやってくるたびに

   同じ歌しか歌わない 鳥のように   (『いそがなくてもいいんだよ』)




 まるで今朝という時を待っていてくださったような一節がいきなり現れたのです。

 つきのさん&岸田衿子さん、二人の詩人との出会いに感謝しながら、何度も味読。




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