少女と野獣の後日譚

守宮 靄

少女と野獣の後日譚

 その日も私は森を歩いていた。「運動しよう」とか「散歩したい」という動機らしい動機があったわけでもない。そんな動機が生まれるほど、そのときの私の知能は高くない。起きて、食物を貪って、腹が減るまで森をうろつくか眠るかするだけ。そうやって己の生活を顧みて自嘲することさえもできず、ただ歩く。森には珍しいものは何もない。棲息している獣たちは、私の巨躯に恐れ慄き、息を潜めていたのだろうなと今ならわかる。

 草を踏みしめ、巨大な足跡をつけながらのっそりと歩いていると、目の前でなにかが動いた。


 それは人間の少女だった。元の色が何色か分からない服を着て、首には首飾りなのか縄なのかわからない紐状のものを縛り付けていた。髪は長く豊かで、顔の右半分には大きな痣。ぎょろりと大きな瞳を真っ直ぐこちらに向けている。食い縛った歯はカチカチと鳴り、私の姿に怯えながらも悲鳴をあげないよう懸命に努力しているのがわかった。

 その小さな生き物を頭から噛み砕いて食べてしまわなかった理由は、腹が減っていなかったから。ただそれだけだった。

 私は森に現れたその少女に対して特に何をするでもなく、来た道を引き返した。目の前の道は少女がいるため通れないから。踵を返して歩く私の後ろで、青草を踏みしめる小さな音がずっと続いていたが、それを気にかけることもなかった。


 普段私がねぐらにしている洞穴に辿り着いた。後ろを振り返ると、案の定、少女がついてきていた。私は意に介さず洞穴の中に入り、奥の方に蹲って眠る。少女の気配が洞穴の入口のあたりでしばらく所在なさげにしていたが、そこから先に入ってくることはなかった。


 昼過ぎに目を覚まし、伸びをした。少女の姿はない。それに対して何かを思うこともなく、私は再び洞穴の外に出た。そのとき、少女が腕に木の実を抱えて現れた。

「あ……」

少女は驚いたようだったが、先ほどのような恐怖は感じ取れなかった。私は少女と、少女が取ってきたらしい実をちらりと見て、そのままのそのそと森へ出た。少女がついてくることはなかった。


 日が落ちるころ、私は洞穴へと戻ってきた。腹が減っている。洞穴の入口から少し離れたところに、肉や野菜が山と積んである。毎日、朝と夕にその場所に現れる食べ物を私は今日も貪り、満腹感で機嫌をよくしながら、洞穴に入る。入口から少し入ったところに、昼間の少女がいた。

「あ……こんにちは、あ、いや、こんばんは……?」

「あ、勝手に入ってしまってごめんなさい……」

「あの、さっき誰か来たみたいでした、あたしは会ってないんだけど」

少女がこちらに向かって何かしら言っていたが、私にはそれの意味が分からなかった。少女を追い払う必要も感じず、無視して洞穴の奥に入り、四肢を曲げて蹲る。

「お、おやすみなさい」

その声に答えることなく、眠った。


 その日から少女は洞穴で暮らすようになった。その小さい身体では私の身体に傷をつけることもできないだろう、と私は彼女を追い払うことも威嚇することもなく、ゆるりと同居させていた。彼女は木の実や草の実をどこからともなく調達してきて、洞穴の入口近くで食べていた。寝るときは同じ場所に丸まって眠っていた。そして、頻繁に私に話しかけた。

「お、おはようございます、野獣さん」

「よ、夜のうちに、ごはん、届けてもらってるんですね。あと、夕方にも」

「きょ、今日は、おいしい木の実を見つけたんです。名前はわからないけど。今度、野獣さんのごはんと一緒に置いておくので、食べてみてください」

「野獣さんは、綺麗な白い毛と、黒い目と、大きい身体があって、素敵、だと、思います。羨ましいなあ。あたしもそんなふうだったらなあ」

 彼女は一日に何度も何度も話しかけてきたが、私はその全てを理解することができず、ただの音としてしか認識できていなかった。しかしその音がどうにも心地よい。返事をすることこそなかったが、私は少女の声を聞くと、眠たくなってしまうほどに安心するのだった。

「眠そうですね、あたしも寝ようかな」

「おやすみなさい」


 お互い声をかけるのとそれをただ聞く以外の干渉がない生活が、何十日か続いたある夜、少女が何か言った。

「あの、そばで眠ってもいいですか?」

 私はそれを理解できないから答えようがない。少女は反応しない私を見て迷っているようだったが、やがて意を決したように蹲る私に近寄ってきた。

 無防備に眠る自分に他者を近寄らせるなど言語道断だが、そのときの私はそれを拒まないほど、少女に気を許していた。

「ごわごわしてるのかと思ってたけど、こんなに柔らかいんだ」

 少女が私の腹の横あたりの毛を撫でながら言い、そこに腰を下ろした。そして私の身体にもたれる。

「……あったかい。ずっと、こうしたかったんです」

 少女はそのまま眠ってしまったようだった。私も横腹に軽い体重を感じながら、眠りに落ちた。


 それから少女は毎晩、私にもたれて眠るようになった。昼間も声をかけるだけでなく、私の腹や首のあたりを撫で、頬を擦り寄せてくる。私も少女自身に愛着のようなものを感じ始めていたから、少女のしたいようにさせていた。


 ある日の昼、私は長めの昼寝のさなかにいた。ひっついて寝ていた少女が起きて動き出す気配をどこか遠くに感じながら、夢と現実の狭間でうとうととしていた。


 鼻先に、柔らかいものが触れた。


 驚いて目を開けると、少女は私以上に驚いているようだった。小さな顔がかあっと赤く染まり、その様子を隠すかのように少女か両手で顔を覆った。

「ごめんなさい、あ、あの、ね、寝てるときならばれないかなって、ご、ごめんなさいごめんなさい、あたし、勝手にこんな……」

 少女は耳まで赤くなり、泣きだしそうな声で「ごめんなさい」を連呼していた。その仕草の意味も言葉の示すところも分からない私は、寝起きのぼんやりした頭でそれを見ていたが、すぐにそれどころではなくなった。


 痒い。全身が痒い。皮膚、骨、肉、はらわた、全てが痒く、熱い痒みは痛みへ変わっていく。私は唸り声を上げながら胸を掻きむしり、内蔵の痛みに倒れ伏す。痒い、痛い、また痒い。少女が短い悲鳴を上げ、「大丈夫ですか!?」と言うのを聞く余裕もない。鋭い爪で頑丈な皮膚を掻けば、白い毛が束になって抜け落ちた。骨が曲がり、肉が押しつぶされる感覚。私はあまりの痛みに、気を失ってしまった。


 目を開くと、少女の泣き顔が見えた。ゆっくりと身体を起こす。辺りには白い毛が大量に散らばっている。地面についた右手を見ると、そこには白い毛も黒い鉤爪もなく、薄く柔らかい皮膚が露出していた。左手や両足、腹や胸も確かめる。それは間違いなく、白い毛に覆われていない、二本足で立って歩くことが可能な肉体だった。

「あ、あ、野獣さん、人間に……」

まだうまく回らない頭で今までのことを思い出す。自分はこの土地の領主の長男であること。我が家に嫌がらせを繰り返す、性質の悪い《魔女》に呪いをかけられ、野獣の姿に変えられてしまったこと。姿だけでなく、頭も獣並になり、理性や判断力を奪われてしまったこと。悲しみに暮れ泣く使用人たちによってこの森に運ばれてきたこと。そうか、いつも現れていた食糧も、彼らが用意しここまで運んでくれていたのか。そして出会った少女。よく見ると服はぼろぼろ、髪もぼさぼさ、皮膚は汚れ、足は裸足だ。大きな痣のある顔にあるふたつの瞳は澄んだ色をしているが、ぎょろぎょろと忙しなく動いている。

 鼻先に触れた感触。さっきの彼女の反応。そして、私の身体に起きた変化。

 彼女のキスが、私の呪いを解いたのは明らかだった。

 私は思わず彼女を抱きしめた。そして、「ありがとう」と言ったはずが、久しぶりに扱う人間の口は思ったように動いてくれず、文字にできない音を出しただけだった。

「あ、わ、あ、あの、裸……」

 私は自分が全裸であることに初めて気がついた。全身に毛が生えているときは気にもしていなかったが、裸で少女に抱きつくのは流石にまずい。私はそそくさと彼女から離れ、大事なところを隠した。抱擁から解放された少女はまだ呆然としていたが、はっと思いついて言った。

「あ、もうすぐ、人が来る時間です、から……」

 そうだ。食糧を持ってくる使用人がそろそろ来るかもしれない。私は二本足で立ち上がろうとしてよろめき、情けないことに少女に支えられてしまった。その少女も手足は折れそうに細く、あまり力持ちのようには見えない。私たちはふたりでよろよろとしながら、洞穴の出口へ向かった。


 外に出ると、すぐそばに人影が見えた。私が声をあげる前にこちらに気がついたらしく、駆け寄ってくる。

「坊ちゃん! ああ、本当に坊ちゃんではないですか!」

「まさか、人間に戻られるとは……」

「こちらのお嬢さんはどちら様ですかな?」

 森番らしき男と従僕ふたりに囲まれた私たちはやいのやいのと話しかけられ、呂律の回らない私に答える隙も与えず、「とにかく馬車で屋敷に連れ帰ろう」と言う彼らに運ばれた。その間少女は目を白黒させてされるがままの状態で、私と一緒に馬車に乗せられた。


 馬車はすぐに屋敷の目の前に着き、私は下男ふたりに支えられながら降りる。少女も後ろからついてきた。

 庭に出ていたメイドのひとりがこちらを見て、遠目にもわかるほど目を見開いた。彼女は屋敷へと駆け込み、やがて複数の使用人を伴って再び走り出てきた。

 懐かしい顔に囲まれて、やっと「私は人間に戻ったのだ」と実感できた。老執事は泣き、乳母に抱きしめられ、先ほどのメイド──名はマーサといった──が顔を赤らめて、大きな布を差し出した。従僕に借りた服で局部は隠したとはいえ半裸同然だった私はそれを肩に掛けた。そのまま私は風呂へ連れていかれ身体を洗われたあと、すぐ寝室へと運ばれ、別に眠くはないのだが、と思っているうちに眠ってしまった。


 翌日目覚めた私は、執事から質問責めにあった。一体何が起き、人間に戻ることができたのか。私はまだ回らない舌と身振り手振りを合わせて、昨日起きたこと、そして少女が恩人であることを伝えた。聞けば少女もまた風呂に入れられ、使用人部屋に泊まったという。行くあてがないのなら下働きとして雇うこともできるという執事の提案を、少女が望むなら、と受け入れた。


 私は病み上がりのような扱いを受け、歩く練習と喋る練習に勤しんだ。これらは疲れこそするもさほど苦労はなかったが、私が獣の姿で森にいた2年間の社会の出来事を全て知るのはなかなか骨が折れた。しかし、次期当主としてはこの遅れを取り戻さないわけにはいかない。私は苦労しながら久しぶりのナイフとフォークを使い、階段の昇り降りを繰り返し、2年前より少し老けたしかめっ面の家庭教師に補助されながら2年の空白を埋めた。

 久しぶりに父と会った。以前はうっすら苦手としていた寡黙な父だったが、私に話しかけながら目頭を押さえるのを見ていると、少し不器用なだけで確実に私のことを愛してくれていたのだなと感じ、私まで泣きそうになってしまった。

 少女とも話したいと思ったがそちらはそちらで忙しいらしく、なかなか捕まらない。少女の世話も兼ねているらしいメイドのマーサから「よく働いてくれていますよ。最初にあの汚れた姿を見たときは驚きましたが、風呂に入って服を替えれば印象ががらりと変わりまして」とかなんとか聞いた以外は、特に情報も得られなかった。



 そうして忙しい、長いようで短い一週間が過ぎた。その頃には私は日常の動作を滑らかにこなせるようになっており、また口調も以前と変わらないくらいに自然なものにできていた。

 朝食をとる私に、執事が困惑した顔で告げる。少女が屋敷から出ていってしまった、と。昨夜の時点でここから出ていきたいというようなことを言っていたようだが、その場では使用人たちに引き止められ、少女もそれで引き下がったように見えたらしい。使用人部屋のベッドがもぬけの殻になっているのを見つけたマーサが取り乱しながら報告し、使用人たちが総出で屋敷全体を探しても見つからないという。朝からどこか慌ただしかったのはそのためか、と頭の嫌に冷静な部分が得心し、残りの部分で愕然とした。何が嫌だったのだろうか。慣れない仕事か、人間関係か。嫌なら辞めてもいい、しかしその前にもう一度会って話したい。私は執事に人捜しを生業とする者に依頼するよう言いつけ、有能な執事によってそれはすぐ実行に移された。



* * *



 あれから数年が経つ。私は勉強を重ね、今は父の仕事を半分ほど受け持っている。「これならすぐにでも隠居できそうだな」という父の言葉は流石に冗談だろうが、予定より早く代替わりするつもりであるようだった。

 老執事はまた少し老い、引退を見据えて後任の育成に力を入れていた。彼が退職の意を示したときは引き止めたが、老いさばらえる前に若いものへ引き継ぐのは大事なことだと窘められた。

 年月は過ぎ、全ては変わっていく。私もまた、結婚適齢期に突入したことでいくつもの縁談が舞い込むという形で時間の流れを実感していた。縁談の中には悪くない話もあったのだが、私はそれら全てを断っていた。その理由のひとつは、私がまだ若いこと。あと数年は独身でいても後ろ指をさされることはないだろう。そしてもうひとつの理由は。


 私は地下の物置へ繋がる階段を降りた。軋む戸を開け、埃っぽい部屋の空気を吸う。この部屋の奥の戸棚の二段目に、目的のものがあった。

 金の装飾と小さな宝石が散りばめられた小箱を手にとり、蓋を開ける。中には黒く細い縄。少女が首につけていた、あの紐状のもの。彼女が屋敷にやってきたその日、汚れをとるため水浴びをさせられたあと。水を吸った紐が首に食いこんで痛そうだからと、世話をしていたメイドのマーサが切ってしまったらしい。そしてこの紐は、屋敷を抜け出した彼女が残していた唯一の痕跡でもあった。本当はずっと手元においておきたいのだが、他人に見つかるのがどうにもまずい気がしたのと、そばにあると胸が苦しくて仕方ないので、こうやって地下室に保管し、少女に会いたくてたまらなくなったときにだけ、見にきている。

 紐を手のひらに乗せ、親指で撫でる。思い出すのは森で暮らしていたときのこと。今でも獣の姿で森にいる夢を見ることがあるが、私はその夢を、少女の出てこないときは悪夢、少女に会えた場合は吉夢としていた。

 人捜しは、依頼する相手を変えながら継続している。しかし如何せん情報が足りないので、今の今まで有用な情報は得られていない。

 私はもう一度紐を撫で、ため息をついた。何が何でも少女を妻として迎えたい、などとは思っていない。しかし彼女にもう一度、もう一度だけ会って話さなければ、割り切ることができないだろう。年月のため想いを拗らせただけなのかもしれない。それでも。


 何者かが階段を降りてくる音がした。私は慌てて黒い紐を背に隠す。

 地下室の戸を開けて現れたのはひとりの女だった。いや、女というには若すぎるかもしれない。細い身体。済んだ目。そして顔の右半分の大きな痣。

「君は──」

「勝手に出ていってしまって、ごめんなさい。どうしても居られなくって」

 懐かしい声。間違いなく、あのときの少女だった。あのときより背が伸び、身体つきもずっと大人っぽくなっている。聞きたいことは山ほどあった。ありすぎて、言葉が出てこない。やっとのことで絞り出せた言葉は。

「今まで、どこに──」

「《魔女》のところへ。あなたを野獣に変えた《魔女》。あたし、森に行く前、あの人のところに飼われてたんです。実験や呪いの『材料』として。でも野獣に変えられたあなたの監視として、森に送られることなって。あ、いや、そういう名目の厄介払いだったんでしょうけど。あの人、あたしの痣を嫌ってたので」

「なんと……」

「それで、何を話してましたっけ。ああ、あたし、どうしても知りたいことがあって、《魔女》のもとへ行っていたんです。どうしても、ね」

 彼女は大きい目を細めて微笑んでいる。少し面長になってはいるが以前の面影を色濃く残しているはずのその表情に、数年前とは全く違う何かを見たが、それが何なのかは分からなかった。

 私は最も聞きたかったことを尋ねた。

「どうして、急に出ていってしまったんだ?」

「あなたが、人間に戻ったあなたが、皆に愛されていたから。お仕事の休憩時間も、皆、あなたの話をしてました。メイドも。従僕も。たまに顔を出す執事さんも。気がついてましたか? メイドのマーサさん、あなたに恋までしてたみたい」

「それが、どうして──」

「あたし、あなたが皆に愛されているのを、皆に愛されたあなたが満ち足りた顔をしているのを、見てると、とても苦しくなったんです。だから、」


 少女は口の中で何事か唱えた。すると私の全身を痒みと痛みが襲った。思わず地面に倒れ込み、全身を掻きむしる。この感覚は──三度目。

「あたし、どうしてもこの呪いのかけ方を知りたかったんです。もう一度、あなたに、あたしの大好きだったあなたに会いたかったから。呪いには一人分の命が必要でしたけど、これ以上、あなたのお家に《魔女》が嫌がらせできないと思えば、いいことずくめですよね」

 無理やり引き伸ばされる骨が悲鳴をあげる。肥大した筋肉が全身を覆い、内臓が捻れる音がした。皮膚は厚く硬くなり、その表面に白い毛が生え揃う。 丸まった背が狭い地下室の天井につき、尻と脚の下で棚がひしゃげる音がした。

「ああ。その顔。あたし、その目が大好きだったの。あのときはうまく言葉にできなかったけど、今なら分かるわ。理不尽な不幸への憂いと、獰猛な欲が綯い交ぜになった瞳!」

 以前より饒舌になった彼女に何か言い返したかったが、牙の生え揃った口からは言葉は出なかった。思考が、理性が知性が、脳から引き剥がされるのを止められない。

 うっとりと私の全身を見ていた少女の視線が、床のある一点で止まる。少女はそれを──黒い紐を拾い上げると、胸の前で握りしめ、口の中で短い言葉を唱えた。そしてその紐を私の首にかける。それは本来の長さを超えて私の首に巻き付き、喉元で丁寧に結ばれた。

「これには《魔女》の拘束の呪いがかけてあったんです。そんなものなくても、あなたから離れる気になんかならなかったのにね。大事に取っていてくれたんですね。嬉しいなぁ」

 少女はそのまま私の首に抱きつき、あのときのように頬を擦り寄せた。

「おかえり。ただいま。大好きな、野獣さん」

 私にはもう、彼女の言葉は理解できなかった。

 そして、どうしてか──。

 酷く、飢えていた。

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