第27話
あれは、俺が今の歳ぐらいの時。
俺は、虐められていた。
それも、本格的に。
物を壊され、体に消毒液をかけられ、罵詈雑言を言われ、殴られ、挙句の果てには、
電車と言う、ぶつかったら命を落とす乗り物が来る時に押されて、死んだ。
気づいたら、この世界に生まれていた。
「転生って言ったら分かるのか。俺は、前のまま、弱くて救いようが無いまま、この世界に来たんだ。」
「何で、やり返さなかったの?」
「…。そうか。この世界にはあるのか。あっちの世界は魔法何て存在しなかった。」
「それでも…!」
「俺は、お前が思っている以上に弱かったんだ。」
「…。」
「俺には、力なんてなかったんだよ。」
「じゃあ、そうやって人の事を信じ無いで生きてきたの?」
「うん。」
「実の母も?」
「…。」
「婚約者も?」
「!…。」
「そこら辺の人も?いつか知らない人がリティを助けても?」
「ち、ちが…。」
「あなたが言っていることはね。そういう事なの。皆はリティの事を助けて来たのに。それでも、リティは誰も信じれなかったの?」
「…。」
「もし、そうならここにリティはいない。リティが知らないうちに人の事を信じているんだよ。ここまで落ちこぼれにならなかったのも我慢したんじゃなくて楽しかったんでしょ?」
「!」
「なら、それはあなたが実感していないだけだよ。」
そうだ。俺は、俺たちはいつも何処で誰かに助けられてる。
誰も誰かを信じなければ、人類は発展しなかったのかもしれない。
誰も信じれず生きるって言うのはとても難しい事だ。
人は誰しも、誰かを頼る
だから、俺も、こいつに頼っていいのでは、無いだろうか。
「これは、一本やられたな。」
「勝った。」
「なあ、ウィル。」
「何?」
「これからも頼らせてくれよ。」
「任せろ。相棒。」
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