第13話

「では、フレム・リティア様に優勝したので、光陽団に入れます」

「王族を代表して言う。是非、光陽団に入ってくれ」

覚悟はもう決めた。だから、俺は成し遂げる。

「嫌です」


「え?」


「嫌です」


「まて、二回も言わなくて良い。何か、特別な理由でもあるのかね?」

「無いです。ただ、国ではなく、親や嫁の為に私の家にいたいです」

嘘だ。全くもっての嘘だ真実など1つもない

「そうか…。まあ、それも、一つの手段だ。だが、許されるとでも?」

「いいえ。でも、本音だけは言いたいんです」


「・・・・。良いだろう」


「えっ?」

「嫁と、親は確かに大切だ」

「はぁ…」

「それに、光陽団には、人数は足りてる。好きに生きるが良い」

「ありがとうごさいます」

「ティルをよろしく頼む」

えっ?

もしかして、ティルの

「お父さん!?」

「うむ、そうじゃ。だ」

「気づかなかった…」

「まぁ、よい」

「何故ですか?」

「嫁、ティルの事じゃろ」

「ち、」

待て。ここで違うと、言ったら、光陽団に行くのでは?

「ち、ちょと、色々ありましてね、」

「結婚式は?」

「まだ、です」

「楽しみに待っておるぞい」

「は、はい」

時には、嘘も必要だ。

そう思いながら、俺は足早に、帰って行ったのであった。

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