第12話

カァァン!と金属と金属のぶつかる音がする。


-これは、やばい。


なめてた。


「よそ見しない方がいいですよ」

「後ろか!」


天使の剣をギリギリ、俺の全力の神器で守る。

これで並ぶぐらいだ。

クソえげつない。

勝てねぇ。

勝てる訳がない。


「エイム」

狙い俺は手から光の槍を出す。

「スピアオフライト」

それを、セインの頭に投げる。

ヒュン!

「遅い」

と言いながらそれを吹き飛ばす。

何て器用な奴だ。


「グッ!ハッ!」


その槍は俺の頭をかする。

打ち返してきた。

やべぇ。

死にそ。


負けたくない。

負けれない。

俺は、やると決めたら、やる男だ。

嫁に負けるわけには!

いかねぇんだよ!


「フレムエルティクガン!」


炎の音と、電気の音が入り交じる。


その、銃弾はセインに当たる。

それは、やがて勝つ最後の魔法だった。


「勝った…」


『Win!』

「負けました」

「良く頑張ったよ」

「いいえ、まだ本気では無いです」

「えぇ…」

この子どこまで、やれるんだよ。

「まぁ、俺が代わりに、光陽団に入るよ」

「ですが…」

「いいの。俺も、今は気分が良いんだ」

そう言って、セインの頭を撫でてやる。

そうすると、セインは抵抗も無しに気持ち良さそうに、目をつぶっている。

かわゆい。


それは、全男が、認める事実だった。


だがそれをしていると、何故か殺意の目が降り注いでしまったので、すぐさまに止めた。

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