現代ふしぎ経立物語

私の読み方が浅いとは思いますが、こんなふうに読みました。
私は「猿」や「タラ」の「経立」物語を読んだことがあるので、ここにどんな「経立」が出てくるのかと思いました。最初はクマかな、と。
最初の部分には(すばらしい文章)、サンカは流浪の民ではないという説明が書いてあったので、ああ、村の歴史を語る物語なのだと思いました。

でも、またまた違いました。
教授(わたし)は誰も知らない未知の邑に行き、それを論文に書こうとしている学者です。危険があるかもしれないから、もし帰らなかったら、その時は頼むと山男の准教授、葛西に頼んで出かけます。
その秘境の邑は見つかり、彼は歓迎されて、女(ホカちゃん)まで与えられます。まさか、こういう展開になるとは思っていなかったです。(おおっ)
麓の超限界集落に住む人々の話によると、どうも邑人というのは、知的に少し弱い人々が送られたところらしいと教授は考えるのです。
何日たったまかわからなくなり、教授は邑を下りることにするのですが、
帰ったら梅毒の検査をしなくっちゃというところ、笑いました。
別れにホカちゃんにはデジタル時計をあげます。

ところが、私は死んで見つかり、骸骨は時計を握っています。(ええっ)
じゃ、邑での体験は全部、夢の中のことでしたか。
葛西はこの研究を続けるつもりですが、私はやめろやめろと叫びます。
あそこはあぶない。
この小説では、邑人が「:経立」だということでしょうか。

短編ですが、いろんなボールが向かってくるので、長編のように読みごたえがあり、おもしろかったです。
ありがとうございました。
次作にも、期待いたします。