第33話

 果たして、ばかりでは、果たしていないのだから。

 果てではないのだから。

 今回は、それでは、でいこう。

 それでは。

 いざ、メンタル・外科内科病院へ。

 かなり大きかった。

 大きすぎて入ることが怖くなるほどだし、入っても広所に恐れ慄きそう。しかし、たった一つの真実があった。

 当院は本日、臨時の休館にいたします。

 なお、どうしてもの急患の方は裏手へどうぞ。

 休館と急患て、被るものなの、言葉として。

 そういえば病院の休む日は休館日だったような気もするし、合っているのかも知れない。

 急患ではないけれど、ぐるーぅ、っと巨大な建物沿いを散歩するようにして裏手へ回る。

 受付は男性だった。これまた整った顔で恥ずかしくなった。

「あの、心の病で不安なんです。入れますか?」

 真実だ。


それはたいへんですね。


 座ってモニターを見ていた男性がすぐに席を立つ。姿を一度消して、

 

こちらへどうぞ!


 横にある自動ドアへ。

 こんなに早く対応してもらえて、これで急患と判断してもらって、大丈夫なのですか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る