第30話

 そして桜は。

 ごめんなさい。

 もう、このピンクのカーディガンは、

 捨てます!

 外からは学校の教室で大勢がおしゃべりしているような音。

 たった一年、着てパジャマに代用しちゃっただけで。いたむお洋服もあるんですね!

 パジャマ買おう!でもジェラートピケとやらは高いし可愛いかわからない!ふわふわではある!

 そう決意し、ほんとはみんな、100均で買えるものより安っぽくて、ホームセンターに大量積まれてる製品みたいに違いがないのは、私かも知れない。

 機嫌のいい父からビデオ通話で言われた。

 たまには帰ってこいよー

 帰るものですか!帰るけど!お母さん!元気かな?!妹なら大丈夫だろうけど、私の代わりになってないかな?!

 心配なのだ。

 一回帰る。そして、この部屋を見てもらう。

 それで私がオカシクなっていなければ、部屋は普通のはずで。おかしいのは、おかしいことが起こること!

 帰ったら1度下手でもいいから、粘土でも折り紙でも手芸でも、何かやりたい。なにか作りたい!

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