第十四話

ジリジリと蒸し暑いこの日。

真夏の太陽があるだけでも俺達の体力を奪い、汗と言う水を出させる。


夏、この日俺は陸上のフィールドに立っていた。


「太郎君て陸上部だったんだね」

「まぁな」

「何やるの?」

「1500」

「じゃあ、長距離か。頑張ってね。応援してるから」


そんな言葉を交わし、10分後俺の番が回って来た。

ああ、やだな。

走るの嫌だし、ユニホォーム、露出が多い!


「適当に流すとでもするか」


スタート。銃の音が鳴り出し走り出す。

そして、その次に聞こえた音は


「太郎君!頑張れー!」


優花の声だった。


やってくれたな。クッソ!

手なんか抜いてられるか。本気で挑むぞ。

俺は、最初から、選手を抜いた。

そして、三位だ。

そうしているうちに最初の300を終わってしまった。

あと、3周だ。

ここで、1分。


だが、体が付いて行ける訳無ない。


「はぁ! はぁ!」


もう、疲れた。

普段練習して無いから。体力が付いてない。


700は2分20だった。


あと、2周。頑張れ。優花にかっこいいとこ見せんだろ!

1100、3分半。行け!行け!

「行っけー!!」

ありがとう。優花。その一言が俺の背中を押してくれる。

だから、頑張るよ。


ラスト1周。これまで無い程に早く走った。


あと、300


あと200


あと100!


全力を振り切って!


「はぁ!はぁ!はぁ!はあ…。」


ゴールした。

「終わった…。」


気が抜けたのか、俺は、そこで倒れて、

それからの記憶は閉ざされた。

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