第16話 ギルド事情

「冒険者のランクってE〜Sじゃないんですか?」


「その通りです。その上特例でSSや別階級がありますが。」


コンが横からコソッと話しかけてきた。

「主様は村に居たから気づいていないと思うが、主様の父上はSSランク以上じゃよ」


ああ、父よ。そんなに強かったのか。


「話は変わりますが、このギルドはなぜあの様な連中が大きな顔をしているのでしょか?ギルドとはそう言う場所なのですか?」


「うーん、簡単に申し上げますと。当ギルド「シャドウフレア」は団長がこの町付近の派閥をまとめあげて作られたギルドなんです。その団長が不在の間にこのような状況なってしまっておりました。」


「団長はなぜ不在なのですか?」


「団長は近くのダンジョンでワイバーンが現れたという報告があり、単身で調査に向かわれました。」


「一人で??」


「はい、正直ワイバーン相手となるとこのギルドに居るものでは団長の足手纏いになってしまうので。かれこれ1カ月ほど戻ってこず、団長の側近達が様子を見に出たのが1週間ほとで、その間にあの物達が大きな顔をする様になったのです。」


「一番最初に絡んできた人、No.2だと言ってませんでしたかね?」


「はい、あの人は団長に負けるまでこの町で暴れ回っていた組織の隊長でした。団長に負けたから大人しくしていましたが、団長が亡くなってしまったと思いまた悪さをする様になっていました。」


状況は掴めた。つまりこのギルドの団長が悪党も全てまとめあげていた。しかし死亡した可能性が浮上して、抑止力が無くなってしまている状態だ。

とりあえずこの町にしばらく居るつもりなので平和な方がいいな。と考えているとコンが耳打ちをしてきた。


「揉め事が増えても困るのじゃ、ここは主様が副団長として抑止力になるのが一番じゃ」

同じ意見だった。


「皆さん、ぼくが副団長になってもいいですか?」


拍手が起きた。

「お願いします」

チンピラが消えたいま満場一致だった。

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