第7話旅立ちの前に

もうあと数日でぼくはこの村を旅立つ

日に日に心がソワソワしてくる。不安が無いと言ったら嘘になるが、見たこともない世界に胸を踊らせてると言う方が正しい。


母に旅立ちを告げたとき、反対されたり悲しまれたりするかと思ったが優しい笑顔で

「気をつけてね!」と言ってくれた。


あれ?思った反応と違うな。

「あのー、寂しくないんですか?」


「寂しいよ。でも男の子なんだから親元を離れて成長しようとしてくれて嬉しいの」

そのな暖かい言葉をもらった。

この世界はとても優しい世界である。


話は変わるがぼくは、旅立つ前に確認しておかなければいけない事がある。

実際、外の世界に出た時に自分の強さはどのくらいなんだろうか?

本を読んでもイマイチ分からない

基礎的な魔法は大体使える。特に雷と氷の魔法は得意な感じがする。

剣術は父に習っているだけなので基準が分からない。

山のモンスター達は倒せるが、それがどのくらいの強さなのかも不明で有る。

つまり、ぼくは「井の中のかわず」で有る可能性非常に高い。


これは確かめておかないと、本当にすぐ死ぬ可能性が有る。


父に聞いてみよう。

「父上、聞きたい事があるのですがいいですか?」


「お?どうした?」


「ぼくって、強いんですかね?」


爆笑された。

「面白い質問をするな」


「笑わないで下さい。真剣です」


「そうか、旅に出るんだもんな」


「はい。」


「うーん、強いかと聞かれると難しいな。

正直に言うと今のおまえだとdランク冒険者とならいい勝負が出来るかもしれない」


dランク、基本的な魔物は倒せるが群れの大将には勝てないぐらいだ。


「そうですか。」


「今のお前の歳なら相当強いが、世界は広いんだ。さて明日旅立つ我が息子に最後のプレゼントをしようか。

おまえ今まで全力で挑んできた事ないだろう?魔法でも何でも使っていい。かかってこい」


唐突な父の発言に驚いたのと同時に嬉しく思った。自分の全力を出せる事

「分かりました、怪我をしても知りませんよ!」

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