第2話 雨の日

6月といえば、梅雨ですね。日本列島上に停滞前線があり、連日雨で、いやになってきますね。今日も、みなとくんは、雨で部活動は、お休みです。ですが、6月の終わりといえば、期末テストがあります。そこで、みなとくんは、勉強のために図書室へやってきました。


みなと君の学校では、放課後に図書室で勉強できるようになっていて、いろんな生徒がきています。


「はあ、中間テストは、平均点以下だったし、いい点をとらないとなー。

お父さんに言われたけど、点数をとることを目的としてはいけないらしい。

難しい言葉で自己目的化とか言っていたなあー。

自分が物事を考えるために、勉強しているって思おう。

あと、平穏な日々を送るために、今は、学生として暮らしていくのがいいらしんだよな~。世界には、満足に勉強できない子もいるんだからなー」


みなとくん、すごく難しく物事をとらえていますね。今、図書室の隅っこで英語の過去形を勉強し始めました。


「eatって不規則動詞だから、過去形は、、、、ateか」


図書館で2時間勉強したみなとくん。さあ、家に帰るようです。


『傘がない。傘がないよー。雨が降るから、持ってきたのに』


誰かが、傘がなくて、困っているようです。


「あっ、相川さん、どうしたの?」

『森藤くん~。実は、傘をもってきたはずなんだけど、ないの。誰かが、代わりに持って帰っちゃったのかな?』

「そうなんだ~。相川さんって、どこ住んでいるの?」

『山川公民館のそばなんだけど』

「自分の登下校の途中として通るから、送ってあげようか?」

『いいの?そんなの、森藤君が疲れない?』

「いや、いいよ。いつも、相川さんには、おせわになっているんだからね。」

『じゃ、よろしくお願いします、森藤君』


こうして、みなとくんは、相川さんを送ります。


『森藤君って、結構優しいよね?』

「そんなことないよ。困っていたら、お互い様だからさ」

『そんなに、謙遜しなくていいんだよ?』


実は、みなとくん、この時、とても緊張していました。なぜなら、普段、こんなに女の子と長時間一緒にいることはないからです。


『もしかして、森藤君って、図書館で勉強してた?』

「そ、そうだよ。ちょっと勉強しないといけないと思って」

『すごいね。私は、合唱部で、ずっと、歌ってたよ』

「え、相川さん、合唱部に入っていたの?」

『そうだよ。』

「ふーん。今度、文化祭が歩けど、そこで披露するの?」

『うん。』

「そっかー、じゃあ、自分もその文化祭で相川さんの歌が聞けるのを楽しみにしておくよ」

『それなら、私は、期待して待ってくれる人のために、もっと練習頑張らないと。いや、でも、期末テストも勉強しながらだし~、うーん。』

「もし、期末テストのための勉強でわからないことがあったらいってね。お役に立てるか分からないけど、」

『ありがとう、森藤君。じゃあ、その時は、よろしくね!』


二人は、相川さんの家へ到着した。


『じゃあね、森藤君!おくってくれてありがとう!』

「またねー、相川さん」



「よし、自分は、相川さんのためにも、勉強しよ!」


ちょっとした使命感も持ちつつ、帰ってから家で勉強するはるとくんなのでした。



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