第3話

 夢の中で光に誘われ目を覚ます。地獄の手前の、煉獄の最中。今日は肘掛け椅子ではなかった。

両腕は、椅子の背を抱くように、縛られている。


この椅子はいつもどこからくるのだろう。そして、


あの丸机も。


もうすぐやってくる。いや、もういた。

顔の黒い男。


やはり、夢の中なんだな。

現実に現れてはくれない。

探しに行っても、あのおぞましい体験に懲りず昼間に訪れ、井戸の蓋を取ろうとして。


何やってるんですか?

古民家の管理人に不思議がられた。

手を痛めちゃいますよ。そんなコンクリの蓋引っ掻いたら。管理人には事情を前から話していた。

ずっと昔の。


 親の因果が子に報い。

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