Our Voices

竹内こぴん

プロローグ

セカイって、みんな違っている。



肌の色、目の色、話す言葉もみんな違う。

だからって、みんな違う存在なんかじゃない。

みんな、同じ人間。



このセカイ、たった一つの地球にいるみんなは同じ。



みんな、故郷は地球。



みんな自由に生きたいって願ってる。

囚われの枷なんて捨てたいって。



そう願うだけでみんな少しずつ解放される。

そして、共通の言葉を交わす。



その名も、音楽。



言葉がわからなくて通じなくても、音楽は世界中で通じる。



そっと触れるだけであたたかくて、自然と笑えて、いつの間にか楽しいって思える。



もしそれが、それが広がったらセカイは、平和になるんじゃないだろうか。



みんな自由になれる。

君みたいに自由に。



……けど、「私」は。



「私」は、自由じゃない。

「私」は、ここにはいない。

「私」は、誰からも知られてない。



……わかりたくない。

でも、わかってほしい。



「私」のほんとの姿を......。



気がつくと「私」は、今にも崩れてしまいそうな彼女に、手も伸ばしていた。

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