第31話 RINGコラボ配信! ファミールクイズ ファミール知識編 part1


……


「それでは、今から……ファミールクイズを始めようと思います!」


『きたきたー!』

『これは楽しみ』

『やったー』

『絶対答える』

『楽しみだ!w』


NGワードゲームの時と同じ様に、俺たちにもコメントと配信画面が見える様になる。

ただ、さっきと違うのは…、コメントの流れるスピードだ。

他のゲームの時も速いとは思ってたけど…、また一段と流れる様になったな…。

やっぱり、ファミールに関するクイズということだけあって、盛り上がっているのかもしれないな…。

この配信を見ている人は、ほとんどの人が、ファミールのファンだと思うしね。


「いやー…、これは間違えられないよね!」


「そうですね…!ファミールに入ったからには、全問正解しないといけませんよね」


「…そう…ですね。ファミールに入ったんですもんね…!」


シズさん、もみじさん、俺という順番に言っていく。


……まずいのかもしれない…。

ファミールの配信を見てきてはいるけど…、そこまで自信ないぞ…。

二人の様子を見る限り、めちゃめちゃ自信あり気な感じがするし、俺もマジで頑張らないと…。


……でも、少し不安な気持ちもあるけど、楽しみな気持ちもある。


折角、こういう機会を設けてくれたんだし…、楽しみながら頑張っていこう。


「うふふっ。3人ともやる気満々の様ですので…、今からこのクイズのルール説明の方にいきますね。

まず、このクイズは、前半と後半に分かれています。前半と後半で、クイズの形式だったり、内容だったりが異なっているので、注意しておいてください。そして…、クイズに正解するごとに、一人10ptが与えられます。より、高いポイントを、一番最後に持っていた人が勝ちとなるので、最後まで、諦めずに頑張ってくださいね」


「「わかりました」」


ゆずき先輩が、このクイズの説明をする。

俺たちは、リハーサルの時に、大体のことは説明してもらっていたけど、クイズは何一つ教えてもらっていない。

だから…、そのクイズが楽しみな反面、怖いんだよな..。


「それでは早速、前半のクイズをやっていきましょうか」


…ふーー…。


………


よしっ!

頑張るぞ…!


クイズを楽しむ。

そして……、絶対に当ててやるという気持ちでもやっていこう。

さっきは少し不安な気持ちもあったけど……、それは一旦消し去る。


「今から、私がクイズを言っていきますので、その答えを、書いてお答えください。見ている皆さんには、配信画面で問題をお見せしますので、一緒に答えてみてください」


そう言うと、またコメントが見えなくなるが配信画面は見えたままになる。

このクイズでは、配信画面が見えていても大丈夫らしい。

確かに、クイズが書かれるのと、解答が出るだけだから、俺たちが見えていても、何も問題がない。

もちろん、シンキングタイムの時は、解答が画面に出ないようになっている。


でも、コメントだけは見えないんだよなー。

答えを書く人もいるだろうしね。


ただ…ずっと思ってたけど、コメントが見れないと、少し寂しいもんだよな…。

次の個人配信では、コメントをたくさん読みたい。


「それではー……第一問です」


俺は、集中して、問題を聞く準備をする。


「問題。ファミールには、たくさんデビューしてきた人達がいますが、その中に、ミスロジーというユニットがあります。そのメンバーとは、エリス・アンバー、アラジア・ミーズ、イクロス・ポッセ、クレイ・オーズと、もう一人は誰でしょう。フルネームでお願いします」



『簡単!w』

『ミスロジー好きな俺からしたら、もう名前が出ただけで嬉しい』

『これはいけるやろ』

『俺でも知ってる』

『ミスロジーだ!』

『でも、上だけしか覚えてないとかも…』



………


よしっ!この問題はいけるぞ!

なんだって、本人に会ってもいるんだしな!

間違えるわけにはいかない。


「これは簡単だよねー!」


「ですね。間違えられません」


シズさんともみじさんがスラスラと答えを書き始めていく。


シズさんも、もみじさんもこの問題は余裕そうだな。


俺はもすぐに、答えを書いていく。


「皆さん、もう書き始めてますね」


「当たり前じゃないですか…!」


「そうですよ。迷う方がおかしいと思います…!」


この問題に関しては、すぐに書き始めないと、本人に失礼だからな。


「うふふっ。確かに、この問題は簡単かもしれないですね」


多分、第一問目だから、相当難易度は落としているんだと思う。ゆずき先輩もこう言っているしね。

けど…、二問目からがどうかだよな。


「それでは、少し早いですが、解答の方に参りましょうか。皆さんもかけているみたいですしね」


ゆずき先輩は、俺たちが書き終えているのを見て、解答の方に移る。


「一応聞いておきますが、準備は大丈夫ですか?」


「「はい!」」


「わかりました。それでは…、解答をオープン!」


レン : ノイロス・オートバー

もみじ : ノイロス・オートバー

シズ : ノイロス・オートバー


ゆずき先輩がそう言うと、席の表側にある画面に、それぞれの解答が出る。


これは、ノイロス先輩で間違いないだろう。

配信だって、何度も見ているし、初配信前に、実際にあってもいるんだからな…!しかも、お話しも少ししてくれたし…、間違えるわけにいかない。


「皆さん……、大正解です!」


『これは簡単や』

『ノイロス君!』

『よしよし』

『俺も正解!』

『ノイロスは面白いぞー』


「よしっ!」


正解だ!

この問題は自信があったけど、やっぱ当たると嬉しいものだな…。


「やったー!」


「やりましたね!」


二人も当たり前の様に正解している。


まあ、この問題はね…、簡単だったし、先輩の名前だから、間違えるわけにはいかなかったからな…。


「皆さん正解でしたので、全員に10ptが与えられます」


そう言うと、また画面が変わって、その画面に10ptと書かれる。


よしよし…。この調子でどんどんと答えていきたいな。

もしかしたら、最後の方で、激ムズの問題が出てくる可能性もあるから、初めの方の問題で、間違えずにポイントを取っておきたい。


「それでは、第二問目です」


ゆずき先輩の言葉を聞いて、俺はまた問題に集中する。


「問題。私が所属している、デビューユニット セカンダルは、二つの言葉を組み合わせてできています。その二つの言葉は、セカンドと、もう一つはなんでしょう」



『これも簡単か?』

『考えれば、すぐだなw』

『俺わからんな…』

『私もわかる!』

『少し前に、配信で言ってたな』

『3人とも頑張って!』



おー…、なるほどー。

頭の中に、一つ単語は出てきているけど…、それであっているよな…?

学校のテストとかでも、よくあると思うんだけど、初めは自信満々に書いているのだけれど、見直しの時とかに考えすぎると、それがあっているのかわからなくなる現象…。

それに似ていることが起きている…。


ただ、普通に考えれば…、これしかない気がする。


俺はまたすぐに、解答を書き始める。


ゆずき先輩もいるんだし…、この問題も間違えるわけにはいかないぞ…!


「これも簡単かな?」


「……そうですね。多分、合っていると思います」


…うん?さっきみたいに、自信ありな様子じゃないぞ…。


「あれ…?もみじちゃん?」


「…いや!わかってるんですけど、本当にこれでいいのかなーって色々考えてしまって…」


…全く俺と同じことが起きている。


「もみじさん…。俺にも、全く同じことが起きています」


「ですよね…!」


「でも…普通に考えれば、これしかないです」


そう、もう余計なことは考えずに、最初に頭に浮かんだ単語で大丈夫だとは思う。

まだ、二問目なんだし…、そこまで難しくはないだろう。


俺たちは全員、解答を書き終える。



「皆さん、書き終えたみたいなので…、解答の方にいきましょうか」


よし…、あたっていてくれ…!


「解答、オープンです!」


レン : ファミール

もみじ : ファミール

シズ : ファミール


お!みんな同じ答えだ…!

これだけで、一気に安心する。



「皆さん…………、正解です!」


『おー!』

『流石!』

『これも簡単だった』

『いい調子!』

『もみじちゃん頑張ってー』

 

「よしっ!!」


よかった…!これで、二問連続正解だ!

まだ簡単だから、当たり前のことなのかもしれないが、結構嬉しい。


「やったね!」


「よかったです…!」


二人も正解して喜んでいるみたいだ。


もみじさんは、やっぱり少し不安だったのか、安堵しているみたいだな。

でも…、その気持ち、めっちゃわかる。

俺も不安な気持ちがあったから、安心感が今、半端ない。


シズさんはまだまだ余裕そうだな。

問題が簡単なだけかもしれないけど、あの自信あり気な顔を見ていると、本当にファミールについて色々と知っているんだと感じる。



「これを正解してくれたのは、私としても嬉しいですね!ちなみに…、何故セカンドとファミールを組み合わせたかわかりますか?」


これはー… 、あの理由でいいのかな?

前、配信で言っていた、セカンダルという名前にした理由で。


「えーっと、古参組の皆さんについで、二番目にファミールに入ったからですか?」


「私も同じ理由ですね」


「あ!私も同じ!確か、少し前の配信で、そんなことを言ってた気がしたんだよねー」


シズさんも聞いていたのか!

やっぱ、ファミールの方達が配信をやっていると、少しでもいいから見たくなるよなー…。いろんな方が配信しているから、全員は見れないけど、このゆずき先輩の配信は運良く俺も見ていた。


「3人とも…お見事です!そうです。二番目にファミールに入ったっていう理由から、二番目という意味のセカンドに、ファミールの最後の方をもらって、セカンダルというユニット名になったんですね」


前配信で聞いていたのと、全く同じ理由だ。


配信を見ていてよかったー…!!

もしかしたら、違う方の配信を見ていて、これを聞けていなかったっていうこともあり得たからな…。

この理由を当てれたことも嬉しい。(クイズには何の得もないけど…)


これからも、いろんな方の配信をみよう。


「……ということで、二問目も皆さん正解ということで、全員の10ptを与えます」


そういうと、また、席についている画面が変わって、全員のポイントが20ptとなる。


いい調子なんだけど…、シズさんともみじさんと差がつけられないなー…。

問題によっては、本当にわからない場合もあるから、ここら辺の問題で差をつけたいんだけど…、問題が簡単だからな…。


俺がわかって、他二人がわからないっていう、俺得問題来ないかな。


「それでは…、第三問目にいきます」


…いや、ポイントのことは置いておこう。

今はこの第三問目を正解して、ポイントをもらうことだけを考えておこう。


「問題。現在、早乙女シンカさんのチャンネルで、一番再生されている、歌ってみた動画はなんでしょう」



………



『いきなり難しくね?w』

『これはわからんw』

『シンカちゃん推しの俺からしたら余裕』

『私もわからない…』

『さっきの問題との差よ!』

『レン君ならいけるんじゃない!?』



えっっっとー……。

なんだったけ……!!


シンカさんの歌は好きだから、よく聴いてはいるんだけど、再生数なんて気にしてなかったから、うまく思い出せない。

でも、何を歌っていたかは思い出せるから、選択肢は絞られる。


「…難しいですね…」


「そうだね…。これは、わからないかもしれない…」


お…!二人もわかっていないみたいだな。

俺がちゃんと思い出せれば…、差をつけれるかもしれない…!

考えろ…考えろ…


俺は、頭の中で、一旦数曲に絞り出す。

覚えているもので、再生数が多かった気がするものだな。


まずは、俺も少し前に歌っていた、夏の時間記録。

そして、爽やか系なボカロである、フロムナウ。

最後に、昔からボカロで有名な、天邪鬼。


この三つの曲は、俺も好きでよく聞いていて、再生数も多かった記憶がある。

けど、他の曲も再生数は多かったから、この三つからとは限らないんだよな…。


マジでむずい。


「…あれかな…?いや、それかあの曲の可能性も…」


「……確か、Y(旧ワイッター)でつぶやいていたような…」


二人も、色々と思い出して考えているようだ。



……思ったけど、問題難易度上がりすぎじゃない?

さっきまでとは、問題のベクトルも少し違うし…。

ここのきて、差をつける問題を出してきましたか…。



「…皆さん、悩んでいるようですので…、ヒントを一つあげましょうか」


…なに!ヒントだと!

これは是非とも聞いておきたい…!

もしかしたら、ヒントによっては、曲が絞られるかもしれないし、答えに辿り着く可能性もある。


「「お願いします!」」


俺たち3人は、勢いよく言う。

シズさんももみじさんも、欲しかったみたいだな。


「うふふっ。わかりました。ヒントは…、半年前に発売された、ファミール雑誌に、ファミールで有名な動画として、紹介されていました」


ファミール雑誌…?


確かに、ファミール雑誌が発売されているのは知っていたけど…


買ってない…!!


いや、気になってはいたんだけど、色々とやることもたくさんあったから、後回しにしてしまっていたな…。

多分、めちゃめちゃいいヒントなんだろうけど…、何にも絞れなかった…。



………



うん?

けど俺、どこかでファミールの雑誌を読んだ気がするんだよな。


えーっっと……


「………あっ!!」


わかったぞ!

どこで読んだかも、このクイズの答えも!

確かに、あの曲も再生数が多かった気がする。


「レン君?どうしました?」


「あははっ、いきなり声出してたけど」


「あ、いや…なんでもないので、気にせずに…」


もみじさんとシズさんに声をかけられる。

わかったのが嬉しすぎて、つい声が出てしまった…。もう頭の中で、全てが繋がったからな。


でも、俺は悟られない様にする。


「ふーん…、なるほどね」


「答えがわかった感じですね」


「…そんなことないですよ…?」


はい、もう悟られてました。


「いいなー…。私、正直なところまだピンときてないから…」


「私もですね…。何曲か候補はあるんですけど」


もう、俺が答えを知っているような言い方だ…。

…多分、会っているとは思うけど。


俺は、答えをスラスラと書いていく。

シズさんともみじさんも、悩みながらだが、答えを書きはじめる。


頼む…。合っていてくれ…!確か、この曲だったと思うんだ…!


「それでは、皆さん書き終えたみたいなので…、解答に移りましょう」


俺は心の中で願い続ける。


「それでは、解答オープンです!」


レン : よく晴れた日に

もみじ : 天邪鬼

シズ : 天邪鬼


答えが分かれた…!


俺も天邪鬼は頭の中に浮かんでいたけど…、ヒントを聞くかぎり、俺はこの曲だと思っている。


……


「正解は………、よく晴れた日に です!レン君のみが正解です!」


「よっしゃー!」


『これはすごいわw』

『流石は推し』

『レン君すごい!』

『すげーな』

『天邪鬼もすごいんだけどな』

『草』



「…レン君…すごいね!」


「これはすごいです…!」


「いや、俺もヒントがなかったら当てられなかったですよ…」


ヒントで全てわかった感じだからな。


「私はヒントを聞いても、ピンと来なかったけどね…」


「私もですよ…」


「…でも、シズさんももみじも、雑誌を読んだ事あると思いますよ」


なんだったら、ファミールの面接に行った人はほとんどの人が読んでるんじゃないかな?


「レン君はどうしてわかったの?」


「えーっとですね…、見ている皆さんにはわからないかもしれないですのでけど、ファミールの面接の時に、ファミールの雑誌を読んでたんですよ」


「…あっ!私も見てた気がする!」


「私も見てた記憶があります。なんで思い出せなかったんでしょうか…!」


やはり二人も見てたみたいだな。

でも、約4ヶ月ぐらい前だから、思いだせないのもわかる…。それに、あの時、多分緊張もしていただろうし…。


あれ?なんで俺、思い出せたんだろう…。


「それを思い出して、この曲が書かれていた事を思い出したんですよね」


「そっかー…、ちょっと悔しい…!」


「もう少し考えておけば…」


…二人とも相当悔しがっている様子。


…ちょっと優越感を感じてしまうな。


「レン君は流石でしたね。…ということで、レン君に10ptが入ります!」


よしっ!これで、俺が30ptで、シズさん、もみじさんが20pt。

10ptしか変わらないが、差ができたのはいいことだ。


次からも集中していくぞ…!


「前半戦もあと少しです!頑張ってくださいね」


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本当にありがとうございます!


これからも頑張りますので、引き続きよろしくお願いします。


また誤字脱字等がありましたら、報告をよろしくお願いします!

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