第24話 初配信後の反応

【コメント(配信中)】



『…歌うますぎないか?』


『…え?なんか、まだまだ未熟ですみたいな雰囲気だったのに…、めちゃ上手いやないか』


『めっちゃ感動する…』


『声が良すぎる…』


『ピアノも普通にうまいし』


『さっきまでダジャレを言ってたような子には見えないな…』


『ギャップがありすぎて…かっこいいなぁ』


『普通に、シンカちゃんとかひまりちゃんに匹敵するぐらい上手いと思う』


『こりゃー、えぐい子がやってきましたな…』


『さすがは加藤社長だわ』


『歌ってみたとかも楽しみすぎるんだけど』


『ここ最近で一番衝撃を受けてるかも。それぐらい上手いわ』


『うますぎる!!』


『初めは、ちょっと頼りない子かなって感じたけど…、歌になるとめちゃかっこいいな』


『ガワ、普通にいい、頭、多分いい方、歌、めちゃ上手い。え?完璧か?』


『うますぎて笑える』


『てか、よく聴くと、めちゃくちゃ感動するな…。少し泣きそうだもん』


『推しがまた増えてしまったな…』


『サビとかも、気持ちがこもってていいな』


『感動もので草』


『最後まで見ててよかった…。これだけでも見る価値がある』


『…自身がないってなんだ?上手すぎるて』


『ピアノとレンくんの声の相性もいいんだよな…』


『少し声が震えてるようにも聞こえるけど…、それでもここまで上手く歌えてるんだもんなぁ』


『ここからもっと上手くなっていくと考えると恐ろしい』


『…うん、本当にいい。泣ける』


『ヒューズの歌詞とかと相まって…、…いいな』


『決めた、これからもレンくんを応援する!」


………

……



【凪威シズ、和泉もみじside】


「………」


「………」


たった今私たちは、レンくんの初配信を見終わった。本当は一人でみようかなと思っていたけど、イルコードでもみじちゃんから、一緒にみようと連絡がきたから、イルコードを繋げて一緒に見ていた。


途中までは、意外とレンくんが頭がいいんだなーっと思っていたり、ダジャレも面白いなーって感じていたんだけど…。

最後の最後にもっていかれちゃったかな…。


「ねえ、もみじちゃん。レン君ってこんなに歌が上手だったんだね」


「…はい。正直、とてもびっくりしています」


「だよねー。私も…めっちゃ驚いてる」


私たちはまだ出会って数ヶ月。だから、知らないことなんてまだまだたくさんあると思っていたし、これから同じRINGの仲間として色々と知っていこうとは思っていた。

けど、いきなりこれはびっくりしちゃったなー…。


「まさか、ここまで上手だったなんてね」


「はい…。それに、とても感動したんですよね。なんというか…胸に響く感じが」


そう、それは私もそれは感じていた。歌の歌詞やメロディーも合わさって、歌声が胸に響いているような感じ。


「…多分、相当練習してるよね。レンくん」


「そうですね…」


もしかしたら、才能もちょっとはあるかもしれない。けれど、練習をしないとここまで上手くはならないと思う。

…私も頑張らないとな。


「…私、レンくんと一緒の仲間になれてよかったです」


「…うん、そうだね。私もそう思う。それに、なんだかね…まだ知り合って数ヶ月しか経ってないけど、同じRINGの仲間として、あんな風に歌っているところを見ると、ちょっと誇らしく感じるんだよね」


レンくんが歌っている時のコメントを見ている時なんかは特に感じたな。仲間があんなに褒められているんだからね!


「わかります!それに…私たちは、レンくんと一緒に歌をうたうことだってできるんですからね」


「そうだね!」


私たちは、同じRINGの仲間として、レンくんとはコラボだったり、歌ってみただったりをとることが簡単な方だとは思う。

だからこそ、それを活かしてレンくんとは色々なことをこれから先やっていきたい。

まあ、歌に関しては、RINGの歌ってみたが少しずつ完成しつつはあるんだけどね!けど、レンくんがこんなに歌が上手なら、もっといろんな曲を一緒に歌ってみたいな。


「あ、それと…、さっきレンくんと一緒の仲間でよかったって言いましたけど、それはシズさんも同じですからね」


「……え!?…あ、ありがとね!ちょっと恥ずかしいや…」


「私だって恥ずかしいですよ…。けど、本当にそう思うんです。いつも元気でいるし、話し合いの時とか色々と仕切ってくれるし…、RINGのリーダーって言ったら、シズさんなんじゃないかって思うぐらいですよ」


「…うー…、直接言われると、やっぱ恥ずかしいよ…。けど…ありがとう。嬉しいよ!」


まさか、もみじちゃんがこんなことを言ってくるなんて思っていなかったから、嬉しいけど…、恥ずかしい気持ちもあるんだよね…。


「いえいえ。これからもよろしくお願いしますね!シズさん」


「うん!よろしくね!それと……私ももみじちゃんが一緒の仲間でめっっっっちゃ嬉しいよ!」


「…!?あ、ありがとうございます…。本当にちょっと恥ずかしいですね…」


「それと同じ気持ちだったんだよ…!…これから先、私、もみじちゃん、レン君の3人で色々と頑張っていこうね」


「…はい…!頑張りましょう!」


そんな話をして、数十分後に私はもみじちゃんと別れた。


…うん、一人になってからでも思う。

私、やっぱり二人が仲間でよかったよ。


…よし!明日のコラボでも、二人と一緒に頑張ろう!!


………

……



【社長、鈴木マネージャーside】


「…ふー…。無事3人とも初配信を終えることができたわね」


「そうですね。よかったです」


今の時刻は、20時31分。ちょうど、全員の初配信が終わったところだ。

私は社長として、3人の配信を、RINGのマネージャーである鈴木さんと一緒に見ていた。


「3人とも初めの方は緊張していそうだってけど、最後の方には、ちゃんと配信者らしくなっていたから、これからも安心そうね」


「はい。3人とも、よくやれていたと思います。コメントとの掛け合いもちゃんとやれていましたし」


「そうね。ファミールにまた、いい仲間が入ってきてくれたわ」


全員の配信を見ていたけれど、3人とも配信のセンスはありそうだった。

シズさんは、ちょっとした冗談を言いながら、視聴者を楽しませつつも、コメントにも真面目にも答えていた。そして、時々姉御肌なところを見せていたから、もしかしたら女性層とかにも受けがいいかもしれないな。


もみじさんも、一つ一つのコメントを真摯に受け入れて、より良い配信にしようとしていた。それに、普段は真面目だからか、真剣な顔をしていたけれど、たまに見せる笑顔と、可愛い反応で、視聴者を虜にしていた。…多分、意識してないと思うけど…それがよかったのかな。


レン君も、ちゃんとコメントを読んで、配信を良くしようとしていたし、自分が喋りやすい環境にしたのもよかったと思う。それに、コメントからいじられてもいたから、これから先は意外といじられ役としてやっていく可能性もあるのかも知れないな

初配信でいじられるのって、結構難しんだけれど…、これもダジャレのおかげなのかも知れないわね。

…正直なことをいうと、私は少し笑っちゃたわね。



うん、3人とも配信スタイル的なものが、バラバラになっていていい感じになっているわね。

これから先の3人…RINGが楽しみだわ。


「……それにしても、レン君の歌はさすがとしか言いようがないですね」


「…そうね。私たちは面接で聴いていたから、まだ衝撃はなかったけど…、やっぱりいいものね」


面接の時よりも、声も震えていなく、ピアノの方もミスもなかったし、多分それだけ練習しているんだと思う。

よくやっているわね。


「…けど、楽しみね」


「そうですね。RINGのこれから楽しみです」


「それもそうなんだけどね…。私にはもう一つ楽しみなことがあるのよね」


「え?もう一つですか?」


私は少しほくそ笑みながら、もう一つの楽しみについて考える。


「この初配信、誰が見ていると思う?」


「…え、ファミールのファンの皆さんだったり、興味がある人たちが見ているんじゃないですか?」


「そうね、今日見ていたほとんどの人は、鈴木さんが言っていたような人だと思うわ。けど……、当然、ファミール関係のみんなも見ていると思うのよね」


「……あ!そういうことでしたか…」


鈴木さんもわかったようね。

ファミール関係といえば、ファミールの社員だったり、技術提供者だったりがいるけれど、そのような人たちではない。

一番、ファミールに関係のある人たち…


「そう、ファミールメンバーのみんなの反応が楽しみなのよねー」


私は微笑みながら、ファミールメンバーの様子を思い浮かべる。

昔からファミールに在籍している人は、もう慣れているかも知れないけれど、まだこういうのに慣れていない人も多くいるはず。


「…はー…。社長もお人が悪いですね」


「…いいじゃない!私もここまで大きくするのに苦労しているんだから…」


「それは…そうですね。まあ、ほどほどにしてあげてくださいね」


「はーい」


さあ、みんなの反応が楽しみね。


………

……



【古参組side】


「……また、すごいやつが入ってきたな」


俺、神楽坂ながいは、古参組のみんなと今日デビューの新人たちの初配信を見ていた。

ちょうど、仕事で一緒になったから、一緒にみようという話しになったのだ。

それに、俺たちも今回の新人たちの選考にはすこーしだけ関わっているからな。


「そうだね…。俺もびっくりしちゃったよ」


そういうのは、音羽タキ。いつも少しテンションが高めなのだが、驚いているのか、今は低めだな。

ただ、その声には、関心をしているようにも感じる。

まあ、気持ちはわかる。


「まさか、ここまで歌が上手いとは思わなかったわねー…。他の二人も配信センスはあるなって感じたし、今回のRINGも才能の塊ね」


「まあ、それはそうよ。加藤社長や副社長、その他の社員たち全員で決めているんだから。それは、今までの新人たちを見てきてもわかっていたでしょう。それに…加藤社長の目も本物なんだしね」


そう話す二人が、星月まほと来栖セン。

二人はなんだか、驚いてはいるけど、俺たちほどではないようだ。なんなら、センに関しては、少し納得しているようにも見える。

まあ…センは歌がめっちゃ上手いもんな…。そこまで驚いていなくてもびっくりはしないけどな…。


「…で、本音を言ったらどうですの?セン」


そう声にするのは、プリンス・クイーン。

配信では、お嬢様でやっているけれど…、現実だとめっちゃお姉さんなんだよな。

だから…


「……ほ、本当はめっちゃびっくりしてるよ!何あの子!?歌うますぎない?他の二人も普通に配信上手くやっていたし…。もう自信無くなっちゃうよ…。プリちゃーん!」


こうなるんだよな。クイーンが指摘して、センやまほ、たまに俺たちが妹弟みたいになっちゃうんだよ。ほんと、裏でのクイーンはお姉さん属性なんだよ。


「やっぱりそう思ってますよね。私だって驚いているんですから。センは、押さえ込む癖みたいなものを早く直した方がいいです」


「あー、わかる。私もたまに感じるもんねー」


「ううう…。何もかもバレてる…。けど、初めに言ったのも本音ではあるからね?特に、加藤社長の目なんて、ずっと見てきたけど、才能を見つける目を備え付けてるのかなって感じるもの!」


「まあ、それについては否定しないな」


「そうだなー。社長のおかげでこファミールがこまで大きくなっているんだしな」


マジでどうやって、あの人は才能ある人材を探しているんだろう。直感的なやつなのかな…。もうよくわからない。けど、すごいということだけはわかる。社長のおかげで、すごい人材がファミールに入ってきて、大きくなったのも事実だしな。


「はいはい。これで初配信を見終わったんですし、仕事を終わらせますよ。それに、23時、24時から配信の人もいるみたいですからね」


「「ギクっ…。はい、わかりました」」


俺たちのことですね…。確かに、配信予定ではあるから、急いで終わらせないとな。クイーンには頭が上がらないな…。


「じゃあ、私は別の仕事がまだありますので、そっちに行ってきますね」


「おお、わかった」


「了解ー」


「頑張ってねー。プリプリー」


「またね!プリちゃん」


「はい!」


そういい、クイーンは別の仕事へ向かっていった。

クイーンも頑張ってるし、俺たちも頑張らないとな。


………

……



ファミール事務所 人気の少ない廊下。


「…なんなんですの!あの新人たちは!」


わたくし、プリンス・クイーンは一人廊下で自分の思いを叫ぶ。


「私も抑えていましたけど…本当に驚きますわね。3人とも配信のセンスはありましたけど…、最後の最後に持っていかれましたわ…」


もしかしたら、センやシンカと同じぐらいの上手さかも知れない。

これがどれだけすごいことか…。


「…まあ、けどいいことではありますわよね」


また、ファミールにすごい人材が入ってきた。それだけのことですわ。社長のことですし、また入ってくるのではないかとは薄々思ってはいましたわ。

…想像以上でしたけど。


「これからわたくし達も、また新人のみんなと関わることができる。…楽しみですわ」


私は、少し未来のことを考えながら微笑む。

ファミールのメンバーなら誰でもそうですけど…コラボできるのは楽しいことですから!


「…次の仕事に急がないと」


わたくしは、新人たちのことを考えながら、別の仕事へ向かっていった。


………

……


【太陽side】


「やっぱうまいんだな…!」


俺は、ファミールの新人、宇多黒レンの歌を聴きながら、一人言をこぼした。

数ヶ月前に、面接時のピアノと歌が聴こえてきて、聴いたことはあったけど、ちゃんと聴くのは初めてだったからな。

まさか、ここまでだとは思わなかったけどな!


「向こうはもう俺に気づいてるのか…?…いや、よく見ていたファミールメンバーで俺の名前を出したってことは、もう気づいているか」


面接の帰りに、俺が話しかけたこと。そして、もう一度、事務所で会っていたこと。

多分、向こうもどこかで気づいて俺の名前出したはずだからな。

それに、レンは多分、シンカとかと同様、ファミールをあまり知らずに応募して、合格した感じだからな。面接時に俺のことを知らなくてもおかしくなかったし、歌やピアノの才能があってもおかしくはない。


「…楽しみだなー…。レンもそうだけど…RINGの3人のこれからが」


レンに注目が行きがちだが、他の二人も普通に才能の塊だとは思う。俺はまだ、そこまで長くやっているわけではないけど…。なんとなくそう感じるのだ。


「コラボもしてみたいなー…!」


やっぱ初めは、レンとコラボしてみたい。けど、他の二人ともコラボもしたいな…。


「毎回思う。新人がやってくるのは、嬉しいし、ワクワクする」


それだけ多くの人と絡むことができて、仲良くなることもできるんだし。今までも、ファミールに入ってきた子達とは、みんなと仲良く慣れたしな。


「楽しみだ」


俺は、RINGの入ったファミールを想像しながら、そう呟いた。


………

……



【早乙女シンカside】


「………」


私は、今日デビューすると告知されていた、新人達の初配信を見ていた。

見終わって思ったことは、3人とも上手くやっていたなということ。コメントとの掛け合い、進み具合、アバターの動かし方などなど、初めてにしては上手くやれていたなと感じた。

…まあ、社長のことだし、こういう人材を見つけるのは簡単なことなのかも。今までもそうだったし。


ただ、私には一つ気になることがあった。

それは、最後に初配信を行っていた、宇多黒レン君が配信の終わりぎわに行った、歌とピアノ。

ピアノに関しては、普通に上手なと思ったけど、私が気になったのは、歌…いや、歌い方の方だ。


「…似てる。あの人に」


そう、私が昔から大好きなに、歌い方が似ているのだ。最近は、こっちも忙しくなってきて、聴けてはいないけど…、それでも似ていると少し感じた。


………


「…いや、気のせいかな。そこまで有名な人ではなかったし…。それに、歌い方とかも、たくさんの人がいるんだから、似てきてもおかしくはない」


けど……


「もし、向こうと話す機会があれば、少し聞いてみたいな」


まあ、一つ問題があるとすれば……


「私…ちゃんと話せるのかな…」


私はデビューしてから、配信で一人で話す練習だったり、人と話す練習だったりもしていたから、昔からいるメンバーとは普通に話せるけど、新しく入ってきた子となると難しいんだよな…。なんなら、前回入ってきた子ともちゃんとは話せてないし…。


「…頑張るしかないか…」


仲良くなるためには、先輩の私から話しかけにいかないとダメだとは思う。前回のメンバーを含め、RINGの3人とも少しは仲良くなりたい。


「………一旦、ゲームの練習でもしよう。配信でクリアもしたいし…」


そういい、私は仲良くなるためにはどうすればいいかという考えを一旦放棄して、ゲームの練習を始めた。

…うん、後で考えておくから……後でね……



———————————————————————


本当は、コラボの方に行こうと思ったのですが、配信の反応も書きたいと思って書いてしまいました…。もし、楽しみにしていた方がいたら申し訳ないです。ただ、先に言っておくと、次もコラボまでいけるかどうかわからないので、そこもご了承ください。

また少し書くのが難しく、所々変なところがあるかも知れないので、あれば報告よろしくお願いします!


そして、星評価(レビュー)の方がなんと…300を超えました!本当にありがとうございます。これからも少しずつ頑張りますので、星評価の方よろしくお願いします。



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