第19話 初配信準備だっ!
俺たちは、エリス先輩、ノイロス先輩と少し話した後、またはじめの部屋に戻ってきた。
先輩とちゃんと話すのは、初めてだったから緊張はしたけど、二人とも本当にいい人だったな…。
…本当は、太陽先輩とも話してはいたんだけど、あれは俺が気づいていなかったからな…。まあ、そのおかげで今回は声で、エリス先輩と、ノイロス先輩とわかることができたんだけどね。
「さて、みんな戻ってきたわね。レコーディング部屋はどうだった?うちの自慢の物の一つだから、結構自信あったんだけど」
俺たちが部屋に戻ってきて、少しすると、俺たちに声をかけてきた。
社長からしても、レコーディング部屋は自慢の物の一つらしく、少しニヤついてこちらをみてくる。
「それはもうすごかったです!私、少し感動しちゃいましたもん」
「そうですね!歌ってみたをあそこで収録できると考えると、ワクワクしてきます」
「俺も色々と見ることができましたし、特に個室もあるって言うのがすごいなって感じましたね」
個室に関しては、歌の練習までできるようになっていたからね。あそこは、デビューしてから使うようになると思うな。
「でしょう?みんな気に入ってくれそうでよかったわ。他のファミールのメンバーもよく使っているから、そこは仲良く使ってちょうだいね。もうみんな大人だから大丈夫だとは思うけど」
それはそうだな。実際、さっきもレコーディング部屋の近くで、ミスロジーのエリスさんと、ノイロスさんに会ったし、戻ってくる時にホワイトボードをみてみたら、ミスロジーのみなさんが使う予定ということもわかった。
5人で何の歌を歌ってるんだろうな…。そのうち、動画とかで上がるとは思うから、楽しみにしておこう。デビューしても、心はファミールのファンのままではあるからね!
「みんな集まったことだし、今日は後、初配信の準備をできるところだけして終了よ。さっきも言ったけど、もう一度大事なことだから言っておくわね。まず、初配信の配信時間は一人30分となっているわ。19時から19時30分がシズさん、19時30分から20時がもみじさん、20時から20時30分がレンくんっていうことになるわね。そして、初配信で必ずやっておいてほしいことが自己紹介ね。それと、これはできればいいんだけど、配信のタグや、リスナー名とかも決めれたら決めちゃって。けど、これは後々決めていくでも大丈夫よ。だから、自己紹介だけで30分使っても大丈夫っていうことね。他のファミールのメンバーの初配信をみて見ても、自分の名前や誕生日、長所や短所、特技とかを色々と発表して終わった人だって少人数だけどいたし、そこにプラスαで何かやって終わるっていう人が大半だったからね」
ファミールの先輩方には30分全てを自己紹介に使ったりした人もいたのか。自己紹介だけで、30分使えるだけでもすごいと思うんだけど、何をやっていたのだろう…。けど、やっぱりプラスで何かをやっている人も多いらしいから、後で誰か先輩の初配信をみて参考にさせてもらおっかな。
「ていう感じなんだけど…。まあ、初配信っていうのは自分達で考えてやる物だから、考えてみてちょうだい。今から時間を取るから、もし、何かお願いがあれば、こっちもできる限り支援しようと思ってるから、遠慮なく聞いてちょうだいね。それと、今から白紙の紙を渡すから、少しでも決まったことがあれば、その紙に書いておいてちょうだい。こっちも少しは把握をしておきたいからね」
「「わかりました」」
社長はそう言い終わると、白紙の紙を俺たち3人に配り始めた。
…さあ、正直俺はまだ、どんな感じでやろうとかまだ決まっていないから、他の二人の意見を聞いておきたいな。
「…シズさんと、もみじさんはもう大体の構成とかって決まっているんですか?」
俺は、二人に尋ねてみる。もし決まっているのであれば、どんな感じなのか聞いておきたい。
「私はまだ、自己紹介をやるっていうことしか決まってないかなぁ」
「私もですね。先輩によっては、プラスαで何かやっていたみたいですけど、それをやるかどうかもまだ決めてないですね…」
「やっぱそうですよね…」
二人もまだ決まっていないらしい。
そりゃそうだよな。初配信がいつにあるのか教えてもらったのも今さっきだったし、考える暇だってそんななかったしな。
「けど…、やっぱり自己紹介で結構な時間を使っちゃうんじゃないかな。多分、みんなパソコンで自己紹介の資料とかを作ると思うんだけど、それを自分で動かしてやってもいかないといけないから、それで少し時間は使っちゃうと思うんだよね」
「私もそれは思います。それに、みてくれる方もたくさんいると思いますから、コメントを読んだりしていても時間は使うと思うんですよ。だから、自己紹介が終わってもやれて、一個か二個ぐらいのことだと思いますよ。私が知っている先輩の初配信でも、自己紹介が終わった後に、コメントのみんなとはなして終わっていましたし」
「確かに…。その二つで少しは時間を使っちゃいそうですね。それに自己紹介の内容によっても時間は変わってきそうですし」
二人がそれぞれの意見を言ってくれる。
なるほどな…、二人がこうして言ってくれるのは助かるな。確かに、パソコンで色々とやらないといけないのは確実だし、コメントを読むのも確実だから、その分時間は使うだろうな…。
さっきの社長の言っていたことを合わせると、やっぱり自己紹介だけで終わる人は少数だったし、一個か二個ぐらいやることを考えておくか。
もみじさんの言っていた先輩も視聴者と話すだけで、時間がきてしまったらしいからな。
けど、まずは…
「ならまずは、自己紹介の内容から決めますか?それで時間があまりそうなら、個人個人で決めて行く感じで」
「うん、それでいいんじゃないかな。私もそんなこと考えてたし」
「私もそれでいいと思います」
「じゃあ、それでいきましょうか」
俺たちは、個人個人で、自己紹介の内容を考え始めた。本当はここも話しあって、3人とも同じ内容とかでもいいのかなとも考えたけど、それだと視聴者もつまらなく感じるかもしれないし、シズさんやもみじさんもそれぞれ言いたいこととかもあるだろうしな。ここは個人個人で考えた方がいいと考えた。
うーん、まずはやっぱりユニット名と名前だろうな。これは、配信が始まって、すぐに自分で言うとは思うけれど、改めて言っておいた方がいいとは思う。
次はー…、誕生日、星座、血液型にしようかな。誕生日は、ライブをやったり、誕生日企画をやったりと俺にとっても大事な物だから、伝えておいた方がいいだろう。他の二つはおまけで一応伝えておこうかな。
次に、特技かな。これは、書類や面接の時にも書いた、歌とピアノかな。正直、まだまだ自信はないけれど、歌のおかげでファミールに合格したという可能性もあるのだから、少し自信をもとうと思う。ピアノも手がついていかないこともあるけれど、練習はしているから、特技ではあると思う。
問題なのは、この二つを披露するかどうか…。
俺の予想、面接の時は社長と鈴木さんの二人だったけれど、今回はみてくれる人が何千、何マンといる可能性があるから、面接よりも緊張すると思うんだよな…。多分、音を外したり、ピアノもミスをしたりすると思う。
…けど、俺はやるぞ!
確かに緊張はするし、ミスもするとは思う。もしかしたら、『下手くそ』だったり、『聴きたくなかった』みたいなコメントも流れるかもしれない。けど、せっかく俺の配信を見に来てれるんだから、歌とピアノぐらい披露してもいいと思うんだ。
けれど、歌とピアノを披露することで、自己紹介だったり、他にやることだったりをできなくなる可能性もあるから、この二つは配信の一番最後にやろうかな。だから、最後に少し時間を確保しておこう。
で、次に自己紹介で伝えておくべきことは…
やっぱり、ファミールに入ったんだから、よく見ているファミールメンバーだったり、推しのメンバーだったりを紹介しようかな。もしかしたら、その人達のファンの方だって見てる可能性もあるからね。
本人にそれが伝わるのが少し恥ずかしいけれど…。
まあ、大丈夫でしょう。
で、もう一個、ファミールに関する紹介で、ファミールに入ってからの目標とかも言っておこうかな。
俺的には、ここで目標を言っておくことで、それのために色々と頑張って行くことができると思うからな。
よし、一旦このくらいでいいかな。もし、何か足りないと思ったら、また足していけばいいしね。
俺は、今考えたことを全て紙に書いて行く。
…そういえば、初配信で歌を歌っても大丈夫なんだろうか。後で、マネージャーか社長に聞いて、許可をもらっておかないと。
よし、次は自己紹介の後にやることだな。
今の所、俺の頭の中だと、自己紹介を15分、最後の歌とピアノで5分と考えてるから、残り10分っていう感じなんだよな。ただ、自己紹介は伸びる可能性も全然あるから、5分から10分でやれることを考えてよう。
うーーーん…
パッと思い浮かばないな…。
少し休憩がてら、他のファミールのメンバーの初配信を見て、何をやっていたのか見させてもらおうかな。ついでに、自己紹介とかも見てみよう。
ここは…さっきちょうど会ったエリス先輩とノイロス先輩の二人の配信を見てみようかな。
自己紹介はー…、ノイロス先輩は俺と似ていたような感じだけど、エリス先輩とは全然違うな…。
エリス先輩は、少しでも視聴者を楽しませようと、過去にあった面白かった話や、得意な一発ギャグなどを自己紹介に入れている。
…今思うと、俺の自己紹介ってあまり面白くないのか…?ノイロス先輩も、一つはギャグのようなものを入れていたし…。
これに関しては、また追加しておいた方がいいかもな。少しは面白さを入れておいた方が、自己紹介でも楽しくなると思うし。
そして、自己紹介の後にやっていたのは…。
『みんな!今から、私のファミール愛を語りまくるから、よく聞いておいてよね!ラジオ感覚でも楽しんでちょうだい!」
『よし、これで自己紹介が終わったから、今から俺に関するクイズを出すから、みんな答えてみてくれ。時間いっぱいまでやるから、何問あってたか教えてくれよ!』
なるほどな…、エリス先輩は、自分のファミール愛を語りまくって、ノイロス先輩は自分に関するクイズを出して、視聴者と楽しんでいたと。
どっちもそれぞれ個性があっていいなー…。
俺も二人みたいにいい感じのことをやりたいと思うんだけど、どうしよう。
俺的には、ノイロス先輩みたいに、視聴者にも楽しんでみたいと思ってるから…、
「…あ、そうだ。一言質問コーナーみたいなことをやろうかな」
みんなに一気にコメントをしてもらって、俺がそれに一言で答えていくコーナー。
意外といいんじゃないか…?
視聴者も関わってやることができるし、俺のこともわかってくれる。
一石二鳥じゃないか!
よし、これをやろう。ちょっと俺も楽しみだしな。
一旦、まとめて紙に書いておくと…
・自己紹介(後でつけ加える可能性大)
・一言質問コーナー
・歌とピアノの披露(許可をもらう)
こんな感じか。
ちょっと、コメントを読んだり、パソコンを操作したりで、30分で終わるか不安だけど…そこは頑張ろう。
「3人とも、もうそろそろ終わりにしようかなって思うんだけど、少しは準備できたかしら?まだ初配信まで一か月ぐらい時間はあるから、まだだったらそれまでにやることを決めて、教えてちょうだいね。それに、パソコンで資料とかも作ったりもすると思うから、その辺りも初配信までには用意しておいてちょうだいね」
「わかりました」
うん、まだまだやることはたくさんだけど、少しはまとめることができたな。初配信までには、色々と用意をしておこう。
「もし、何か許可が欲しいものがあったら、後で私か、マネージャーに伝えてちょうだいね。もちろん、イルコードで許可をもらっても大丈夫よ。だから、無断で色々とやることはやめてちょうだいね」
それはそうだな。もし、これで何か変なことをしてしまったり、写してはいけないものを出してしまったりしたら、炎上確定案件だからな。俺も気をつけておこう。
「はいっ、今日は終わりよ。また何かあったら、個人かグループかはわからないけど呼ぶかもしれないからその時はよろしくお願いね。じゃあ、またね」
「ありがとうございました!」
「ありがとうございました」
「あ、ありがとうございました」
「ええ、初配信頑張ってちょうだいね。楽しみにしてるわ」
…初配信まで後一か月。
本気で準備をして臨んでいこう。
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地の文が多くなって申し訳ないです。もしかしたら、読みにくかったかもしれないです。
今後は、掲示板会→初配信→RING3人でのコラボ
みたいな感じでやっていきます。
もし、誤字脱字等あればよろしくお願いします!
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