第25話 未来を切り開け!
「ユーグのターンが終わり、オーバー・ザ・レインボーの効果が消えて攻撃力は2000に戻ります。残ったガトリングドラゴンの攻撃をどう凌ぐのか!?」
この状況でもまだ救いはある。《ソウルランス》には装備モンスターの攻撃力を500下げて相手モンスターの攻撃を一度だけ無効にするもう一つの効果がある。そして場に伏せた
ヘヴィメタさんが
「俺のターン・・・ドロー!!!」
「ヘヴィメタはここで切り札をドローしました!この状況はヘヴィメタには圧倒的に有利ですが、この引きで確実に王手をかけるようです!」
「俺は《
ガトリングドラゴンを犠牲にして呼び出されるヘヴィメタさんの真の切り札。5つのシリンダーの銃口は竜の頭のような形をした異形の姿。こいつもガトリングドラゴン同様運頼みではあるが複数回の攻撃が可能だ。これはきつい・・・
「バトル!ガトリングブラスターで攻撃!その効果により相手モンスターの数だけシリンダーに弾丸を装填し、二分の一の確率で発射する!お前のモンスターは3体、よって弾丸は3発だ。さぁ、運試しだ!ファイア!」
3つの弾丸のうち発射されたのは・・・2発。
「《ソウルランス》の効果発動!装備モンスターの攻撃力を500下げてモンスターの攻撃を一度だけ無効にする!オーバー・ザ・レインボーの攻撃力をさらに500下がり1500になるが、この瞬間オーバー・ザ・レインボーの効果で攻撃力が倍になり3000になります!」
「だがまだ弾丸は残っている!クリアナイトを攻撃!」
ガトリングブラスターの攻撃力は3500でクリアナイトは1500。この攻撃を受ければ600しかない俺のライフは尽きる。
「
ガトリングブラスターが放った弾丸は軌道が変わりオーバー・ザ・レインボーに向かう。強化されたオーバー・ザ・レインボーでもガトリングブラスターの攻撃力には及ばない。攻撃力の差の500が俺のライフから削られる。
ユーグLP600→100
「危なかったぜ。もしガトリングドラゴンで攻撃していればオーバー・ザ・レインボーに返り討ちにされていたからな」
「俺が《理想への代償》を伏せていることを読んでガトリングブラスターを召喚したんですか?」
「いや、そこまでは考えてなかった。だが何か手を打ってくるとは思ってたから俺も切り札を出しただけだ。
ガトリングブラスターの効果発動!相手モンスターを戦闘で破壊した時、デッキからカードを一枚ドローできる!
バトルフェイズは終了してカードを一枚伏せてターンエンドだ」
「なんとかこのターンの攻撃を凌ぎましたが、ユーグに逆転の手は残されているのか!?ユーグの手札は0!ライフは残り100!このドローに全てが懸かっています!」
「俺のターン、ドロー!!魔法カード《希望の対価》発動!自分のモンスター1体をリリースして除外されているカード1枚を手札に加える!クリアナイトをリリースして《孤高のプライド》を手札に加える!
さらにオーバー・ザ・レインボーの効果発動!墓地から《ソウルランス》、《理想への代償》、《希望の対価》を除外して墓地から特殊召喚する!
除外された《理想への代償》の効果発動!このカードが除外された時デッキからカードを一枚ドローする!」
「本当に何度でも蘇るな、オーバー・ザ・レインボー」
「何度倒されても諦めずに戦い続ける。こいつらがいる限り俺もデュエルを諦めません!
バトル!ダークナイトでガトリングブラスターを攻撃!この瞬間速攻魔法 《孤高のプライド》発動!自分のモンスターが自身より攻撃力の高い相手モンスターと戦闘する時、攻撃力を倍にする!これでダークナイトの攻撃力は4000です!」
ダークナイトは戦闘で相手モンスターを破壊した時、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える。この攻撃が決まれば俺の勝ち。
「永続
「だがガトリングブラスターは倒させてもらいます!」
ダークナイトの攻撃力は4000でガトリングブラスターは3500。その差の500がヘヴィメタさんのライフから削られる。
ヘヴィメタLP3200→2700
「この瞬間ガトリングブラスターの効果発動!フィールドから墓地に送られた時、墓地のガトリングドラゴンを特殊召喚できる!」
ガトリングブラスターの残骸からガトリングドラゴンが現れる。
「オーバー・ザ・レインボーじゃガトリングドラゴンを突破できない。次のターンガトリングドラゴンで攻撃すれば俺の勝ちだ」
「いや、この瞬間を待っていました。速攻魔法 《孤高の称号》発動!相手がバトルフェイズ中にモンスターを特殊召喚した時、自分のモンスター1体の攻撃力を倍にする!さらにオーバー・ザ・レインボーの効果で攻撃力が倍になり攻撃力は10000だ!」
ヘヴィメタさんのフィールドにはガトリングドラゴンと効果を使い終わった《
・・・・・本当に勝ってしまっていいのか?確かに俺はたくさんの期待を背負ってこのドミネイトリーグに参戦している。両親やエリアルやスクールのみんな、応援してくれた人たちに応えなければいけない。
「おおっと!ユーグは攻撃しないんでしょうか!?」
「さっさととどめさせよ!」「ヘヴィメタをデュエル界から追放しろ!」
俺の応援をしてくれる人だけじゃなく、この場にいる全員がヘヴィメタさんの敗北を望んでいる。
でも・・・俺自身はどうなんだ?プロデュエリストになることはヘヴィメタさんとハーピィさんを犠牲にしてまで成し遂げたいことなのか?
俺にとって憧れのデュエリストでもあり、恩人でもあるヘヴィメタさんを地獄に突き落としてまでプロになることは正しいことなのか?
デュエルの前は全力で戦うって約束したけど、いざとどめを刺すとなると
ヘヴィメタさん、教えてください・・・・・
俺はどうすればいいんですか?・・・・・
「ユーグ、お前は一人でもやれる」
チームドランカード時代、ヘヴィメタさんがスランプに陥った時に俺に言った言葉が
ヘヴィメタさんは初対面の時から俺を気にかけてくれていた。俺に支えてくれる人を作るように助言してくれて、チームにスカウトしてくれて、自分がスランプになっても俺に一人でプロを目指すように言ってくれて、逮捕されてもキャリアに傷をつけるなと俺を諭してくれた。全部俺を成長させる為だ。俺に「真のデュエリスト」になってほしいからだ!
「ヘヴィメタさん・・・俺はたとえあなたの屍を踏み越えようとプロデュエリストになります。あなたが託してくれた理想も希望も、現実にしてみせます」
「来い!ユーグ!!!」
「バトル!オーバー・ザ・レインボーでガトリングドラゴンを攻撃!未来を切り開け!
オーバー・ザ・レインボーの斬撃が七色の軌跡を描き、ガトリングドラゴンを両断する。
ヘヴィメタLP2700→0 ユーグwin
ヘヴィメタさんのおかげで俺はここまで強くなれました。
自分が傷ついても本気で誰かを想うあなたは誰よりも強くて優しい人です。
あなたは俺にとって最高の
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