日常

やっと家に辿り着いた。

以前こっそり作った合鍵を取り出してドアを開ける。


明るい光、見慣れた廊下。

ここを抜けると彼がいるリビングだ。


距離をとりたい。

そう言われて距離をとって以来だ。

カメラやマイク越しじゃなくて彼に会うことができるのは久しぶり。

私の胸が躍った。


警察の見回りも強化されて、最近はずっと見られている気がする。

捕まってしまったら問題だ。

時間の猶予はもうない。


最近、他の女に惑わされている彼。

ちゃんと彼女である私だけのものにしてあげないと。

彼氏と彼女である、二人の日常を守るんだ。


リビングのドアを開けると、驚く彼。


「なんで、お前」


スッと近寄って、スタンガンをあてた。


「ただいま」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私たちの日常 花里 悠太 @hanasato-yuta

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ