少子化社会とSF的に考えた未来のカタチ

エテルナ(旧おむすびころりん丸)

少子化社会とSF的に考えた未来のカタチ

出産一時金が上がることが決まり、これで一つ少子化対策が進みました。


代わりに75歳以上の負担が増えるので、国民同士で負担させるなとか、バラ撒いてる金でやれだとか、たった8万の増額で新たに子供産もうと思えるか疑問だったり、結局病院が出産費用を上げるのでは? などなど否定的な言論が目立っておりますが……


まあ評論みたいなことを書いても、それは専門家さんにお願いすればいいことで、せっかくSF好きなので今後少子化がどうなるのかを予想してみます。

システムを話す以上、少し倫理面から外れた機械的な言動になることはご容赦くださいね。


【出生率が2.0を超えることは絶対にない】

少なくとも夫婦で2人産まなければ人口の減少は止められません。

実際には産んだ子供が未婚のままだったり、ご不幸があったりと、2.0を上回る出生率が必要です。


現在の少子化は社会不安、金銭面が大きな要因と言われてます。

ですが、じゃあ裕福になったからといって皆が子供を産むかと言われたら答えはノーです。


昨今、ゲームに動画にSNSに、無料で楽しめるコンテンツが非常に多くなりました。

育児中にもスマホを気にしてしまう親が一部いるそうです。

これは親が悪いとは言い切れません。


前回記事にも上げましたが、スマホには非常に強い依存効果があるので、もはや逃れられない社会現象です。

国民全員の病です。

強い意志や親としての心がけでどうにかなるレベルを超えてます。



そして育児は非常に重労働です。一人の子供でも育てるのは大変です。

それが二人、三人、四人となったら、もはや己に残される時間は皆無となるでしょう。


完全にネット社会から断たれ、無料の映画やアニメやゲームが一切できず、子供の面倒だけに人生を尽くす。


果たしてこの選択肢を取れる人間が世の中にどれほどいるでしょうか?

生涯独身を貫く人をゼロにすることはできませんから、出生率2.0を保つには相当数のご家庭が3~4人の子供を産まなくてはなりません。

裕福である仮定ならば預ければいいじゃないか! という案も、個人の話ではなく皆が裕福な仮定ですから、保育士やベビーシッターの数が圧倒的に足りません。


この国の未来の為に己の人生を捨てるなんて、戦前や戦中の日本みたいな思考にはなりませんし、それを強要することもできません。

産む機械じゃねーんだ! って話ですね。


じゃあこのまま一定のペースで人口は減り続けていくのかというと、そうではありません。

二つのパターンの未来が想像できます。


①メタバースの発展により人口激減は更に加速する

②高度な医療技術の発展により人間が不死化する


二つのパターンと言いましたが、この二つが組み合わさることも想像できます。


【①メタバースの発展により人口激減は更に加速する】

昨今、発達が進むメタバース。今のところはネットゲームの延長線上のようにしか見えませんが、いずれは経済、教育、仕事など、我々の社会に深く関わるようになります。


メタバース内で経済のやり取りが行われる。

これはネット上のものでも無二の価値を持たせるNFTと共に既に実現されはじめています。

現実に存在するものをメタバース内でショッピングすることもそうですし、アバターに着せる服をアパレルブランドが手掛けたり、アバターの髪型を美容師がデザインしたり、既存の業界がメタバースへの進出をはじめることでしょう。


教育も同じく、既にオンラインサロンという形でネット講義が普及しつつあります。

公的なメタバース学校ができた場合——


・校舎の維持費が必要ないので学校の運営が容易になります


・物理的な距離がないので、遠方に住む学生も良い学校に進学することができます


・身体の不自由な子もアバターを通し、皆と一緒に不自由なく学び、遊ぶことができます。


・教室の広さという概念もないので、優秀な先生は一度に沢山の生徒を教えることになるでしょう。


・一度に多くの生徒を教えられる関係上、授業料の単価も下がり、裕福でない子も一流の教えを学ぶことができます。(数十人しか収容できない教室では必然的に一人一人から多くの金をとらざる負えない)


・物理的に通える学校が絞られる現実と違い、選べる学校の選択肢が多いなら、イジメから逃れる為の転校も今よりずっと決断しやすくなります。


欠点は家庭の不和が見えてこないことと運動不足。

運動不足についてはまぁ…未来になればなるほど減っていくのは抗えない摂理なので致し方ないかもしれないです。

江戸時代のように歩いて京都まで行こうってのを復活させるのは無理ですし、自宅に飲食やモノが届くのが当たり前の世界になりました。

反対運動はもちろんあるでしょうが、運動不足が進んでいくこと自体は止められないと思います。


家庭の不和については解消、軽減しなければならない問題です。

常に家にいることで駄目な親から逃れる時間が少なくなってしまう。

校舎の維持費削減により浮いたお金で、定期的な親子面談など、教育機関の実家庭への介入を進めていく必要があるでしょう。


少し話は逸れましたが、それでもメタバースは超有用なので社会に取り入れられるのは必然です。

となれば現実社会での顔と顔を合わせた直接的な出会いに発展しにくくなる、というのは容易に考えられることです。

よって恋愛や結婚からは疎遠になる。


なんて、評論めいたこと書いたけど…


一番やべーのは、現実の人間に恋をしなくなる、っつーことです!


知ってますか?

今の時代、現実に存在しないのに、さも現実にいるようなレベルの女の子のCGが作れるんです!


加えて人間との会話を自然にこなすAIも進歩中。

この二つを組み合わせれば…


女優やジャニーズアイドルより美しい、シミも皺もなく完璧な美を備えたCGキャラクターが、他の人には目も暮れずあなた一人だけに優しくし、絶対に浮気することもなく裏切らず、完全にあなたの味方で愛してくれる。


いやいや!

現実の人間が敵う訳なくなるじゃん!

しかもそこからビッグデータを収集され、更に個人の好みになるように振舞いはじめる。

これがアニメキャラだっていいんですよ?

テニプリの推しキャラが、進撃の巨人のリヴァイが、ナミさんが初音ミクが煉獄さんが。


たったあなた一人だけを見てくれる。


版権があるので難しいキャラもいますが、要はアニメ造形のキャラとも双方向の恋愛ができるようになるということ。


AIや機械に恋をしてはいけないなんて法律はありません。

恋愛させることが目的のゲーム、メタバース、アシスタントAIを作ることも違法ではありません。


メタバース内なら触れ合うことも可能ですし、性的な行為だけが最後の壁ですが、どうせどこかの国が作りはじめることでしょう。(めちゃくちゃ儲かるしね)

むしろリアルな人間に性被害が及びにくくなる以上、受け入れた方がいい面すらあるほどです。


そしたらもう、現実の人間なんか喧嘩するわ裏切るわ、老いもするしシミもシワもあるし汗もかくし垢出るし、屁こくしウンコするし、汚なくて醜くてたまったもんじゃなくなります。


今の世代に反感はあるとしても、メタバースが当然の世代が育てば、現実の人間は恋愛対象外に成り果てます。

んな訳ねーだろと思う方、あなたはそれでもいいんです。

しかし新しい世代の思想は違います。SNSやアプリでの恋愛が普及し、恋人関係の形が昔と変わりつつある今、それが逆行することだけは絶対にありえません。


出生率ゼロ。

そんな恐ろしい未来が訪れるかもしれません。


ですが、それで人類が絶滅するかというと、そうでもありません。


【②高度な医療技術の発展により人類が不死化する】

人はいずれ死ぬ。

そんな絶対的な自然の摂理が覆されるかもしれません。


いやいや! 不老不死とか中二病か!


って、言いたい気持ちは分かります。

ですが昨今の医療技術の発展は凄まじいものがあります。

あの癌ですらも、人類は克服しようとしつつあるんです。


免疫は外部からの侵入者を攻撃します。

ゆえにがん細胞は攻撃しない。例え異常でも己の細胞の一部であり、決して侵入者ではないですから。

しかしそもそもどうやって、免疫は自分の細胞だと認識しているのか。

それが解き明かされ、自分の細胞だと訴える信号を発見し、ガン細胞からその信号を取り除けば、外部からレーザー照射したり薬を服用しなくても、己の力でがん細胞を破壊できるんです。


他にも癌を克服する方法は色々と研究されてます。

残念ながら研究段階なので人の生体に使うことはできませんが、癌を克服できる技術は日々進歩してます。


他にも老いの研究、ゲノム編集による人工臓器の精製。

超長寿になれる技術がいずれ間もなく表に出てきます。

最後の砦は交換不可な脳だけですが、脳の研究すらも飛躍的に進んでます。

ネズミに異なる言語の違いを理解させたり、人の夢の中の映像をモニターしたり、脳の信号のパターンにより、それが何を表しているのか分かるようになってきました。


それらの信号が完全に解析されたのなら、特定個人の脳すらも作れるようになるかもしれません。


となればもはや不死身。

永遠の生を得たのなら人口が減ることはありません。

例え不慮の事故で死んだとしても、蘇らせることすら可能です。


そうでなくても、あまりに出生率が低いのなら、絶滅の危機を避ける為にクローン技術が解禁されるかもしれません。

人類の絶滅と、クローンの倫理を天秤に掛けたのなら、少なくとも私は生き残る方を選択すると思います。


究極的には意志や記憶をデータ化して、ネットの中で生き残るという手法もありますが、これについては私は一つ疑問に思うところがあるので、いずれ別記事か漫画で表現したいと思います。


以上が少子化社会とSF的に考えた未来のかたちでした!

あー、未来を想像するのってめちゃ楽しい!

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