短編:悪役令嬢不敗、マスター令嬢VS悪役令嬢 希望の明日にレディーGO!!

MrR

最初からクライマックス

 乙女ゲーの部隊である学園にて。


 巨大機動兵器デビル悪役令嬢を使って人類抹殺を目論むマスター令嬢。

 

 それを阻止するためにパワードスーツ兵器、魔導機士を身に纏い互いの拳をぶつけ合います。


 そんな最中、マスター令嬢の野望を阻止するために謎のドイツ忍者令嬢は正体を明かし、悪役令嬢の姉さんのクローンだと分かりました。


『やるんだミランダ!!(*悪役令嬢の名前) 私事このデビル令嬢を討ちなさい!!』


『だけど姉さん!!』


 しかし姉さんは『甘ったれるな!!』と一喝し、『クローンであり、デビル悪役令嬢細胞に侵された自分と共に討て!!』と言います。


 戸惑いましたがミランダも覚悟を決めました。


『石覇!! 悪役令嬢けぇえええええええええええええええええん!!』


 学園諸共デビル悪役令嬢は細胞諸共塵となりました。


 学園だった場所にはクレーターしか残されていません。


 しかし戦いは終わりません。


『このバカ弟子がぁああああああああああああああああ!! よくも!! よくもデビル悪役令嬢を!!』


『煩い!! お前はもう師匠とは思わん!! マスター令嬢!! 覚悟ぉ!!』


『つけあげるなぁあああああああああ!!』


 互いに技を激しくぶつけ合い、乙女ゲーの攻略対象の男子達と本来のヒロインである聖女は遠巻きに戦いを見つめていました。


「もうこの戦い、我々が出る幕じゃない」


 最上級攻略難易度の王子が言いました。


「見ろ、あの戦いを――悲しくも美しい――嘗ての師匠と弟子が己の全力を出してぶつかり合っている――不謹慎ではあるが、なんと美しい事か」


 そう。

 これはもはや誰かが割って入る事は許されない戦い。

 悪役令嬢であるミランダが勝つか、マスター令嬢こと悪役令嬢不敗が勝つか。

 それを決める命運の戦いなのです。


「私、この戦いを一生忘れません」


 と、本来の主人公のアイナが涙ながらにいいました。

 

 その間にも二人の戦いは激しさを増し、やがて――


「人類を滅ぼすなど愚の骨頂!! なぜなら人類もまた天然自然から産まれた存在なのだから!!」


「ならば最後は究極奥義を持って決着をつけてくれるわ!!」


「望むところ!!」


 最早言葉は語りつくした。

 理屈じゃありません。

 後はもう互いの拳が決める事です。


 周辺の大地が、大気が震え、今解き放たれるわ互いの最終奥義。


『『石覇!! 悪役令嬢けぇえええええええええええええええええええええん!!』』

 

 互いの究極奥義がぶつかり合い、震えはもはや惑星全体にまで及んでいます。 

 技のぶつかり合いはマスター令嬢が有利。

 勝ちを確信したのか煽り散らします。


 しかし悪役令嬢のミランダも負けてはおりません。


『うるさい!! 今こそ貴方を超えてみせるわ!』


『!!』


『悪役令嬢フィンガぁああああああああ!!』


 石覇悪役令嬢拳に悪役令嬢フィンガーを上乗せして放つと言う力技で師の技を押し返します。

 そして――


 ――よおし、今こそ貴方こそ、真の悪役令嬢。


 ――師匠ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!?



 近所の海辺にて。

 激闘が終わり、地平線から太陽が昇ってきています。

 

「私が間違っていましたわ――」


「いいや、貴方は全部が全部が間違っているワケじゃなかったですわ!! 私は貴方と張り合う事ばかり――」


「いいや、これでいいのですわ――病に侵された私には――もう時間がありませんのよ」


「師匠……」


 二人は最後に語り合います。

 短い時間ですが語り合います。

 それを遠目から涙ながらに見守る主人公と乙女ゲーの攻略対象達。


「最後にアレをやりましょうか」


「ええ」


 そして二人は叫ぶ


 ――流派!! 悪役令嬢不敗は!!


 ――令嬢の風よ!!


 ――命短し!!


 ――乙女よ!!


 ――恋せよ!!


 ――見よ!! 悪役令嬢は!! 赤く燃えているぅううううううううう!!


 そしてマスター令嬢は息を引き取った。


 ――師匠ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!


 =完=


 



 

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