初めての妊娠と流産

結婚して数か月後、自然妊娠した。と同時に流産を経験した。

稽留流産というものだった。

稽留流産とは子宮の中に赤ちゃんが亡くなっている状態のことをいう。

自然排出か手術のどちらかを選択できるが、私は手術をしてもらった。


初めての妊娠が、流産という事実はなかなか言葉にし難いものだった。

「まさか私が、、、どうして?」


流産の確率は8~15%程度らしいが、誰しもが妊娠したらこう想像するだろう。

みんなが辿っていたように出産して子どもを抱けることを。


この事実はあくまで確率の問題で、誰にも平等に起こることでもない。

何回も繰り返す人も居るし、一回もない人も居る。


それでもきっと経験した人は思うだろう。

産めなくごめんねって。


「流産はよくあることだよ」

この言葉を周りから言われることがあったが、それが何なんだ!と言いたい。

よくあることの一つなのかもしれない。

それでもあのときお腹にいた子は間違いなく私の子なのだ。

存在しなくてもここに居たのだと叫びたかった。


流産をして初めて思い知った。

新たな命がお腹の中で消えることの悲しさを。



















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