12月

 年の瀬迫る12月。冷え込みが厳しくなっていく中、それでもやることはあります。


 まずは播種です。セルトレイに種を撒き、暗室で発芽させた後、ビニールハウスで春までに苗を育てます。


 冬の間も締め切ったビニールハウスの中でならば、日中は20℃近くまで温度は上昇するので、日差しがあるときはすくすくと育ちます。


 たまにあげる水も、井戸水ですので、冬場は“温い”です。なにしろ、ホースで撒けば、外気温との温度差の関係で、湯気が出るほどです。


 そして、雪が降りだす12月半ば頃に『トンネルねぎ』にビニールをかけます。


 11月後半に植えたばかりであるため、もし降雪でもあれば、たちまちペシャンコです。これを回避するためのビニールのトンネルというわけです。


 見た目的には、畑に一直線に植えた長ねぎの列に、U字の支柱を刺していき、そこにビニールを被せる感じです。


 小型のビニールハウスでも建てる感じで、白ねぎをすっぽり覆ってしまうのです。


 これで降雪で潰されることもなく、かつ温室効果により白ねぎの育成も促進されるため、翌年5月後半の収穫に間に合わせることができるのです。


 もちろん、この間も収穫と出荷は続きます。


 特に年末は必死に出荷します。なにしろ、年末年始は市場が閉まるため、出荷が止まります。小売りの方も年末年始の需要に応えるため、在庫を確保に動きます。


 つまり、大量消費が見込まれる時期であり、白ねぎも年終わりの最盛期を迎え、値段が上がっていき、それを出し切って、その年はフィニッシュです。


 最後に、年始初売り用の白ねぎを収穫し、倉庫に放り込んで、大晦日を迎えます。


 これにて、その年の作業は終了。畑仕事が止まっている間に、『確定申告』の準備に取り掛かります。


 それでは皆様、よいお年を~♪



~ 周年作業スケジュール・終  体験談に続く ~

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