第9話 VS暴食の化身ヒュプノス
部屋の広さは人が全力で走ると縦に10秒横に8秒ほどの空間。
高さは、8メートルほどの空間。目の前に見える敵は、ゆっくりと動き始めた。
”ウロゴゴゴゴゴゴ”
という相手の雄叫びと共に相手が急速接近する。
アーシュは飛び上がり、ヒュプノスの攻撃を避ける。
突進攻撃は、部屋の片隅にたどりつくと壁を蹴り上げ、連続で続いていく。
10回ほど突進攻撃が続いた後、ヒュプノスは飛び上がり両斧をクロスさせ兜割りをしてくる。いな…、只の兜割りではなく空間を切り裂くものであり。アーシュは、少し横に避けていたのであたることはなかった。攻撃のすきを付いて、アーシュ自身は青白い光を放出し始め相手の攻撃を避ける。
次にヒュプノスは、斧を2本同時に振り回し飛ばす。すると斧が自我を持ったかのようにアーシュを追いかけ始める。1対3以上の戦いだ。斧を攻撃してみるが刃通しがコーンという音ともに何の感触も得られないのでヒュプノス自身を攻撃しないといけないと悟る。
「ならば…、死を呼ぶ”声”」
と青白い光をバーストさせる。そして、攻撃を加速させ幾たびもヒュプノスを切り刻んでいく。相手の体力がどれだけあり、その体力がどれだけ減っているのかは分からない。己の精神力だけが削れているという感触がする。なんでだろうと感じてるアーシュ、するとそれにこたえるかのように声は呟く…。
”力の使い方を間違っている、世界樹自身がネガティブな言葉を使う一撃だけで霧散してしまう。故に力の発動方法は、異なっている。己自身に降ろすのだ。光を己に取り込め ”
「己自身に取り込むか…、剣へと流れ込め」
青白い光が、飛び散りゼロへと戻る。失敗したという感じだ。その瞬間を、ヒュプノスが逃すようなことはせず斧を自在に操り逃げ場所を失わせた後自身が飛びあがり、自慢の角で攻撃を仕掛けてきた。避けるような場所がないので意を決して己の剣を片方地面に突き刺し飛んでいく。剣とヒュプノスが追突した結果、剣が崩壊したという事はせずヒュプノス自身の頭に突き刺さる。
”ゴヴォラアアッ”
と攻撃が頭に刺さったことで何とか抜こうとするがむしろ剣は奥へと深く突き刺さっていく。敵が混乱しているすきに、自分自身は斧の方へと移動し斧を攻撃すると攻撃し返すという特徴を見出したアーシュ。
彼はその攻撃を避け、青い白い光を解放させていった。
そして、青い光は先程よりも膨大になっていくが止める事はない。
”ゴゴゴゴゴゴゴ”
という轟音と共に、アーシュの周りで光るだけにすぎなかったものが更に輝きを増していった。そして…、
”この光を剣ではなく己に降ろしてみよ。アーシュよ…、己自身に入れる術式に関しては教えなくても直感でわかるだろう”
「力よ、我のもとへ来たり真なる力を解放せよ!! 」
莫大な光はアーシュ自身へと入っていく。青白い光が薄くなっていき…。
彼の左の瞳に緑の光が宿る。反対側の目はそのままだ。服装の方はというと依然と異なる風貌を獲得していた…。彼の服は軽鎧の迷宮探索用の上から木々の装甲が全身を覆いこんだ。両手に剣ではなく大剣のように大きくなっている。因みにヒュプノス自身に突き刺さっている剣も大剣になったが相手は取り出し構えの姿勢を取る。
”うむ…、鎧に関しては紋章の効果がない事により理想の形を取れていないか。力を取り込むことはできた。さて、何処で一撃を入れるかが問題だが…”
斧が2本ともに、己の元へと戻っていき…。
轟音と共にそれは発射された。アーシュに当たったかと思うと斧は砕け散る。
ヒュプノスは己の武器が壊されたことに激高し突撃を仕掛けてくる。微動だにしないアーシュは、大剣を横に掲げ相手と衝突した。そのときに発生した大いなる衝撃波すらも相手のもとへと還っていく。そして疲弊したヒュプノスへ向けてアーシュは飛び上がり…。
「力を解放する…浄化されよ」
莫大な光がアーシュの武器から放出されヒュプノスを飲み込み…魔物の素材になったのちに総てが終わったのであった…。
”一撃必殺の攻撃の名前はこれから作ればよい…。世界樹の紋章をやろう。合格だ”
という声と共に、世界樹の装甲がはがれ元の状態に戻る。腕に世界樹の形をした2本の根が描かれた世界樹の紋章が出来た…。そして声は消えざまに呟く。
”双
という声と共に、それは遠くなっていった。
部屋の扉が解放され、ブラスト、メリネア、メープルが入ってくる。
そして、アーシュは力を使い果たしその場に座り込んでいた…。
「お疲れ様だな。地図の残りの部分は、メリネアが書いてくれたから帰ろうぜ」
「そうだね、お疲れ様アーシュ…。メープルが言うにはここから遺跡の奥に行くには瓦礫が邪魔でもう無理そうだって事だって」
というと、アーシュは苦笑いして立ち上がる。糸へブラストが精神力を送り込むと『ウラフェルカムラ』へと帰還した。
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