第6話 お嬢様救出戦
走っていると声が聞こえる。
「やめてください……。私何もないんです。辞めてくだ」
「
「とまりなさ。グハッ」
……、犯罪か。今の自分の服装的には軽鎧の革のブーツをはいており移動はスムーズで現場に到着した。中央には噴水のある広場で近くには衛兵が倒れている。中央にはお嬢様らしき人が1人。誰も傍仕えがいないようだ。周りには、夜盗らしき人々が衛兵の腰を降りその上に座っている。
「おいついた……。ああ……アーシュ……どうする? 」
「見過ごせない」
「だろうな」
ブラストは、壁を蹴り広場へと着地。
アーシュは近くの夜盗のおなかを蹴り上げアッパーカットして気絶させた。
「誰だ、貴様ら。俺らは白昼堂々犯罪を起こし全てをはぎ取る集団だぜ」
(自己紹介いや……ばかだな。冒険者手帳を持たないって事は……はぐれものか)
「…冒険者か? 」
「なあにが、冒険者だ。俺らは、とこぞの冒険者じゃねえ」
というと盗賊は、お嬢様を持ち上げて、
「冒険者という死と隣り合わせのクソみたいな迷宮よりかはな、危険を感じない貴様らのような雑魚からお金や衣類を盗み出し…、総てを金に換え稼ぐ者達の集団だ」
と彼らは言った。後ろの方を見るとブラストが何かを施している。
もう少し待つか。
「…ふーん、それがどうしたの? 」
「屈しろ、そして有るものすべてを出しやがれ」
「そういうものはないし、宿屋に置いてきたよ」
周りに人々が溜まっていく。
人々は一歩引いてこの騒動を見守っているようだ。
盗賊が剣のようなものを取り出し…、お嬢様の首を狙おうとする。
俺は後ろの方でブラストが静かに会釈してたので左手で合図を送る。
「そうか…、ならこのお嬢様の命は…」
ブラストは、待ってましたといわんばかりに指を鳴らすと数名以外全員気絶した。
その場に全員倒れ武器を堕とす。そして気絶していた衛兵は、何もなかったかのように起き上がり近くの夜盗を1人捕まえ縄で拘束し始める。
「麻痺の投げ針投げるの苦労した……」
「刃物に血の匂い……やってるな相当」
「手慣れだろうから気を付けろよ」
ブラストはアーシュの傍から離れ周辺の警戒をする。俺は、刀の鞘に手をかけ敵の動きを観察。彼らは、攻撃を始める自慢のサーベルを横なぎに払ったり白い光を纏わせ
「アサルトラッシュ」
というサーベルを振り回す大技を披露したりした。総て避け、何も食らわない。防御鎧も紙装甲だし一撃食らえば致命傷になる事は重々承知していた。敵の攻撃範囲攻撃モーションなどは、戦闘訓練等で学んだばっかりの事。故に、全部避けつつ青白い光を溜めていく。
「これで終わりか」
「避けてばっかりな生意気な……」
「やべ、アーシュ麻痺が溶けちまった」
ブラストは、弱めの麻痺を使っていたのか、拘束してた傭兵を吹き飛ばして縄を解き
夜盗は全員起き上がり俺の周りを囲んでいた。
(何やってるんだか。まあいいか)
俺は冷静になっていた。慌てても意味がないし。周りに人がいるんだ冷静に対処しないとなという事を考えている。彼らはそれでもお構いなしに、宣言した。
「…相手は1人だ。かかれええええええ」
と彼らが俺の元へと駆け寄ってくる。
戦闘訓練の相手にちょうどいいと踏んだ俺はその場から飛び上がり。
刀に青い光を集約させ、技を発動させた。
「じゃあ、さっきのお返しだよ。
そう告げ刀を抜刀し即座に納刀する。
刹那、彼らは全員糸が切れたように倒れ戦いは終わった。武器は粉々に破壊された。衛兵には、ブラストがポーションを配り回復させていく。この騒動につられてやってきた傭兵の応援団が駆け付けるまで、奴らを監視し彼らが連行されたのを確認した後。お嬢様に近づくと、
「ありゃ、気絶してる」
「……ドジっ子かな」
お嬢様は、目を星にしてくらくらしていた。
混乱と気絶しているようである。
(何だか、色々あるけどここだとまたやられかねないから)
とお嬢様を背負い、近くの診療所へと脚を動かし始めた。
ブラストは、運んでいる俺に対して、
「さて、何処に運ぶ」
「近くの診療所は…勘違いされるし」
「いや、全然何も知らない人からすれば今のお前も十分やべえぞ」
(確かにやばいし、単純に背中に感じるすやすや感といい色々恥かしい、今の自分)
と思いつつ足早に何処かへと向かう。
何処へ向かえばいいのか分からないままに、足早に。偶然街の出口付近に宿屋という看板を見つけた僕達は、その宿屋へと入っていった。その宿屋には、何か異質で木材の壁にクロスボウなどが装備されている宿屋。
名前を、『ウラフェルカムラ』という。
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