タチドリ

奥田啓

タチドリ


○夜

昇の部屋

部屋の中にはカメラやグラビア雑誌が整理されて置いてある

ベットの方で男女が絡み合っている

昇は美来の恥部をなめる

美来は喘ぐ

美来「そろそろいれて・・・?」

昇はうなづく

昇は自分のなかのものをいれようとするが

はいらない

それがしばらく続き

しびれを切らした美来は

美来「今日はもうやめよう」

着替えて部屋をでていく

昇はため息をつく

昇(くそ・・・・)



週刊誌を見る

グラビアアイドルが谷間を見せながら笑いかけている

カメラマンのクレジットに自分の名前が入ったところをみる

ネットを見る

『松坂最近撮り方つまんねえよな』

『せっかくあやちでてるのに撮り方普通すぎるわ。まえまで超エロかったのに。』

『まじで落ちたな松坂』

昇「・・・・・」




○5年前

スタジオ

昇は生き生きとした表情をしている

昇「いいねいい表情だよ!これは全男が君を見ざるを得ないよ。素晴らしい!」

グラビアアイドルが乗ってきてどんどんポーズをしていく。

昇「いいよいいよ!」

昇の顔は笑みを漏らす。




○現在

スタジオ

昇は覇気のない顔をしている

20いかない女の子が水着になって元気な表情をしたり

男性をくすぐるような挑発的な体制をしてカメラに視線を向ける。

昇「あっそこでこっちみながらね。そうそう。それでOK」

編集「松坂さんもうちょっと雰囲気湿らせたいのでもう少し表情とポーズ変えてもいいですか?」

昇はめんどくさそうにしながらも

昇「あっはい。そうですね。じゃあ別でとりましょう」



○スタジオ

昇「これで以上ですかね。お疲れ様でしたー」

スタッフ「お疲れ様でしたー松坂さん今日はありがとうございました。

マネージャー「今ノリに乗っている子なので松坂さんのキャリアの方にとってもらえるの光栄です」

昇「ああ、どうも。それじゃあ自分はこの辺で」

よんでいたタクシーに乗り込む

スタッフが見送りをする

昇がみえなくなったあとマネージャーとため息をつく

スタッフ「最近松坂さんなんか全盛期の勢いがなくなってますよねえ」

マネージャー「たしかに、なんか覇気がないっていうか。

スタッフ「ギャラも高いし、松坂さんじゃなくて次他の人頼むかあ」





○タクシー内

昇(疲れた・・・・)

昇(最近女の裸体みるのもいやになってきた

年か・・?3年くらいたってねえよ40近いとこんなに元気なくなるもんかね)

携帯から電話がかかってくる

美来だった

昇「どうした?」

美来「もう私たち別れた方がいいと思う」

昇「ちょっとまってくれよ・・・」

美来「やっぱ体の相性は大事だと思う。子供欲しいし。こんな感じだと将来を想像できない」

昇「おい美来」

美来「いままでありがとね。それじゃ」

電話が急に切られる。

昇はため息をつき座席に背中をつける

昇「なんだよくそ・・・」








○事務所

社長「おい松坂」

昇「はい?」

社長「こないだ依頼きたアイドルグループのセンターの野原雫の撮影バラしになったぞ」

昇「えっほんとですか?」

社長「最近おおいなほんと大丈夫かお前」

昇「はい・・・」

社長「まあつかれてるなら休めよ無理すんな」


○喫煙所

昇はタバコに火をつけ煙を吹く

昇(まじ仕事もなくなってきてどうすんだよ・・・男の元気がでねえことで色々困ってきた)

姫川章「おいっすー!」

昇「ああ姫川」

姫川「最近ビンビンしてっか?」

昇「うるせえな・・・


姫川「なんだテンションひくいな。まえはおまえのちんこ、売れる人レーダーだったのに。おまえが勃ったグラビアは売れるって」

昇「最近じゃ通常でもたたねえよ」

姫川「まじか!ED?おまえが?」

昇「3ねんたってねえ」

姫川「ガチじゃん。病院いった?」

昇「いったけど全然なおんねえ。これのせいで仕事も最近やっぱなしとかになるし、彼女もふられるし」

姫川「まじか。結構深刻じゃん。まあでもとしのせいでもあるとおもうけどな

昇「そんなもんかね」

姫川「ああそうだ、ちょっと相談があるんだけど」

昇「なんだ?」

姫川「ちょっとアルフィットって事務所あるだろ?あそこの知り合いに写真たのまれちゃってさ。おれその日いけないんだけどおまえいけるか?」

昇「ああ、無しになった日だからいけるよ。どんなやつ?」

姫川「なんか情報まわってきてなくてさ当日いったらわかるよ」


昇「はあ?情報ないってなんだよ」

姫川「まあいいからたのむよ」




○スタジオ

昇は中に入る

スタッフに挨拶していく

昇(当日までわかんねえってなんだよ・・・いい加減すぎんだろ。)

淵野優馬「おおおー松坂さん!!本物だ!」

スーツをきた30代ぐらいの男性でワックスで立たせていている

スポーツをしてそうな引き締まって明るい雰囲気だった。

昇を見るなり淵野は両手を握ってブンブンとまわす。


昇「ああはじめまして。」

淵野「霙らむの写真集買ってましたよあれずっと家宝にしてます」

昇「ありがとうございます」

淵野「とにかくちょっとうちの今日よろしくお願いします」

昇「はあ、今日の方はどこに?」

淵野「ああきました。ほら挨拶」

見た瞬間昇は全身に電流が走った

やってきたのは愛くるしい顔立ちで髪が長く茶色でおとなし目の子だった

ニットをきていて胸の主張が激しかった

下半身が熱くなるのを感じた。

昇はじっとみてしまっていた

淵野「こちら松坂さん。すごいカメラマンだよ」

七瀬「七瀬といいます!本日どうぞよろしくお願いします」

七瀬はおおきく礼をするとしょっていたリュックが空いていたようで中身がぜんぶでてしまった

七瀬「ああっ!すいませんすいません。今日はよろしくお願いします」

メイク室へ向かうが

スタッフ「あっそこはすべりやすくて・・・」

七瀬は勢いよく転びあられもない格好になる

七瀬「いてて・・・・」

ついめをそらしてしまう


昇「だ、大丈夫ですか。」

七瀬「大丈夫ですすいません」

メイクの女性に連れられてメイク室に入っていく

淵野「いやーあんな風におっちょこちょいでね。色々お叱りをうけたりして全然売れなくて・・・がんばってるんですがね」



撮影がはじまると制服を纏っているが

きていても体の主張が激しかった

制服を脱ぎ水着になると

胸が露わになる

昇の下半身の血の巡りが激しくなる

昇(な・・・!)

長年たたなかったはずのあそこが屹立していた

昇「うそ・・・だろ・・・」

淵野「おっ!まさか松坂さんのタチきたんすか!うおおおお!すげー!」


昇「もっとかがむようにして俺が上から撮るから上目遣いで・・・!」

七瀬「は、はい!

淵野「おおーこれが松坂イズム節だ!すごい!」


昇「ちょっと俺をまたいで!腹に乗って!」

七瀬「え?」

昇「彼女におこしてもらうあの感じをリアリティあげるために!彼女感をだしたいんだ!」

七瀬「ちょっとそれは・・・・」

淵野「七瀬ちゃんやっちゃいな!昇さんのいうこときいて!」

七瀬「わ、わかりました」

昇の腹筋あたりをまたぐと体の柔らかさを感じる

彼女ははずかしそうに目をそらす

昇「目線こっちで。大好きな人がこっちにいるとおもって」



店頭ではいたるところで完売。

SNSでは七瀬のフォロワーが増えてネットでは盛り上がっていた



○事務所

七瀬「こないだはありがとうございました。」

昇「ああ、こないだの。」

七瀬「雑誌がすごいうれてよかったです。松坂さんのおかげです!」

昇「七瀬さんが魅力的だっただけだ」

七瀬「最後に松坂さんにとってもらうことができよかったです」

昇「え?」

七瀬「あれで最後だったんですグラビア」

昇「なんでだ?」

七瀬「もう普通の女性になろうかなって。ながいことやっていましたが疲れてしまって。

最後に有終の美を飾れてよかったです。本当にありがとうございました」

寂しそうな笑顔をする七瀬。

昇「あんなにうれたのになんでだ」

七瀬「松坂さんの力で夢みさせてもらっただけで私自体に価値があるわけじゃないんですよ。魔法にかかった状態というか。私自身がかわったわけではないので。こんな思いをさいごにできてよかったです」

昇「俺と天下とろう」

七瀬「え?」

昇「俺も進退をせまられていたんだ。カメラマンとして。うまくいってなかった」

七瀬「え・・そうなんですか」

昇「だけど君と出会って力がみなぎってきたんだ。あの頃の力が湧いてきた。カメラマンとして撮ってみたいという気持ちを思い出せた。君をもう少しとらせつづけてくれないか?」

七瀬「・・・・・」

はは・・・松坂さんみたいなすごい人にそんなこといわれるなんて・・・・」

七瀬は涙を浮かべる。

七瀬「やってみてもいいんですかね」

昇「やろう、一緒に」

七瀬「はい、よろしくおねがいします」











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タチドリ 奥田啓 @iiniku70

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