第9話 ヘンポン

三田「うへー、今日も返却されてる本山盛りですね」


木下「うちの図書館、放課後に市民解放してるせいで利用者が多いんだよ。三田、吉沢、手分けして戻してくぞ」


吉沢「(コクリ)」


〜2時間後〜


三田「はぁ、はぁ……腰痛た……」


木下「ば、はかやろ。あと半分あるぞ」


三田「嘘ダァっ……くっ、吉沢くんは弱音吐かないですね」


吉沢「ええ、まあ」


三田「うん?」


吉沢「では、ぼくは仕事に戻るので」


三田「ん〜?」


吉沢「ふむ……コレと、コレと……コレですかね」


三田「吉沢くん、返却台で何を選んでたんですか?」


吉沢「ああ、腰が痛くならないように屈まなくていい所にしまう本を選んでたんですよ」


三田「なっ」


吉沢「逆に三田くんはなんでやらないんですか?」


三田「え、あ、あはは」


 答えは吉沢みたいにすべての本の位置を把握してないからなのだが、これを言うと一層惨めなので、ここらで勘弁してやった……

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