第21話 可愛い犬

「僕の言いなりになるんだ。ジャネット」と、ゴブオはジャネットに対して初めて敬語を崩した。そうして、気味悪く笑う。

「き、貴様」

 ジャネットは、侮蔑されていると感じて怒り、きっとゴブオを睨み、緑の頬を打った。けれどもその力は、打ったというよりただ触れたというような加減であった。

「ほら、今度はジャネットが僕に敬語を使う番だ」

 乳首がつねられ、ひっぱられちょっと細く伸びる。ゴブオは一秒ほど、”感度倍増”を発動させた。

「んあっ。い、いやだ。誰が貴様に、敬語なんか」


 この女、案外すぐに堕ちてくれそうなのに、ここにきて強情である。しかし、ゴブオには秘策があった。そう、新スキルである。といっても、単なる”感度倍増”の強化版だが。


「全く、仕方ないな」

 とゴブオは言って、”感度倍々増”をジャネットに見舞った。


 閃光走る刺激が、彼女の乳首から全身に駆け巡った。「ふあっ!」っとほとんど悲鳴のような声を上げて、尻から腰を大きく浮かす。ゴブオはそれでバランスを崩し、彼女の首に顔をうずめる格好になった。ジャネットのからだがベッドに落ち着いてから、ゴブオは体勢を戻す。

「ほほう、結構効いたみたいだなジャネット。気持ち良かっただろう、ん? どうなんだよ」

 ジャネットが何も言わず睨みつけてくる一方なので、ゴブオは再び二つのぐみをつまむ。

「ひぎいっ、やめっ、ああっ!」

 もう、勝手に声が出てしまいます。

「ははは、情けない声だなあ。ショウが聞いたらどう思うかな。おら、もっと鳴けよ」


 それから、ジャネットはひいひい、あんあん鳴きつづけました。半分白目むいたり、ほとんど白目むいたり、全身を蠕動させて、うねうね。しまいには「だめ」だとか「いやん」だとか女の子らしいこと言って、メスです。


「も、もうやめてくれ……お願いだから」

 とジャネットは、子犬のような目つきで、切なくゴブオに哀願した。

「いいや、やめない」

 とゴブオが乳房に手を伸ばそうとすると、ジャネットは腕を交差させて乳首を隠した。乳房が腕に押されて、余ったところがムニュムニュ。

「わかった、わかったから」

 

 ジャネットは「すー、はー」と呼吸した。その目には涙を湛え、頬はかっと紅潮し、歯をぐっと嚙み締められ、心底から悔しそう。彼女のそんな表情は、ゴブオの気分をとても高揚させた。可愛い小動物を見た時のような破壊衝動が、ゴブオの中で起きた。

「お、お願い……します。もう、やめてください。乳首をきゅっ、きゅって、しないでください。いじめないで、ください」

 きゃんきゃん、こいぬのなきごえの幻聴が聞こえる。

 ゴブオはたまらず、ジャネットの両ほほをつかんで引っ張った。引っ張られて、目もとがちょっと間抜けになって、口が開く。今までは怖かった犬歯も、ちっとも怖くない。

「四つん這いになれ」

 とゴブオは命令した。

「にゃんれ、ですか?」

 ちょっとおばかな猫人族みたいに、ジャネットは問い返しこそしたが、もはや抵抗の影は皆無である。彼女は言いなりに四つん這いになった。腰を突き上げ、そこからゆるやかに腰を曲げて、だらり真下にむいた乳房は太さを維持しながらも長く垂れている。尻尾はゆっくり、短い間隔でメトロノームのように揺れている。

「これでいいのか」

 思わずジャネットが砕けた調子で言うと、ゴブオはしかめっ面した。

「まだ、しつけが足りないようだな」

「ごめんなさい! この体勢で、よろしいですか」

「ああ、いい。すごくいい」


 ジャネットは、出来うるなら金輪際ゴブオにからだを触れられたくなかった。わずかに残っている理性の葉を、散らさないために。

「可愛いぞジャネット。君は僕の犬だ。わかるか、犬だぞ」

 と言って頭を撫でる。

 短くつやつやした銀の髪をくしゃくしゃにすると、尻尾が大きく揺れた。

「なんだ、撫でられると嬉しいのか? 揺れてるぞ、尻尾が、ぐふふ」

「う、うう」


 ジャネットは懸命に尻尾を揺らさぬよう努めたが、やっぱりだめであった。

「俺は、犬なんかじゃないのに。誇りある狼なんだ」

 とジャネットは言うけれども、自分よりずっと小さなゴブオに頭を撫でられるがままだし、尻尾はふりふりしたままである。

「こんな簡単に他人の言いなりになる狼がいるのかよ」

「だ、だってそれは、お前が触れるからだろ……です」

「触れられて、どうだった? 正直に答えろ」

「い、いや。答えたくない」


 ゴブオはむっとして、”感度倍々増”を纏った右手でジャネットの乳房を牛の乳しぼりのようにわしづかんだ。親指と人差し指と中指をぎゅっと閉じて、その中に乳首と肉を包むから、犬は「あっ、んおんっ、んおっ!」と嬌声をあげるよりほかになかった。

「ごめんなさい! 正直に言います! すごく、すごく気持ち良かったです! からだがふわふわ雲に浮いたみたいになって、力が抜けて、何も考えられなくなって気持ち良かったです!」

 恥じらう余裕すらなく、ジャネットは白状した。これが、彼女のからだに起きていたことなのだ。もう、抗いの葉は一枚と残らず散り、代わりに服従の快楽で頭の中はいっぱいになった。

「そうかそうか。ジャネットちゃんがこんなに感じてくれて、僕もうれしいよ」

 耳の後ろあたりをくりくり撫でる。すると、ジャネットはもっとしてと言いたげに、ゴブオの掌に自分から頭をすりすり寄せた。


 凛々しさはどこへやら。




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ヒロイン寝取り~未プレイのハーレム・ファンタジーギャルゲの、脇役クソガキに転生しました。 @umibe

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