健全な大人のお掃除

 深雪は家に帰宅すると、リビングのソファーで横になる。


「はぁ。なんか疲れた」


 深雪はため息をつくと、テレビを点けた。ニュース番組では最近起こった事件の話題で持ちきりだった。


「物騒ねぇ。そういえば冬花さんはお買い物かな?」


 時計を見るともうすぐ18時になるところだった。


「冬花さーん。霜歩さーん。いないのー?」


 返事がない。どうやら出かけていると思ったが、玄関には靴があった。


「あれ?お部屋かな?」


 深雪は二階へ上がった。


「う、う〜ん……あ……」


 すると冬花の部屋から悩ましい声が聞こえてきた。深雪は部屋の前で立ち止まると、扉に耳を近づける。


「うふふ。ここかな?」

「あ……そこ……」

「気持ちいい?」

「うん……もっとほじってぇ……」


 扉越しに二人の会話が聞こえてくる。深雪は顔を真っ赤にして勢いよく扉を開いた。


「ちょ、ちょっと!何やってんのよ!」


 深雪の声に反応して、二人はこちらを向いた。冬花は床の上に座り、霜歩は冬花の膝の上で寝転んでいた。


「あら。お帰りなさい」

「ふぶちゃん、おかえりぃ〜」


 どうやら二人は耳かきをしていたようだ。


「あ、なんだ……耳かきしてたんですね……」


 深雪はホッと胸を撫で下ろす。


「ええ。たまにこうして二人でしてあげてるのよ」


 冬花は優しい笑みを浮かべると、深雪の頭をそっと撫でた。


「ふぶちゃんもやってもらいな。冬花のすっごく気持ちいいから」


 霜歩は眠そうに目を擦りながら言った。


「あ、あたしはいいですよ。子供じゃないんだから」


 深雪は恥ずかしそうに断った。


「遠慮しないで。はい、おいでおいで」


 冬花はポンポンと自分の太腿を叩く。


「う、じゃあちょっとだけ」

「はい。じゃあここに頭乗せて」

「は、はい」


 深雪は緊張しながら冬花の膝に頭を預けた。


(うわぁ。柔らかい)


 深雪は内心ドキドキしていた。こんなことされたことないからだ。


「ふふ。そんなに固くならないで」


 深雪の心を見透かしたように冬花は言う。


「は、はい」


 深雪は素直に従うことにした。


「じゃあ始めるね」


 冬花は綿棒を手に取ると、深雪の耳にゆっくりと入れた。カリッカリと音を立てて綿棒は耳の中をなぞっていく。


「痛くない?」

「うん。大丈夫です」


 深雪は心地よい感覚に身を任せる。


「もうちょっと奥に入れてもいい?」

「はい」


 冬花は綿棒の先端をさらに深く入れる。そしてコリコリと動かし始めた。


「んっ」


 深雪は思わず声が出る。


「強くやり過ぎたかしら」

「いえ。その、続けてください」

「そう?じゃあ続けるね」


 冬花は再び綿棒を動かす。先ほどよりもゆっくりだが、確実に深雪の耳を刺激していく。


「はぁ」


 深雪は熱い吐息を漏らした。その反応を見て冬花は微笑む。


「どうしたの?ふぅ〜」


 冬花はわざとらしく深雪の耳に息を吹きかけた。


「ひゃぁぁ……」


 深雪は体を震わせる。


「ふふ。じゃあ反対ね」


 深雪は反対方向に顔を向けた。目を開けると片目から冬花のスカートの中が丸見えだった。


「う……」


 刺激が強かったのか、冬花のお腹に顔を押し当てた。


「あらあら」


 冬花は服を捲り上げて直接、深雪の顔をお腹に当てる。


「んん!」

「こっちの方が落ち着くでしょ」


 冬花は深雪の頭を優しく撫でる。深雪はコクりと小さく首を動かした。


「じゃあ続けるね」


 綿棒を反対の耳に挿れると、今度はゆっくりと動かす。


「ふぁぁ」


 深雪は気持ち良さそうな声を出す。唇が冬花のおヘソに当たってしまう。


「ふふふ。くすぐった〜い」


 深雪は慌てて離れようとするが、冬花はそれを許さなかった。


「ダメよ。動かないで」

「ほへふなはい(ごめんなさい)」

「もう少しで終わるから我慢して」

「はひ」


 深雪は大人しく従う。やがて冬花の手の動きが止まる。


「はい。最後に……ふぅ〜」


 冬花が息を吹きかけると、深雪はビクッと震えた。


「これでお耳は終わり」

「はぁ。ありがとうございます」

「ついでにあれもやっちゃおうかしら」

「ん?あれ?」

「あーいいなぁ!」


 霜歩が羨ましそうに声を上げる。


「うふふ。霜歩にも後でやってあげるから。さあ、仰向けになって」


 深雪は言われるままに膝の上で仰向けになると、冬花は股を開いて太ももで深雪の顔を挟んだ。


「んぐ!?」


 冬花は手を伸ばして深雪の制服のワイシャツを捲り上げてお腹を露出させる。


「冬花さん!何を!」

「ちょっと我慢してね。あら可愛いおへそ。うふ。恥ずかしがり屋さんなのね」


 冬花は綿棒を一本取り出しておへその中にゆっくりと入れていく。


「んん!!」

「動いちゃだめよ。すぐ終わるから」


 綿棒を小刻みに動かしながら少しずつ奥へと入れていく。


「どう?痛くない?」

「だ、大丈夫だけどぉ」


 深雪は顔を真っ赤にして答える。


「ふふ。かわいい」


 冬花は綿棒を抜き差ししながら動かす。


「んっ」


 深雪は目を瞑って耐えている。


「ここかな?」


 綿棒は深雪の弱点を見つけたようだ。そこを中心に攻め立てる。


「あっ、そこは……」


 深雪の反応を見て冬花はニヤリと笑う。


「ここにちっちゃいゴミがあるの。我慢して」


 冬花は綿棒をグリグリと押し込むように動かす。


「あ、ああ」


 深雪は体を捩らせる。


「ほら、動くと危ないわよ」


 深雪は口をパクパクさせ、目を大きく見開いて悶える。


「はい。取れたわよ」


 綿棒を引き抜くと、深雪は脱力した。


「はぁはぁ。ありがとうございます」


 冬花は深雪の頭を撫でると、深雪は気持ち良さそうな表情をする。


「どうだったぁ?気持ちよかったでしょぉ?」


 霜歩はニヤリと笑って尋ねる。


「はぁはぁ。なんかすごかったです」


 深雪は息を整えつつ答えた。


「ふふ。してほしい時はいつでも言ってね」


 冬花は微笑みながら言った。


「じゃあそろそろ晩ご飯にしましょうか」


 時計を見るともう19時を過ぎていた。


「そうですね」


 三人はリビングへ移動して晩ご飯を食べるのだった。


「今日はなんだかお肉が多いですね……」

「うん。たくさんお肉食べて体力回復。なんてね」


 冬花はウインクをして言う。


「は、はあ……ははは」


 深雪は危機感を感じながらも愛想笑いをしたのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る