霜歩のおまじない

「……きて」

「んん……」

「……きろぉ」

「んん……あとちょっとぉ」

「あ〜ん……ハムハム」

「ひゃっ!?」


 深雪ふぶきは突然の感覚に飛び起きる。


「んふふ〜おはよう、ふぶちゃん」

「んむぅ?んんん?」

「起きないからだぞぉ。耳たぶハムハムの刑だ」

「ちょ、霜歩そうほさん!?」


 深雪は霜歩を引き剥がす。


「まったくもう。まだちょっと早いじゃない」


 時計を見ると、針は五時半を指していた。


「ふぶちゃん、今日は何時に家を出るの?」

「七時くらいです」

「そっかぁ。じゃああと30分イチャイチャできるねぇ」


 霜歩は再び深雪に抱きつく。


「ちょ、もう!いい加減にしてください!」

「うふふ。照れてるふぶちゃん可愛い♡」

「いいから離してぇ〜」


 結局、深雪はそれから一時間ほど二人に付き合わされる羽目になった。


***


「それでは行ってきます」

「いってらっしゃ〜い」

「はい、気をつけてね」


 二人は玄関まで見送りに来てくれた。深雪は元気よく挨拶すると学校に向かって歩き出す。


(ようやく解放された。今日はいいお天気ね)


 深雪は空を見上げる。そこには雲一つ無い青空が広がっていた。


「ふぶちゃーん!」


 すると後ろから声をかけられた。振り返ると冬花ふゆかが大きく手を振っている。


「な、なんですか?」

「はぁ……はぁ……お弁当忘れてるわよ」


 冬花は息を切らせながら、可愛らしいデザインのランチバッグを差し出した。


「え?あれ、ほんとだ」


 深雪は自分の鞄を確認すると、中に入れたと思っていたものが入っていないことに気づく。


「すみません!ありがとうございます!」


 深雪は素直に礼を言うと、それを受け取って走り出そうとする。


「あっ、待って」


 しかし再び呼び止められてしまった。


「今度は何?」

「はい、これ」


 そう言うと、今度は小さな包みを手渡された。


「これは?」

「ふふっ、開けてみて」


 言われるがまま包みを開けると、中にはクッキーが入っていた。


「美味しそう……」


 見た目は普通のバタークッキーだが、焼きたてなのか香ばしい匂いが鼻腔をくすぐる。


「はい、あ〜ん」


 冬花は一枚取り出して深雪に差し出す。


「え?あの……」

「ほら、早く」

「あ、あ〜ん……」


 深雪は戸惑いながらも口を開けた。冬花は深雪の口の中に優しくクッキーを入れる。


「どう?」

「お、おいひいれふ」

「良かったぁ。頑張って作った甲斐があったわ。はいもう一個。あ〜ん」

「あ〜……」


 ふと辺りを見渡すと、登校中の生徒達がチラホラこちらを見ていることに気付いた。


「も、もう!自分で食べれるんで!じゃあ行ってきます!」


 深雪は顔を真っ赤にしながらその場を走り去った。


「あら残念」


 冬花はその後ろ姿を見送った。


***


「ふう……」


 なんとか遅刻せずに教室に辿り着くことができた。深雪は安堵のため息をつく。


「あ、深雪おはよう」

「おはよう、晴氷」


 席に着くと親友の小森晴氷こもりはるひが話しかけてきた。


「どうどう?新しいお家は?」

「うん、良い感じだよ。ご飯もすごく美味しいし、それに二人ともすごく優しいの。でもちょっとスキンシップが多いというか……」

「へえ、羨ましい。私も泊まりに行きたいなあ」

「ま、また今度ね……」

「ええ〜?」


 そんな会話をしているうちにホームルームが始まる。


***


 昼休みになり、深雪と晴氷は昼食をとるために屋上へと向かうことにした。階段を上り扉を開く。すると強い風が吹き付けてきて、思わず目を細める。


「ううっ、さすがに寒いね」


 春とはいえまだ肌寒さを感じる季節だ。深雪は身を震わせながら手すりの方へと歩いていく。


「あ、そうだ」


 深雪は何かを思い出したかのように立ち止まる。そして鞄の中から冬花から貰ったクッキーを取り出す。


「深雪、それってもしかして」

「そうだよ。冬花さんが作ったの」

「すごい。手作りお菓子なんて、なんだか大人っぽい」

「そうかな?」

「絶対そう。なんかずるいなぁ」

「はい、あげる」


 深雪は一枚のクッキーを摘むと、そのまま晴氷の口元に運ぶ。


「え?ちょ、ちょっと深雪!?」

「いいからいいから」

「むぐぅ」


 半ば強引に口に入れられると、サクッとした食感とともに、濃厚なバターの風味が広がる。


「うわっ!美味しい!」

「でしょ?やっぱり凄いよね。あたしもびっくりした」

「ねえ深雪、もう一つちょうだい」

「だめ。もう無いもん」

「そんな殺生なぁ」


 二人は笑い合う。


「早くお弁当食べちゃお」

「だね」


 二人はベンチに腰掛けると、膝の上に弁当箱を広げる。


「冬花さんと霜歩さんが作ったお弁当ってどんなのだろ」

「確かに気になるかも」

「じゃあ開けるよ?」

「うん」


 パカッ 蓋を取ると同時に、食欲を刺激する香りが溢れ出る。中身を見ると色とりどりのおかずが並んでいた。


「おお〜」

「これは……豪華すぎない?」

「こんなに作れるものなの?」

「お弁当作るの初めてとか言ってなかったっけ……」

「とりあえず食べようよ」

「だね」

「いただきます」


 二人はお弁当に手をつける。


「そういえば、お姉さんってどんな人達なの?」

「ん?えっとねぇ……」


 まずは卵焼きを一口。出汁がよく効いてとても美味しい。


「冬花さんはお母さんみたいな感じで優しくてフワフワしてて可愛い人かな〜」

「うんうん」

「霜歩さんはちょっと子供っぽくてぽわ〜んとしてて、いつも抱きついてくるの」

「ほう」

「あと、すっごく甘えん坊」

「なるほど」

「そうそう、あと二人とも胸が……ごほん」


 深雪は慌てて咳払いをする。


「え?何?どうしたの?」

「いや、なんでもない」

「そっか」

「それで?お姉さんのどっちが好きなの?」

「え?なんの話?」

「だから、二人のお姉さんのうちどっちが好きなの?」

「べ、別に好きとかじゃないし!」

「ふ〜ん?」

「な、なにその顔」

「べつにぃ〜?」


 晴氷はニヤニヤしている。深雪は頬を膨らませながらタコウィンナーを口に放り込むと、今度は唐揚げを食べる。


「深雪小さいから大きいお姉さん好きなのかなぁって思って」

「う!ケホッ!ケホッ!ち、小さくないし!平均だし!というか、そういう晴氷だって……」

「私はもう成長期終わったもん」

「うう……」


 深雪は自分の胸部を見る。そこには僅かなふくらみしか無かった。


「まあ、深雪は今のままでも十分魅力的だと思うけどね」

「ありがと……」

「あっ、照れてる」

「う、うるさいなぁ……」


 深雪は再び顔を赤くする。


「ほら、ご飯粒付いてるよ」


 そう言うと晴氷は、深雪の口元に付いたご飯粒を指ですくい取り、そのまま自分の口に入れた。


「もう!みんなあたしのこと子供扱いして!そりゃあ背は低いし、おっぱいもぺったんだけどさ!」

「はいはい、落ち着いて」

「うう〜!」


 深雪は不機嫌そうな声を上げると、再び弁当を食べ始めた。


***


 放課後、深雪は一人で家路についていた。


「はぁ、今日は疲れたなぁ」


 朝から色々なことがありすぎて少し頭が混乱していた。家に着いて玄関を開ける。するとリビングの方から賑やかな話し声が聞こえてきた。


「ただいま〜」

「おかえりなさい、ふぶちゃん」

「ふぶちゃん、おか〜」


 冬花と霜歩が出迎えてくれる。深雪はトロトロと靴を脱いでスリッパを履くと、部屋へと向かおうとする。


「あらお疲れね」


 冬花は優しく深雪の肩を握る。肩を揉まれながら目の前の膨らみをじーっと見つめていると、視線に気づいたのか冬花と目が合った。


「なぁに?ギュゥする?」

「う、ううん!大丈夫です!」


 深雪は慌てて目を逸らす。


「遠慮しないでいいのよ?」

「い、いいから!」


 深雪は逃げるように階段をかけ上がっていった。自室に入ると、制服から動きやすい服装に着替える。


「ふう、危ないところだった」

「何が?」

「ひゃう!?」


 突然後ろから話しかけられ、深雪はビクッとする。振り返ると霜歩がいた。


「そ、霜歩さん!驚かさないでください!」

「えへへぇ〜、ごめんなさ〜い」


 霜歩は悪びれずに笑うと、そのまま深雪に抱きつく。


「ちょ、ちょっと!?」

「ええ〜?だめぇ〜?」


 霜歩は上目遣いで懇願してくる。


「い、いえ、だめではないんですけど、いきなりだとびっくりするというか」

「じゃあいいよね〜」

「え?ちょ、ちょっと待ってくだ……むぐぅ」


 深雪が言い終わる前に、顔を胸の中に埋めさせられる。


(ああ……やっぱり柔らかい……)


 深雪は体の力を抜いて、全身を預ける。


「ふぶちゃん?どうしたのぉ?」

「あの、霜歩さんに聞きたいことがあるんですけど」

「なぁに?」

「その、どうしたら大きくなるんですか?」

「え?」

「えっと、おっ……胸を大きくするには何をすれば良いのかなって」

「う〜ん、私もそこまで詳しいわけじゃないけど〜」


 霜歩は深雪の頭を解放すると、腕を組んで考え始める。


「じゃあおっぱいが大きくなるおまじないを教えてあげる」

「ほんとうですか?」

「うん。任せて!」


 すると霜歩は服を捲りあげて、ブラを外す。


「え?え?え?」

「ほら、ふぶちゃんもだして」

「は、はい」


 深雪も同じように下着を取る。そしてお互い上半身裸の状態で向かい合う。


「え?え?なんでこんなことになってるの?」

「こうやってお互いにおっぱいくっつけてね、上下に動かすの」

「え?え?」

「そうするとおっぱいがムクムク大きくなっていくんだよ」

「そうなんだ……」

「ほら、早くしないと効果が出ないよぉ?」

「わ、わかりました」


 深雪と霜歩はそれぞれ相手の胸に胸を当てていく。


「んっ、なんか変な感じ……」

「最初はそんなものだよ。だんだん気持ちよくなってくるから」

「う、うう……」

「どう?効果出てきた?」

「は、はい!なんだかツーンって張ってきたような」

「じゃあもっとやらないと」

「はい……」


 深雪と霜歩は、更に早く胸を押しつけあう。


「はぁ……はぁ……はぁ……」

「んんっ、ああっ……」


 しばらく続けていると、二人の呼吸が荒くなってきて、頬が紅潮していく。


「こ、これぇ……いつまで続けるんですか?」

「う〜ん、あと3分くらいかなぁ」

「そうですか……」


 チラッと霜歩の顔を見ると、頬を赤く染めていて息も絶え絶えといった様子だった。


「ふぶちゃん……」

「はい……?」


 徐々に霜歩の顔が近づいてくる。


「霜歩さん!?」

「ちょっとだけ……」


 深雪は目を逸らして抵抗しようとするが、霜歩にガッチリとホールドされていて逃げられない。


「え、ええと、その、あのぉ……」


 唇と唇が触れ合う寸前で深雪は目を閉じた。


「…………」


「こぉら!」

「イテッ!」


 深雪が目を開けると、頭を抑える霜歩とその後ろで仁王立ちする冬花の姿があった。


「もう!霜歩!ふぶちゃんに変なこと教えちゃダメでしょ!」

「だってぇ〜」


 霜歩は目に涙を浮かべている。


「まったく、油断も隙もあったもんじゃないんだから」

「ごめんなさ〜い」

「ふぶちゃん、大丈夫?寒いから服着ちゃいなさい」

「は、はい!」


 深雪は慌てて服を着る。


「もうご飯の時間だから行きましょ。霜歩はそこで反省なさい」

「はぁい」


 二人はリビングへと向かう。


***


 深雪はリビングに着くと、いつものように自分の席に座る。


「霜歩ったらごめんなさいね」

「いえ、大丈夫ですよ」

「ところで、二人はえっと……何してたの?」


 冬花が少し気まずそうに聞いてきた。


「えっと、おまじないを」

「おまじない?」

「はい、胸が大きくなるおまじないです」


 深雪は力強く答える。


「はぁ、そういうことね」


 冬花はため息をつく。


「それで、効果はあったの?」

「それが、あんまり……」


 深雪は自分の胸部を見る。そこには僅かなふくらみしかなかった。


「えっとね。ふぶちゃん、そんなことしても大きくはならないのよ」

「え?でも霜歩さんが……」

「霜歩の言うことは気にしなくていいの」

「そうなんですか?」

「そうよ。というか、そもそも胸を大きくするのにはホルモンが関係していて、それを増やすには……」


(そっか……)


 深雪はその言葉を聞いて、心の中で何かが砕ける音がした。


「……ふぶちゃん?」


 冬花の呼びかけにも答えず、俯いてしまった。そんな深雪を見兼ねて冬花は後ろから優しく抱きしめた。


「そんなに落ち込まないで、ふぶちゃんにはふぶちゃんの魅力があるんだから。それでも欲しかったらお姉ちゃんの胸で良ければいつでも貸すわよ」

「……ありがとうございます」


 深雪は顔を赤らめながら小さく呟いた。


「じゃあご飯にしましょう。今日も愛情たっぷり注いだからいっぱい食べてね」


 食卓に並ぶ料理を見て、思わず唾を飲み込む。


「いただきます」


 深雪は早速ハンバーグに手をつける。一口食べると肉汁がジュワッと溢れ出す。


「美味しい!」

「ほんとう?嬉しいわ〜」

「はい!とっても!」

「ふふっ、霜歩もそこにいないで一緒に食べましょう」

「うん!いただきます!」


 三人は談笑しながら夕食を楽しんだ。


***


 食事が終わると、後片付けを手伝ってから浴室へ向かう。脱衣所で服を脱いでいると、霜歩がやってきた。


「ふぶちゃん、背中流してあげる〜」

「え?良いんですか?」

「さっきのお詫びも兼ねてるから」

「わかりまし……またエッチなことしないでくださいよ?」

「もう、信用無いなぁ〜、そんなことするわけないじゃん」

「どうだか……」


 深雪はジトッとした視線を向ける。


「本当だってば〜」

「じゃあ……お願いします」

「任せて〜」


 深雪はタオルを渡して、椅子に腰掛ける。


「じゃあ洗うねぇ〜」

「はい」


 ゴシゴシとスポンジが背中に当たる感触が心地よい。


「気持ちいいですかぁ?」

「はい……」


 深雪は目を閉じて身を委ねる。


「じゃあ次は私も洗ってぇ」

「はいはい」


 深雪はボディーソープを泡立てると、そのまま霜歩の体に塗りたくっていく。


「霜歩さん、気持ちいいですか?」

「うん。前も洗ってほしいなぁ」

「それは自分でやってください」

「ぶぅ〜ケチぃ」


 霜歩は不満げに頬を膨らませると、体を洗い始めた。体を流して浴槽に浸かる。


「ふぶちゃん、もっとこっちにおいで」

「え?こ、こうですか?」


 深雪は霜歩に密着するように近づく。すると、霜歩は深雪の肩に頭を乗せてきた。


「ふぶちゃんの体柔らかいね〜」

「霜歩さんほどじゃないです。あとヤラシイことしたら大声で叫びますから」

「もう、わかってるよぉ〜」


 しばらく浸かっていると、霜歩が口を開いた。


「ねえ、ふぶちゃん」

「なんですか?」

「ふぶちゃんはどっちのお姉ちゃんが好き?」

「その質問は今日で二回目です。まだ昨日会ったばかりなので好きとか嫌いとかはありません」

「もう、つれないなぁ」

「それより霜歩さんの方はどうなんですか?その……好きな人とかいるんですか?」

「ん?私はみんな大好きだよぉ」

「そうじゃなくて……」

「ああ!恋愛対象のこと?」

「そうですよ」

「ふふっ、おませさんだなぁ」

「そ、そういうんじゃないです!」

「えー?違うの?」

「違います!」

「そっかぁ、今はそうだなぁ。この新しくできた妹が一番好きぃ」

「そうですか」


 深雪は少しホッとする。


「あれれ?安心したのかなぁ?」

「ち、違……」


 深雪は慌てて否定しようとするが、途中で口を閉じた。


(今ここで変に否定しても怪しまれるだけだし、それに……)


 深雪は霜歩の方に顔を向けた。


「ふふっ、ふぶちゃん可愛い」

「や、やめてくださいよ」


 深雪は恥ずかしそうに身をよじる。


「ふぶちゃん……」


 霜歩の顔が近づいてくる。


「もう……困った人です」

「イタタタタ!」


 深雪は霜歩の腕をつねると、そのまま湯船から出た。


***


 入浴を終えると三人はリビングに戻った。


「ふぶちゃん、もう遅いから寝ましょ」

「はい」


 時計を見ると時刻は午後22時を指していた。


「ほら、霜歩も早く準備して」

「はぁ〜い」


 深雪は自分の部屋に戻るとベッドに横になる。


「今日も色々あったなぁ」


 天井を見つめながら呟く。するとドアがノックされた。


「はい?」


 返事をして起き上がると、冬花の声が聞こえた。


「入ってもいい?」

「もちろんいいですよ」

「お邪魔しま〜す」


 冬花は部屋の中に入ると、そのまま深雪の隣に座る。


「一緒に寝てもいい?」

「え?でも……」

「ダメ?」


 冬花は上目遣いで聞いてきた。


「ダ、ダメじゃないですけど……」

「やったぁ!」

「あ、あの、電気消しませんか?」

「え〜、暗いと寂しくなっちゃうよ〜」

「だから子供じゃないですって」


 深雪は枕元にあるリモコンを手に取ると、照明を落とした。二人は布団の中に潜り込む。


「ふぶちゃん、もっとこっちにきて」

「はい……」


 深雪は言われるまま近づく。冬花はそのまま深雪のおヘソの下を優しく撫でる。


「ふぅ……なんだか落ち着きます」


 深雪は目を細める。


「ふふっ、じゃあこのまま眠りましょうか」

「はい」


 深雪はゆっくりと瞼を閉じる。


「……」

「ねぇ、ふぶちゃん」

「はい?」


 深雪は薄目を開けて聞き返す。


「チューしてもいい?」

「だ、だめです」


 深雪は布団で口元を隠して即答する。


「ほっぺにチューは?」

「うーん……それだったら特別に」

「わぁい」


 冬花は深雪の頬に軽くキスをした。


「いい子いい子」


 深雪の頭を優しく撫でる。


「もう……二人共えっちです」

「ふふっ、おやすみ」

「おやすみなさい」

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