第6話 魔法開発 その1
〈蘇生魔法が発明されました。マスターとしての権限を行使し、発動条件などを設定してください〉
"声"が響き渡る。
『どうしたんですか?』
魔剣の声も、二胡の耳には入らなかった。
〈詳しく説明してくれ〉
気づけば、二胡も"声"と同じ言語で話していた。
〈パネルを操作して設定してください〉
目の前にパネルが現れた。そうそれは、異世界転生定番のステータスプレートのような。
蘇生魔法 マスター:真田 二胡
発動条件など:
使用魔力:
詠唱:
その他:
〈なるほど、空欄を埋めればいいんだな?〉
〈はい〉
〈なるほど…。蘇生っていうのは安売りできないよな。発動条件は徹底的に厳しくしないと〉
発動条件をタップすると、キーボードが現れた。
〈これ、日本語でいいのか?〉
〈問題ありません〉
とのことだったので、打ち込む。
蘇生魔法 マスター:真田 二胡
発動条件など:死後5秒まで。 二度目はない。
使用魔力:
詠唱:
その他:
〈これならかなり難しいよね〉
〈これでは蚊に魔法をかけることができません〉
〈あ、そっか。確か5分近いよね〜。じゃあ…。うん、これでいいかな?〉
蘇生魔法 マスター:真田 二胡
発動条件など:死後5分以内。
使用魔力:
詠唱:
その他:蘇生二度目では5秒以内になる。 3度目以降は不可能。 致命傷は回復する。
〈問題ないと思われます〉
〈よし。じゃああとは魔力量と詠唱だね〜〉
蘇生魔法 マスター:真田 二胡
発動条件など:死後5分以内。
使用魔力:発動者の魔力全部。
詠唱:「蘇生」のみ。 詳しい付け足しは不可能。
その他:蘇生二度目では5秒以内になる。 3度目以降は不可能。 致命傷は回復する。
〈これでいいかな〜?〉
〈魔力がゼロになると人は死に至ります。発動=死となるかと〉
〈いいよそれで。そういうもんでしょ?そんな簡単に人は生き返らないよ〉
〈では、こちらで決定でよろしいですか?〉
〈もちろんさ。あ、ていうかさ〉
〈何でしょう?〉
〈俺と同じ声なのやめて。もっと神々しい感じにして。性別はどっちでもいいけどさ〉
〈…了解しました〉
〈男声か。いいんじゃない?渋くて〉
〈それは良かったです。それはそうとして、決定でよろしいですか?決定すると、変更は不可能です〉
〈問題ないよ〉
〈了解しました。蘇生魔法を発動します〉
"声"が聞こえた瞬間、蚊の火が消え、ブーンと飛んでいった。
『な…。何ですか、あれ』
「え、誰?」
『聖剣です〜』
「なんかキャラ変わってなかった?」
『びっくりしちゃって〜。あれはなんですか〜?』
「蘇生魔法」
『『…は?』』
「またキャラ変わったね聖剣。魔剣も久しぶり。さっきフリーズしてたよね?」
『いや、そんなことないです。で、今のは、蘇生魔法?で合ってるんですか?』
「うん」
『えーっと、つまり魔法を発明した、と?』
「うん」
魔剣は再びフリーズした。
『わかりました。それはわかりませんがわかりました。で、ですよ。なんで魔力がゼロになってるんですか?』
「聖剣、キャラ崩壊はおすすめしないよ。魔力がゼロなのは魔法を使ったからに決まってるじゃん。っていうかさ、魔力なくなると死ぬってホント?」
『ええ。一般人は』
「なんで俺生きてんの?」
『最初魔力がゼロだったからじゃないでしょうか』
「そうなんだ」
『魔法発動するとき魔力がなくなったら死ぬかもとか思わなかったんですか?』
「あ」
『は?』
その日、二胡は人知れず命の危機に陥っていた。しばらくフリーズし、やがて二胡が口を開く。
「ねぇ聖剣、魔力が回復したらわかる?」
『わかりますよ』
「じゃあ教えてね」
『…。わかりました』
一時間後、聖剣は魔力の回復を二胡に伝えた。
「よし、じゃあ新しく開発しよう。何がいいかな?作りすぎても覚えられないし…。うーん、ここはオーソドックスな雷と氷?いいね!」
早速二胡が作業に取り掛かり、やがて終わった頃。
魔剣は、まだフリーズしていた。
雷魔法 マスター:真田 二胡
発動条件:雲一つない青空の下では発動できないが、その他はできる。地下でも大丈夫。
使用魔力:魔力1=十ボルト(最大約10万ボルト)。
詠唱:「雷」またはそれに準ずる言葉。 詳しい設定可能。
その他:「青天の霹靂」という詠唱で、雲ひとつない青空の下でも発動できる。ただし、雲が一つでもあると爆発する。 また、怖がりの人は威力が弱まる。
氷魔法 マスター:真田 二胡
発動条件:気温四十度以上百度未満では発動しない。
使用魔力:魔力1=冷蔵庫の氷作るやつ分。
詠唱:「氷」またはそれに準ずる言葉。 詳しい設定可能。
その他:寒がりの人は威力が弱まる。
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