メスガキ説法

クソムシ.mp3

本編

むかしむかし、流れ星のきれいな夜、あるところに修行中の聖者がいました。


そこへメスガキサキュバスがやってきて、聖者を堕落させようとしました。


が、逆に聖者は逆にサキュバスに説法をしました。


「ざぁーこ♡ざぁーこ♡ざこ説法♡全然奥に届いてない♡」


説法はサキュバスの心の奥に届いていませんでした。


「かったぁ、抜いてあげる」


むしろ、誘惑に負けない固い信念をサキュバスは骨抜きにしようとしました。


「ほらぁ、いっちゃえ」


と、「信仰を捨てる」 その一言を引き出そうとするサキュバス。


しかし聖人は動じません。説法を更に熱心にしました。


「熱っ、それに、くっさぁい」


熱心な説法をバカにするサキュバス。聖人は気にせず続けます。


「そんなに熱くして、恥ずかしくないの?」


聖人は「信仰は恥ずべきものではない」と答えました。


「ふぅ……んっ」


熱心な説法のおかげかサキュバスにも変化が見られます。


「きいて……ないしっ!……んっ……」


徐々に教えに耳を傾けてきたのです。浄化されていくサキュバス。


聖人はさらに熱心になります。


「熱いっ!聖詞(聖なる詞のこと)きたっ……!」


思わずサキュバスの口からそんな言葉が漏れました。


「はぁっ!?いって……ないしっ……あっ……っ」


聖人はあと一押しと頑張ります。


「奥っ!きた……っ」


聖なる詞がしみわたっていきます。


「あっ……んっ……深いっ……!」


聖人の言葉に秘められた意味をどんどん理解していきます。


「奥っ……!深いっ!孕んでるっ!孕んでりゅっ‼」


奥深い意味を孕んでいる言葉がサキュバスの心を侵していきます。


「あっ!りゃめぇっ……孕んでりゅっ!孕んでりゅからぁ……」


聖人はさらにサキュバスを責めて罪を浄化していきます。


「くさい聖詞でいっぱいなのぉ!あたまばかになりゅのぉ‼」


なおも聖人は続けます。


「りゃめぇぇぇ!もう言ってりゅ、もう言ってりゅからぁ!」


サキュバスは信仰を告白する言葉を何度も言いました。


しかしなおも聖人は説法を続けました。まだ満足していないからです。


「聖詞ぱんぱんなのぉぉ!聖詞しか考えられないのぉぉぉぉ‼」


サキュバスは聖なる詞で頭がいっぱいになりました。


「聖詞、孕んでりゅ、孕んでりゅぅぅぅ‼」


そして聖なる詞の孕む意味を知ったのです。


聖人はようやく水を飲み、「ふぅ……」と一息つきました。


「ぁ……ふぇ……」


法悦の中、サキュバスは自らの両頬に手をハサミの形にしてくっつけました。


これは、過去の自分の罪と自らを切り離すしぐさです。


聖人は疲れ切った様子で、「精を出しすぎたようだな……」と呟きました。


「責任とってね。師父様(パパ)♡」


サキュバスはそう呟きました。


空に幾筋もの白い流星が飛び散った晩のことでした。


それからというもの、聖人の行く先に一人の弟子がついていったということです。




                             めでたしめでたし

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