レベルアップなネズミ

 洞窟のような場所を進んでいくと腐敗したネズミがこっちに向かって走ってきていた。初の魔物とのエンカウントで、ドキドキしているのだけど、どこか冷静な自分に驚きつつ対処法を考える。


 棒立ちになっていると、こちらに向かって噛みついてきた。


 少し横に移動し避けようとした。しかし2年ぶりに動いたからか避けきれず後ろ足を噛まれてしまった。


 痛っ!く、ない?もしかして、僕も目の前の魔物と同じ種類で、ゾンビだから痛覚がないのかな?よくわからないけど、とりあえずずーっと噛みつかれるのは邪魔だから足を振り回す。


 脚を振り回していると、腐ったネズミの歯が抜け、足にささったままころころ転がっていって岩にぶつかった。


 トドメを指すべく、とてとて近づきながらどうやってトドメを指すかを考え、手を見る。爪はないしトドメを刺せそうにない。足を見る。同じようにトドメを刺すところがない。え?もしかして噛み付かないとダメなの?まじ?ゾンビだから味覚なんてないだろうけど、元人間の僕からしたら忌避感しかない。


 近づいたけど不審に思って前足で少し押してみる。


 腐ったネズミは、倒れたままで反応がない。まるで屍の様だ。


 って、あれ?死んでる?


『レベルが上がりました』


 え?あれで死んだの?まじ?いくらなんでも弱すぎるって!まさかあれだけで死ぬとは誰も思わないよ!


 見た感じだと僕と同種の魔物だよね。


 ちょっと待ってっ!?やばい!やばい!岩に背中からぶつかっただけで死んじゃったよ!


『レベルが上がりました』


 もう一つ上がっちゃったよ!!ここまで弱い魔物倒してレベル2個上がるってことは、もしかし無くても僕って物凄く弱いってことだよね?ねっ!?

 

『レベルが上がりました』


 さらにもう一個上がっちゃたよ。ここまでくるといやでも理解できるね。僕はものすごく弱いって。


 でもさぁー〜。弱い方が成長のしがいがあるってものだよね!俄然ワクワクして来た!!


 あれ?僕ってこんな性格だったっけ?


『進化します』


 え?まってもう進化s…..




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種族:レッサースモールアンデットラット1/3

Lv:4/4

スキル:<ランダム進化(退化)><憧れの勇気><1/3進化>

    <アンデッドアイ>

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