それは先祖返りというべきか、ウィルス製のなにか

バブみ道日丿宮組

定説

 召喚ーーそれは魔術の一つ。

 僕は幼い頃から刃物を生み出すことができた。

 もっとも剣のような、槍のような大したものじゃない。

 カッターナイフの刃ーーそれのでかくて太い版だと思ってくれればいい。

 世の中は不思議に溢れてる。

 空を飛ぶのは飛行機という時代は超えた。

 科学の進歩は確かに進んでる。

 でも、それ以上に神秘の進化が激しかった。

 錬金術、魔法、超能力。いろいろな力が発生し、それが日常に入ってきた。

 かといって、神秘が強いというわけじゃない。

 ミサイルや弾丸を弾けるのはごく一部の存在だけで、頭を撃ち抜かれる、心臓を損傷する、毒を浴びる。そんなことで簡単に滅びる。

 結局人間っていう枠組みからは抜けれなかった。

 それをどうにかしようとしたのが、魔法を使う魔術師たちだ。彼らは死なないし、歳を取らない存在になりかったようだ。

 完成したのは、生物兵器。血を求むーー忌むべき生物。彼らは感染拡大し、世界に広まった。

 その影響で動物も変化が生まれた。かつていたとされる恐竜顔負けのスーパーがついてしまうような凶暴な動物だ。

 像が通常の3倍の大きさであったり、キリンの足が刃物のように鋭かったり。

 もちろん、人間にも影響が出た。

 その一つが吸血鬼。いわゆる鬼の存在だ。

 彼らは人間と姿形は変わらない。頭に角がある、主食が人間の血であるぐらいだ。魔術師は結果として、何かは作れてしまってたのだ。

 それをどうにかするためか、子供の頃から対策者と呼ばれるものを育てるというカリキュラムが生まれた。

 力あるものが力あるものを制す。

 力ないものは力ないものをどうにかする。

 まぁ……基本力あるものしかあばれない。

 いつだって、人間は争いから逃げれないのだろうか。

 僕はそう思ってしまう。

 今日の追加講習いわゆる放課後は、大量発生した吸血鬼の殺害だ。

 高校生にもなると、やることがだいぶ犯罪に近いが彼らは一般では人間という扱いはされないので、駆除というのが正しい名称。子どもたちが罪悪感に襲われないようにとか……そもそもそんな学校に入る人は皆不思議に対してどうにかしたいという奴ばかりなので、特に問題が起きていない。

 あるとすれば、恐怖だろう。

 自分が使ってた能力が通用しないとか、相手がすごく怖い顔をしてたとか。それで学校をやめる人がいる。放課後の授業に出る人はその逆のパターン。やりたくてやりたくて仕方がないって人たちにある依頼講習。

 もちろん、講師は待機してる。

 なにかあったてからじゃ遅いからね。

 僕らは野蛮な能力者。一般人に攻撃なんかしてみたら、恐ろしいことが起こってしまうからね。

 バスで数十分乗ってくと、吸血鬼がいるという山についた。

 ここからは各自自由行動ってことで僕はゆっくりと登山した。山自体は広いしね。

 空飛べる人とかはぽんぽんと登ってるね。真似したいなぁ。

 皆が皆はやく登るということではないので、必然的に山の下の方にいた吸血鬼なんか残ってる。

 こちらを見つけると、一匹の吸血鬼が羽をはやしてこちらに突っ込んできた。

 僕は指をぱちんと鳴らした。

 吸血鬼の腕が飛んだ。しかも両腕。かなりの勢いで腕先から血が飛び出した。

 あぁ、この流血は死ぬんじゃないかな。

 空から滑空はしてるが、勢いはだいぶなくなった。

 はたして落下し、地に血の池を作り出してしまってる。

 弱いなぁ。これが吸血鬼、人間が変質してしまった存在なのか。

 そんなことを考えながら、近づいてしゃがんで見つめる。

 まだ息はあるようで、つついてみると聞いたこともない言葉が脳内に直接送られてきた。

 キモチワル。

 超音波じゃん。

 立ち上がって、頭をつぶせるほどの刃物を召喚し潰した。

 あー、せめてなぁ決闘できるぐらいの強さを持ってくれると練習になるんだけどなぁ。そういった個体はおそらく山の奥の方にいるのだろう。

 空を飛べてる人は今頃戦ってるのだろうか。それとも逃げてるのだろうか。

 仲のいい友達は今日は参加しなかったので、連絡を取る相手もいない。

 必要があるのは、講師に連絡をするくらい。

 何を、何匹倒したのか。

 結果報告だ。

 スマホの報告画面で、吸血鬼、一匹とアンケートのようにかいて送信。

 数分後了解したとSNSが返ってきた。

 さて……どこまで登ろうか。戻る際は瞬間移動できる講師が迎えに来てくれるということになってはいるが、ちょっと恥ずかしいしなるべく下山したいな。

「もう一仕事いってみようか」

 ちゃまも待ってることだし。

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それは先祖返りというべきか、ウィルス製のなにか バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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