#27 ケリーとアンケ

チャービルはケリーの友達のアンケ・マルツのために大家ダニエルの元へ向かう。


ダニエルはスキロスC棟近くに住んでいる。チャービルが住むアーリントンのスキロスB棟からフォートワース側10分歩いたところにある一軒家だ。ちょうどA棟とB棟の中間にある。


チャービルは歩いていく。途中でアイスコーヒーを買った。


ダニエルの家に着くと、ノックをする。


やあ、ダニエル! ビルだ。


ビルか! ちょっとまっててくれ。


すると、扉が開く。


やあ、どうしたんだ?


ちょっと頼み事あって。


そうか、中にどうぞ。


と、ダニエルは扉を開ける。


ありがとう。


チャービルはダニエルの家に入る。


するとダニエルとダニエルの妻がチャービルを迎え入れる。


ダニエルの妻はテイラー・コスマトス。アメリカ人女性だ。

普通の50代お母さんみたいな人で、優しい。装飾品は時計やネックレスはつけてないが、指輪とネイルはつけている。


どうもテイラーさん。


久しぶりね! どうぞおかけになって。


と、テイラーが言う。


ありがとうございます。


と、チャービルはソファーに座る。


すると、目の前のソファーにダニエルが座る。


それで? なんだい? 話って。


それが…… 言い難いんだけど…… ケリー覚えてる?


ケリー? 君の友達だろ? 体の芯が細くて、か弱そうな。


それ聞いたら飛ぶほど嬉しがるだろうね。彼女はまるでトラだ。まあ、それは置いておいてそのケリーの友達が家を探しててね。この前火事にあったらしく…… それでどこか空いてないかな?? なんて。


と、チャービルが言う。


あ〜それは災難だな。そのケリーの友達の名は?


アンケ・マルツだ。


アンケ・マルツ? いい名前だな。まあ君の頼みだ、C棟か今度の新しいアパートなら部屋空いてる。どっちになるかわからないが、近場で君に連絡するよ。


ありがとう!? 感謝するよ!


その…… 1個いいか?


なんだい?


実はやって欲しいことがあってね。今度新しいアパートできるだろ?


ああ、そうだね。


その部屋に住む予定の人の荷物を一緒に運んで欲しいんだ。車でくるらしいが、少し荷物が多めなんだ。

どうだ?


あー、いいですよ! それぐらいなら!


ありがとう! ビル! じゃあまた連絡するよ!


ええ、ありがとうございます!


と、チャービルはソファーから立ち上がり、お礼を言ってダニエルの家から出た。



その夜、チャービルはケリーにその部屋の事を電話した。ケリーもまたアンケ・マルツに部屋の件を話した。ケリー曰く、アンケは相当喜んでいたらしい。ケリーの口調からして、喜びすぎて飛び跳ねて頭でもぶつけたんじゃないかってほどだった。


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