part3〜初めての企業案件〜


夏、このシーズン、賑わいを見せるのが観光業

ちょうどこのシーズンは夏休みなどの長期休み、企業はお盆休みや休暇も相まってこれからリポートするホテルは賑わいを見せていた。


「おぉ......ここが今回のホテル......」

岩崎さんがそう言って辺りを見回す。

辺りには派手な装飾。シャンデリア、金装飾が施されたランタン、西洋の邸を思わせるそのホテルは、いかにも高級ホテルな内装をしていた。


「私......企業案件は初めてなんですよね......」


紅月さんもなかなかに緊張している様子だ。

小さめな体を少し震わせ、自信なさげな声音でそう言った彼女に、俺はフォローの言葉を投げかける。


「私も、これが初めてのマネジメントなので、緊張してますよ、紅月さんだけじゃない、大丈夫です......」


「あ......ありがとうございます......宵月さん」


紅月さんは少し深呼吸をすると、再び俺たちと歩幅を合わせて歩き出した。


「二人とも、館長さんも待ってるでしょうし、早めにいきましょうか」


宮崎さんが他二人をしっかりとフォローしてくれている。あれ?要らなくね?俺。

自虐的なことを考えつつ、俺も彼女達に合わせて撮影場所へ足をすすめるのだった......


「改めまして、ようこそ!私はこのホテル"西洋館"のオーナー兼館長を務めております。浦山拓郎と申します。以後、お見知り置きを」


「このホテルの総料理長を務めております、切山巡でございます。よろしくお願いいたします」


オーナー直々にVIPルームに案内された俺達moon night3期生とそのディレクター組三人は、オーナーと料理長から挨拶を受けていた。


「それではこちらも、moon night3期生のディレクションリーダーをしてます。一ノ瀬司(いちのせつかさ)です。よろしくお願いします。」


「ディレクターの小山達也です」


この二人はmoon night3期生を初期からディレクションしている。

いわば俺の先輩である。司先輩も小山先輩もとても優しい先輩であり、三人でよく一緒にご飯に行く仕事仲間でもある。


「ディレクターの宵月刹那です」


俺に続き、タレント達も声を上げた。


「moon night3期生タレントの宮坂姫奈です。よろしくお願いします」


「同じくmoon night3期生タレントの岩崎祈里です。よろしくお願いします!」


「同じくmoon night3期生タレントの紅月緋色です......よろしく......おねがいします。」


全員の自己紹介が済むと、オーナーは嬉々としながら声を上げた。


「いやいや、最近売り出しが大きいmoon nightのタレント様面々に来て頂けるとは、こちらも光栄でございます。今回は企業案件と言う形で依頼させていただきました!」


「こちらこそ、著名な旅行会社グループ、クレバートラベル様から依頼をいただき、光栄です、では早速、打ち合わせに移りたいのですが......」


あっこれは会議になるな......

会議を始めようとした司先輩を見ていると、横にいた小山先輩から目線で指示が下る。


"宵月、タレントと一緒に移動しろ"


目線と手話でそう指示されたことを確認した俺は、この中でも最年長なおかつ、しっかりと正しい判断ができるであろう姫奈さんに声をかけた。


「私達は先に取材場所の視察をしましょう」


「そうですね、じゃあみんな、行こうか」


ディレクターには事前にこのホテルの取材地点とレビュー概要が記されたバインダーが配布されている。

それを確認して、取材場所を下見する。


「最初は部屋のレビューみたいですね、VIPルームと通常ルームをそれぞれ取材するみたいです。あと、今日私達が宿泊するのもその二部屋みたいですね」


「ほえ〜、とりあえず、いってみよ〜!」


そう言って宮坂さんと紅月さんの手を取り走り出した岩崎さん。元気いいなぁ()

年であれば俺の先輩の筈なのにその元気の良さは時が経つごとに増していっているのは気のせいではないだろう。

このままでは俺が置いて行かれてしまうし、バインダーがないと迷ってしまう。


「待ってください!迷いますよ!」


そう言って俺は三人を追いかけて走り出すのであった......


あとがき

皆さんこんにちはReitoです。

投稿が遅れてしまいすいません、やはり学生でオリジナルを書き上げるのは何気に......というよりかなり、大変ですね、てな訳で今回。新キャラ登場でございます。先輩二人はこれからどんな働きをしてくれるんでしょうか?この二人にも重要な役割を与える予定なので楽しみにしておいてください!また、この作品をお楽しみの皆様へ、改めて感謝をありがとうございます。

次回〜それが私の夢だから〜

部屋で少し休憩となったmoon night3期生タレントの三人、まだあって間もない三人のなかで、宮坂姫奈は、静かに自分の夢を語り出す!?乞うご期待!

それではまたみなさん次回お会い致しましょう!

good-by!


追記

わしのTwitter貼ったんで来てみてね☆

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る