転生したら謎スキルが思いのほか強かったからハーレムを目指すことにしました

木実 優

第0話

「宗介!宗介!!」


俺は微かな意識を取り戻した。そして思い出す。トラックに轢かれたことを。俺は本当にこのまま死んでしまうのか?


いやだ、死にたくない。僕には可愛い彼女がいて、優しい両親がいて、いつも笑い合える友達がいて、、、、って、死ぬの以外全部妄想じゃん。

「宗介!宗介!!」

そっか、死ぬのか。そうだよな。死んでいいようなクズ人間だったってことなんだうな。


、、、って待てよ?これは《誰の声》なんだ?僕を看取ってくれるような人は居ないはずなのに。


「いやだ、、、宗介!死なないで!!」


金切り声が脳内に響き渡る。


(あぁ、死なないでって思ってくれる人が俺にもいたんだな)


せめてお礼を言いた、、かった、、、、

意識が混濁していく。閉じているはずの瞼がさらに重くなっていき、確かなる死の足音が聞こえてくる。


『ピーーーーーーー』


「残念ながら、天野さんは、、、」


ってあれ?俺死んだんじゃないの?なんで聞こえるの?


必死に声を出そうとするも、叶わない。体が軽くなっていく。


(ねむ、、、けが、、、)


唐突な睡魔に抗う術もなく、僕は長くて永い眠りに落ちた。天野宗介はこの時、確実に、確かに、認めざるを得ないほどに、死んだのだった。

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