10. 日本語の使い方、難しい…
わたしは茨城に少しご縁がありまして、
「茨城県民は『いばらぎ』って言われると、『違う。いばらき。濁らない』と言い返す。普段の発音は濁ってるのに」
っていう発言に対して、「ああ、自分も気にしてるな」と思っています。
わたしは絶対に『いばらき』と言います。
濁りません、絶対に。
さて、皆さまは小説を書く時、日本語の使い方って気にされているでしょうか。
今回は、漢字やその読み方、意味について語ろうと思います。
バラエティ番組などで、漢字の読みや、言葉の元々の意味を問う設問であったり。
アナウンサーが気を付ける言葉の使い方とか。
この言葉、年代ごとにこれだけ認知度が違うんですよ、というネット記事とか。
例えば、漢字の読み。
『河川敷』。
なんて読みます?
かせんじき?かせんしき?
『既存』。
きぞん?きそん?
これ、調べたらどっちでもいいそうなんです。元々の読みは後者だが、前者も広く普及しているので、NHKでも複数の辞書でも「どちらでもいい」「両方記載あり」となっているそうです。
丁字路とかどうでしょう?
T字路と思う人も多いでしょうが、元々は丁字路が正しいです。
しかし、一般的にはT字路が普及し、結局これもどちらでもいい、になっているようです。
どちらでもいいので、「それは丁字路でTじゃない!」ってムキになることもないですし、逆に「Tをティーじゃなくてテーって言ってる英語できない人www」というのも、恥をかいてしまうかもしれません。
話は逸れますが、ウチの会社はアルファベットをフォネティックコード(無線でAをアルファ、Bをブラボー、Cをチャーリーって呼ぶやつです)みたいに呼称する文化がありまして、Aをアメリカ、Bをブラック/ブラジル、Cをカープといった具合に、だいたい国名か色、野球チームなどで呼称します。ちなみにQはオバQと呼び、そうとは知らずに咄嗟に「ケベック」と言ったら伝わりませんでした。
その中で、嘗て「ファントムのF」と電話口で言っていた人がいました。
おいおい、ファントムはFじゃなくてPだろうよ。(後に戦闘機にF4ファントムという機種があって、そのFのことなんだ~と関係者に聞きましたが、わたしは納得できませんでした)
伝わらないことにイライラしたその人は、続いて「テレフォンのF」と告げましたが、いやいや、多分フォンの部分を言っているんだろうが、フォンもPだろうよ。
他にも、文化として、わざとDをデー、Tをテーと発音するというのもあります。
先輩からは、「DとEが紛らわしいからわざと『デー』と言うんだ」と説明されました。「じゃあA(エー)とデーは紛らわしくないのかよ」と思いましたが、先輩をイラつかせるだけだと思ったので口に出すのはやめました。(ちなみに、敢えてAを『エィ』と発音すれば多少違うのかもしれませんが、もちろんそんな文化は社内にありません)
すみません、話題が飛びました。
話を戻しましょう。
『違和感を感じる』という言葉、日本語として、聞いてどう思います?
こちらは二重表現に当たり、例えば『頭痛が痛い』が挙げられます。同じ重言でも、『犯罪を犯す』は使われているので、これも人の感覚なのかもしれませんが、個人的には『違和感を感じる』はちょっとひっかかります。
使うとすれば、『違和感を覚える』とか『違和感を抱く』とかですかね。
あと、カクヨム来る前はWordで小説を書いていたんですが、その中でよく自動校正機能で赤い下線が引かれる表現がよくありました。
『~~したり』という部分にです。
これ、よく使っていたんですが、『~たり』っていうのは基本並べて使うんですよね。
『笑ったり、喧嘩して、その繰り返しで仲良くなった』
これ、誤用みたいで、
『笑ったり、喧嘩したり、その繰り返しで仲良くなった』
って使うのが正しいみたいです。
口語では全然気にしないですが。
あくまで並列の表現の際には、ということなので、単独で使う場合、『休日は友達と遊んだりします』という使い方は問題ないみたいです。
で、ですよ。
ここでの趣旨は、「日本語は正しく使いましょう」ではありません。
時代に合った、読みやすい文章や、違和感ない文章を書くことが大事ではないかな、と思っているのです。
別に『早急』に『さっきゅう』ではなく『そうきゅう』とルビを振ったからといってとやかくいうつもりはありません。
『代替機』を『だいがえき』と呼んでも、別に非難するつもりもないです。
現に、わたしは小説の中で「全然大丈夫」って使います。
『全然』は、本来『全然~~ない』と、否定に使う言葉ですが、わたしの年代は『全然』を『全然普通』みたいに、「思ったよりも」という意味合いや、英語の『very』のような強調のニュアンスで使うことがあります。
これ、中高生の時に話題になって、うちの母親から「この使い方嫌い」と結構うるさく言われていました。年代や環境によっては受け入れられない表現のようです。
でも、言葉っていうのは時代で変わっていくものです。
古文なんかはいい例です。
『ありがとう(ありがたし)』は、感謝の言葉ですが、元々は『有り難い』で珍しいという意味ですし、『すごし(すごい)』は嘗て寂しい意味で使われていました。
なので、読んでもらうメインターゲットが違和感なく読めればそれでいいのではないかなと思っています。無論、どうあっても「こいつは日本語おかしい」と言われることはあります。今使っている日本語って、どんどんカスタマイズされて変化していくので、老若男女が納得する文章って難しいと思うので。
そうは言いつつも、わたしは一応線引きはしていて、地の文ではなるべく本来の意味を使って、セリフの中では慣例的な表現を使うような住み分けをしています。
とは言っても、元々読み方の違う漢字や表現って、わたしも例にもれず、知らぬ間に使っていますけどね。
(独壇場って『どくせんじょう』って読むの知りませんでした)
ただ難しいのが、例えば『憮然とした表情で』という文章を書いたときに、『驚いた表情』とか『呆れた様子で』と取られるか、『怒っている』と取られるかです。
物書きの身としては前者で書いたつもりが、読者からすると「なんで怒ってんの?」とか食い違いが起きていることあるんだろうなと。もしかしたらアンジャッシュのコントみたいになっていないかとか思うこともあります。
これ、普段なら読者の教養がない、常識がないの話で終わるんですが、時代が進むと「怒っているという意味で、昔は驚き茫然とする様、という意味でも使われていた」みたいな、古文扱いされるんだろうな~、なんて思って、戦々恐々としております。
日本語って難しいですね~。色々な意味で。
いつか、雰囲気を『ふいんき』で変換できてしまう日が来るんですかね。
(体育を『たいく』で変換できないので、微妙なラインかもですが)
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