第2話 理想の美少女

 あれから1週間経ち、おおかたな状況がわかった。


 俺の生まれた宮下家は古くから続く名家であり、あの日本でも5本の指に入る大企業、宮下グループの営業をしている。

 

 そして俺の父である鳳条政典は十六代目取締役社長、1個前の社長俺の祖父にあたる人物が大赤字を叩き出したのを、この男が黒字まで戻したというとんでもなく優秀な人物だ。


 この時点でだいぶ嫌な予感がするが次に母親の鳳条由美だ、この人もこの人でスペックがぶっ壊れている。大学は東京大学医学部を卒業し、その後に自身の病院を設立、徐々に名を上げていき、今や都内でも有名な立派な病院になった。それに加えて、アメリカ人の母親から引き継いだ美しく滑らかな金色の髪に整った顔立ち、サファイアのように蒼い目を合わせもちしかも体も出てるところは出ていて引っ込んでいる所は引っ込んでいるという見事なナイスバディときた、これを超人と言わずしてなんというか?


 (まぁかくいう俺も金色の髪に蒼い目を母親から受け継いでいて、成長すれば俺だって母親に負けないナイスバディにきっとなれすばずだ。)


 俺は前世ではあんなに惨めな思いをして、そしてあんなに無様な死に方をしてしまった、だから......


 (今度こそ、奇跡的に与えられたこの第二の人生は、順風満帆に生きてやる!)







 俺が転生してからもう早くも10年たった。


 俺は前世での失敗を生かし、ひたすら勉強に打ち込んでいた、本当ならこの年はまだ夢や将来の希望を抱いているかも知れないが俺はもうとっくにそんな希望や夢は打ち砕かれた..


 だから二度目の人生は失敗しないためにも今のうちに力をつけておかなければならないのだ。


 するとノックがなり扉が開く


「やぁ優菜頑張っているね」

「父上!」


 優菜は嬉しそうに父親の足に抱きつく。


 それを満足そうに見つめ父親も優菜の頭を優しく撫でる


「勉強は捗っているかい?」


「はい、鳳条家の名に恥じぬよう切磋琢磨しております。」


「相変わらず大人びているな、よくそんな難しいことばをしっているね?」


「まぁこれくらい知っておかなければ次期社長になれませんから」


 そう俺は成人した時にこの宮下銀行の社長になることを目標としている。だからこそ無能と判断され、見捨てられないように人一倍努力する必要があるのだ。


「ハハハ!流石は我が娘だ、この歳から社長の座を狙うとは私も夢々油断できないな!」


 政典は実に楽しそうに笑うとすぐに穏やかな顔に戻った。


「それはさておき優菜、お前に付き人をつけたいと思っているんだがどうだ?」


「付き人ですか?」


「ああお前一人でこの先高校などに行かせるのは少々不安だからな」


 相変わらずこの男はとんでもないほど俺を溺愛している、まぁ悪い気はしないが学校くらい俺も一人で行ける。だが付き人には少々興味がある、物は試しだこの話受けてみよう。


「分かりました、その話お受けします。」


「おぉ受けてくれるか!」


「ただし、条件がございます」


「私と同じ年齢かつ頭が良く、顔も整っていてハーフであることが条件です。」


 流石に無茶を言いすぎてしまったそんな美少女が何処にいるんだろうか


「同性で年齢が同じなのと顔が整っていることと、頭が良いのは分かるがなぜハーフがいいんだ?」


「私と同じような境遇の子がいいなとおもいまして」


「なるほどだがそれにしてもなかなか難しい条件だな」

政典は顎に手を当て、渋い顔で考える


「すみません流石に無茶が過ぎましたね」

ついつい自分の理想を口にしてしまったことを俺はすごく反省した。


「確かにそのスペックでなければ優菜にはふさわしくないか...よし」


 政典は自分にいいきかせるようして納得した。


「父上?」


「可愛い愛娘の願いだ、俺が責任を持って見つけよう」


「よろしいのですか?」


「あぁお前の生涯の付き人になるやもしれんからな」


 なんだかとんでもなく大きなスケールの話をしている気がする。生涯?どういうことだ?


「必ず探し出すからは楽しみに待っててくれ」


 そういうと政典は足早に部屋をさっていってしまった


 (そんなに簡単に見つかる訳ないだろう)


 そんな思いを染み染みと抱きながら俺は勉強を再開した。







 あの話から2週間特に付き人の話は聞かなかったが突然政典が部屋にやってきて、君の付き人が決まったから準備ができたら接客室に来てくれと言われ、俺は身支度を整え接客室に向かっていた。


 (まさか本当に見つけたのか?)


 あんな無理難題に合う女の子なんているのかと思考を巡らせているうちにもう接客室の目の前まで来てしまった。この中に俺の付き人になる子がいると思うと物凄く緊張してきた。このままではまずいと思い深く深呼吸をして、よし!と気合を入れて接客室の扉をノックした。

中から「入りなさい」と言われたのを確認すると俺はゆっくりと扉を開けた。


 扉を開いて俺は目を見開いた。


 美しい銀髪に水色の瞳そしてとても綺麗な肌そして自分と同い年だというのにものすごく色っぽさと、ミステリアスな雰囲気を感じさせる。自分の想像を遥かに超えた美しさに見惚れていると少女が優しげに口を開いた。


「お初にお目にかかります。鳳条優菜様、あなた様の付き人として使えさせていただきます七瀬エリナと申しますよろしくお願い致します。」


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