【旧版】負け組確定な俺がTS転生したら勝ち組確定の私になっていた件 〜社長令嬢に転生したので百合を楽しみます〜

ぷらぷら

第1話 負け組確定の俺

 この世には勝ち組と負け組が存在する。

 

 幼少の頃から学問に励み、有名大学に入学その後大手企業に入社これぞ勝ち組の人生。


 現実から目を逸らし、進路がどんどん狭くなっていき最終的に地方の無名の会社に就職し、搾取され続けられるそれが負け組の人生。


 俺はどちらかと言うと......いや確実に負け組なのだ。

 

 俺は努力をしたことがなかった、何をするにも中途半端でやめてしまいそして努力の大切さを知った時には俺は既に俺は負け組確定のレールを歩んでいた。


 俺は高校受験に失敗し、滑り止めで受けていた地方の高校に通うことになっただがそこでの日々はまさに地獄そのものだった。入学してから三日ほどで不良達に目をつけられてしまいあらゆるいじめを受けた、そして入学してから半年ほどで俺は不登校になり部屋に引きこもるようになってしまった。


 ある日俺は母親にたまには外に散歩に行ってきなさいと言われ仕方なく外に出た、外はすっかり寒くもうすぐクリスマスシーズンだ。


 歩道は出勤する社会人や学生です溢れていて皆楽しそうにしながら歩いている。


(俺もあんな風に生きたかったな......)


 俺はあの人たちのようには生きれないだろうこれからずっと俯きながらこの先長い人生を生きていくことになるんだろうな。


「......何を考えているんだ俺は。」


 こんなことを考えていることが馬鹿馬鹿しくなって来た。


(そろそろ帰るか)


 そう思い帰路につこうと歩き出そうとしたとき突然背後から声が聞こえた。


「捕まえて! ひったくりよ!!」


 声がした方向に振り向くと声の主と思われる若い女性とひったくりと思われる体格のゴツい男がこちらに向かって走って来る。

 俺はとっさに両手を広げ、ひったくりの前に立ち男を捕まえようと態勢をとる。


「退けー!!ガキ!!」


 そう叫びながら男は俺を横に思いっきり吹き飛ばす。


 俺は体勢を崩ししてそのまま車道に倒れ込んでしまった。


「え?」


 状況が掴めず呆然としていた次の瞬間全身にとてつもない衝撃が走りそこで俺の意識は途絶えた。






 


(なんだここ?)


 俺は目が覚めたら知らない家の豪華な一室にいた。

そしてすぐに違和感に気づいた。


 なんかすごく体が縮んでいる。おまけに男の象徴も無くなっている。そして声も出せない


(一体どうなっているんだ!) 


 自分の置かれた状況が理解できずに戸惑っていると部屋のドアが開き容姿がとても整った男女が入ってきた。


 「優菜ちゃ〜ん♡」 


 入ってくるなり女の方がいきなり抱きついてきた。「」


「 ん〜たまらなく可愛いわ」


 そしてそれだけでは飽き足らずさらに自分のほっぺと俺のほっぺを擦り合わせてきた。


(なんなんだこの人たちは?)


 見た感じとても裕福そうな2人だ


 「本当に可愛いな君に似て将来は美人になりそうだね」

 「もうあなたったら〜♡」


 そういうと女が男にもたれかかり身を委ねる。

 男も女を抱きしめとても幸せな顔をしている。

 

 俺は一体何を見せられているのだろうか


「あ、あなた優菜の前よ」

「そ、そうだったね」


 二人は慌てて離れ再び俺の方を向く。


「それにしても本当に可愛いこの子なら宮下家の娘としてどこに出しても恥ずかしくないよ」

「ええ!まさにこの子こそ宮下家の天使よ!」


 そう言言いながらキラキラとした眼差しで俺のことを見つめてくる。

 

 その時ふと男が首から下げているネームプレートが目に入った。


(鳳条グループ社長!?)


 宮下銀行といえば日本でも五本の指に入るほどの大企業だ。そんな人物が何故こんなところに?  


 そんなことを考えていると男が俺を抱え上げた。


「あぁこの子は私たちの希望だ、そしていずれ宮下銀行の社長になる子だ」


(なにぃぃいいいいー)


 まさかのまさか俺は鳳条グループの令嬢になってしまった。

 

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