第7話 神引き

お辞儀をし終えた姫が顔を上げると、何ということでしょーー。まじキレイ。

え、おれこの子とヤっていいの?今日見てきた天神の美女レベルじゃん。

おれは確信した。神引き。来たよこれ。やはり、おれは最強の運の持ち主だ。

姫は最初少したどたどしく、人見知りのような印象を受けたが、おれはそういう人好きだ。「初めまして、よろしくお願いします」

そういう姫におれも

「よ、よろしくお願いしますっ」とたどたどしく返す。

こちらです、と薄暗いホテルのような廊下を並んで歩いていると、いきなり肩にくっついて来て、恋人繋ぎをしてきた。

おっふ。おれの初お手て繋ぎ。祝卒業…と思っていたが、おれの手冷てーと待機室にいる時点で思っていたため、ぎゅっと握り返せなかった。

手が冷たくてすみませんっと言った。姫は待機室寒かったですよね、とフォローしつつ、手を握ってくれた。

おれは「こういうの、というか、女の子とこういうことするの自体初めてなんですよねっ」と言い、教えてほしいです!ということを姫に伝えた。

姫はバカにするようなこともなく、おれの気持ちを汲み取ってくれた。

「ここです」12と書かれた部屋の前に来て、ドアが開けられた。

部屋には、靴を脱ぐスペースのすぐ前に大きな白いベッドが置かれてあり、左手にはガラス越しに湯気立ったジェットバスとAVでよく見る男が座る椅子、ソープ、壁にはグレーのエアーベットが立てかけられていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る