イェーガー・デァ・ドンクレン・ナハトの攻撃目標は、ウンシュターブリッヒカイト教団の施設だが、この王都グフォースアーティグシュターツには数多の隠された施設が存在していた。

 その数が数だけに、ウンシュターブリッヒカイト教団の施設だけを襲撃したとしても、王都の騒ぎはそれ相応の大きさになってしまっていた。

 そう、王都グフォースアーティグシュターツは赤く揺らめく炎に照らされていた。

 そんな燃える王都では方々では普段表舞台に立たない者達が争っている。イェーガー・デァ・ドンクレン・ナハトとウンシュターブリッヒカイト教団の争いは時を追う毎に激化していくが、その趨勢はイェーガー・デァ・ドンクレン・ナハト側に早い段階から傾いていた。

 イェーガー・デァ・ドンクレン・ナハトの軍事力はその数こそウンシュターブリッヒカイト教団に劣るものの、個人個人の力量は比べるべくもなく圧倒。その一方的な力関係で言わばゴリ押しとも取れる戦法をとっていた。

 事前の調査により評価されたウンシュターブリッヒカイト教団の各施設の戦力を上回る戦力をぶつけ確実に一つずつ施設を無力化、然る後に別の施設へと向かい隊を再編成しそこでも施設を無力すると言う事を繰り返していたのだ。

 流動的な部隊運用によって次から次へとウンシュターブリッヒカイト教団の施設を無力化していくイェーガー・デァ・ドンクレン・ナハト。王都浄化作戦の名の通り、王都グフォースアーティグシュターツからウンシュターブリッヒカイト教団の影響力を無くすべく、施設を…そこを拠点として活動する構成員を悉く殲滅していくのだった。

 そんな阿鼻叫喚の最中ヘェッツとフェアドレーツェ第二王女は施設からの脱出を試みていた。

 ヘェッツはこの事態を知りながら、これからのイベントを愉しみにしながら。

 フェアドレーツェ第二王女はそんな自体を知りもせず、これから何が起るのか予想も出来ない状況の中二人は歩みを続けていく。

 イェーガー・デァ・ドンクレン・ナハトのウンシュターブリッヒカイト教団への同時襲撃の所為で、禄に内側へと目を向けられなくなり、ウンシュターブリッヒカイト教団の構成員に出会わずに安全に脱出するのだった。

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