第13話 船出

 巨獣バロールとの死闘は難を極めたが、なんとかドレイクとニクスの二人で倒すことができた。酔いどれドワーフと激悪エルフもヨードのダジャレ攻撃で駆逐することができた。魔物たちは殲滅され、王国に平和が訪れた。しかし、アウドムラ国王はバロールの熱視線攻撃に倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまった。


 その後、アウドムラの国王にはニクスが就任した。


 金の兜を被ったニクスが玉座に座って言っている。


「アルラウネ公国とは早期に和解を締結する。もう戦いは終わりだ! これからは筋トレだ。我が民よ、体を鍛えよ! これから戦う相手は自らの筋肉だ!」


 その様子を微笑んで見ていたドレイクは、群衆の後ろから手を振ってニクスに別れを告げると、ヨードと共に港へと向かった。


 港では親切なマクニ婦人と、料理人のマダム・オカンサンと、作家のミカドロスさんと、マッチョ好きのドレミマツーラさんが見送ってくれた。勇敢な兵士ひぐらしも端に立っている。幽体となったwindrain魔法師もいた。


 手を振るみんなに汽笛で応え、希望の帆船は沖へと向かう。風に流れる港歌。沁みるねえ。演歌の花道、BSにて絶賛放送中。


 二人を乗せた船は水平線の向こうに沈んでいく太陽を追うように、西へ進んでいった。


 その船の後を一匹の犬が泳いで追いかけていった。



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