「悪い」「ショッキング」「イヤホン」

「ゲリラライブのはじまりだぜぇぇぇぇーー」

派手な格好をしたギタリストの男が都会の広場で演奏を始めた。

「俺の演奏を聴いた奴は皆ショッキングに心臓麻痺だぁぁぁぁーー」

近くにいた人々が次々と倒れていく中で一人階段に俯いて座っている中学生くらいの少年がいた。

「悪い、聞いてなかった。」

見上げた後辺りを見廻して状況を確認した少年はイヤホンを外しながらそう言った。

「おかしい。俺の能力は耳ではなく心臓に作用する能力。そんなもので防げるはずがない!!」

「君に謝らなきゃいけないことが三つある。」

ギタリストが喋り終わるより先に少年が語り始めた。

「一つ、このプレイヤー電源入ってないんだ、話しかけられたくなくてね。二つ、能力知らないけど多分それ、僕には効かないよ。三つ、僕がここにいる証にもなるんだけど僕もちょっとした能力があってね、君が武器を作ってくれた。」

今まで倒れていた人々が一斉に立ち上がった。

「さあ、反撃開始だ。」

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