もう100周目の脱ぼっち!~ぼっちで超無口な俺はクラス転移したんだが、実は俺だけ召喚100周目のマニア垂涎の傑作RPGの世界で大勇者としての俺の活躍(ハーレム)が無許可で動画配信されてしまっている~

新田竜

プロローグ 魔王と勇者の会話集

「貴様! 一体何回この世界を救えば気が済むんだ!」


「ええっと・・・・・・これで99回目かな?」


「99回っ!? さては貴様・・・・・・変態だな! 世界を救う変態なんだな!」


「なんで世界を救ってるだけで変態になっちゃうんだよ! ただ召喚されたから救ってるだけなのに!」


「とにかく! 迷惑なんだ! もう来るな! この1000年の間の歴代の大魔王も皆言っていたぞ! あいつは空気が読めないって! いくらなんでも救いすぎだって、皆言っていたぞ!」


「そもそも99回も滅亡の危機におちいるこのダメダメな世界がいけないんだろ? ・・・・・・まあ、そんなダメダメなこの世界に俺はすでに愛着を持っちゃってるんだけどね」


「愛着など持つな! もう二度と来るな! もう二度とこの世界を救うんじゃない!」


「嫌だね! 元の世界じゃ、俺はぼっちでコミュ障の陰キャだから、クソつまんないぼっちライフをいつも送ってるんだ! 学校じゃあ全然喋れない無口君なのに、こっちではこっちの世界の人とも、どんな恐ろしい魔物ともガンガン喋れるからこの世界だけが俺の生き甲斐がいなんだよ! それに元の世界じゃ、一人称なのにこうやって最終的にはいつも調子に乗ってなんて言えちゃってるし! ・・・・・・だからお前みたいな邪悪な存在になんと言われようとも俺はこの世界を救い続ける! 何を言っても無駄だ! さぁ! そろそろ覚悟するんだな! 99代目大魔王っ!」


「・・・・・・フッ、フハハハハッ!」


「なんだよ! 急に笑い出して? 気持ち悪い! 何が可笑おかしいんだよ!」


「・・・・・・確かにわれは、確実に貴様に倒されるだろう。・・・・・・だが、次に産まれ来る100代目大魔王は貴様には絶対倒せん! 我までの99体の大魔王は皆、最強のの100代目大魔王を産み出すための捨て石だ! 100代目大魔王は我たちのように甘くはないぞ! 狡猾こうかつで非情で貴様を倒すためなら手段など選ばん! おそらく無数の足枷あしかせや罠を用意して貴様のことを待ち受けているはずだ! 味方は本当に味方か? ただの足手あしで まといなんじゃないか? それともこれは罠か? ぼっちでずっと戦ってきた貴様には到底想像すらできない悩みにいつも苦しめられることになるだろうな! そんな恐ろしい策略家の100代目大魔王が必ずやこの1000年の恨みを晴らしてくれるに違いない! フハハハハッ! 今度召喚された時は覚悟するんだな! 次に召喚された時が貴様の死ぬ時だ! それまで元の世界でせいぜいぼっちライフを楽しんでおけ!」


「そんなマル秘情報公開しちゃっていいのか?」


「心配いらん! 我との会話は我を倒した瞬間、我の魔術できれいさっぱり忘れてしまうのだからな! そういや99代目大魔王って倒したはずだけど、どんなやつだったっけってレベルまですっかり忘れて、また余裕よゆう綽々しゃくしゃくで、この世界に来るがいい!」


「それはお互い様だろう! お前だって100代目大魔王に! 違うか?」


「そうだな。貴様の言う通り我は貴様の顔やその能力を100代目大魔王に詳しく伝えることはできない! だが、この99回の恨みは確実に伝えることができる! この恨みを託した100代目大魔王がこの世界をかと思うほどリニューアルして貴様を必ずや返り討ちにしてくれるだろう! フハハハハッ! フハハハハッ!」




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プロローグを最後まで読んでいただきありがとうございます!


ここまでお読みになって、もしちょっとでも「なんかおもしろそう!」「これは期待できるかも!」と思っていただけましたら、以下のリンクから★★★評価、作品フォローしていただけるとめちゃくちゃうれしいです!


https://kakuyomu.jp/works/16817330651860796161


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