【SW2.5雑記】ラクシア非公式読本 キルヒアコラム

子供戦車

蛮族生態調査

バジリスク

種族基本設定

 蛮族の中でも上位種族として君臨するバジリスクは、第二の剣イグニスの齎す加護(すなわち「解放」「破壊」「再生」「自由」「力」「芸術」)の内、「自由」が最も強く反映された種族である。

 齎された加護を忠実に体現しているのか、その性格は自由奔放な傾向があり、己の自由の為なら他者の都合などお構いなしに振舞う。

 一方で合理的な判断を難なくこなすほど高い知能を持つ点から、利害関係が一致すれば敵対的な種族とも友好関係を結ぶことも少なくない。この気質の為か、バジリスクは上位の蛮族の中では変わり者・変人扱いされる個体も少なくない。

 自由の加護を強く受ける事が多いバジリスクであるが、その他のイグニスの加護を色濃く受ける個体も珍しくない。「破壊」の加護を色濃く受け継ぐ個体は文字通り破壊の具現化とも言うべき生ける厄災となり得るし、「再生」の加護を色濃く受け継ぐ個体は自身のみならず他者をも強制的に「再生」させ、不老不死を体現させることもできる。「芸術」の加護を色濃く受け継げば、己の信じる芸術性をひたすら忠実に再現する為に他人の命などお構いなしに芸術的作品を生み出す事に心血を注ごうとするだろう。

 これは自身が内包する穢れの濃度が高く、その精神性を体現する魂が穢れによって強く変異させられており、結果的に魂そのものがイグニスに近しい存在へと変容している為だと考えられる。


 その眼は強い穢れによって特殊な変異が及ぼされており、石化・鉱物化の呪いを放つ「邪眼」と呼ばれるものへと変貌している(データ的には、バジリスクに4点ある穢れの内1点はこの邪眼と呼ばれる器官に集中しているものと思われる)。

 この邪眼はそのままでは力が制御できない程に強力な物らしく、バジリスクたちは目隠しとなるようなもの(布を巻く、サングラスをかける、ヴェールを被るなど)で物理的にその眼を直視できないようにして邪眼の強すぎる力を制御している。

 また、この眼の力を開放する事によって、自身の理性と知能と引き換えに強大な8本足の爬虫類じみた怪物へと変貌する事ができる。

 バジリスクの共通認識として、この怪物の姿は「醜いもの」とされており、自身が相当に追い込まれた状況下でなければ使用せず、また使用した際はその目撃者を確実に殺すか石化するかをしなければその際の激情は沈静化しない。


 その体液はすべて毒が含まれており、触れた者は直ちに悪影響を受ける(データ的にはバジリスクの体液には穢れが1点相当含まれていると考えられ、それが他の生物に付着する事によって「悪影響」という形で小規模な変異を生じさせるものと考えられる)。

 なお、強力な個体ほど毒の強度も強まる傾向にある(体液中に含まれる穢れの濃度がより高まっているものと考えられる)。

 当然だが「体液」には血液や唾液だけでなく、涙や鼻水、尿、精液、母乳といったものも含まれる。これらにも一定量の毒が含まれている為、それぞれの対処には十分な注意が必要である。くしゃみで体液の飛沫が周囲に広がればそれは毒霧にも等しくなるし、鼻をかんだ後のティッシュやハンカチ類にも毒が染み込まれているため、素手で触るのは大変危険だ。

 また、バジリスク同士での性行為であれば互いに毒に対しての抵抗力が備わっているためある程度は問題がないが、異種族間でそれが行われた場合は大変危険である。

 前述の通り精液も有毒であるため、体内(特に生殖器)に直接体液を注がれるため、それが致命傷となり得る。万が一一命を取り留めたとしても、損傷を受けた器官に重大な障害が残る可能性が高く、そのまま本来の機能が失われてしまう可能性もある。


 バジリスクは卵生であり、基本的には種族間で交配する事で子を成す。が、(ほとんど戯れといった感覚だが)他種族と交配する事も珍しくない。

 当然だが前述の交配時の危険性がある為、男性バジリスクが女性他種族に対して性行為を行った場合、「性行為に母体が耐えられる確率」、「異なる種族を着床する確率」、「着床後も母体が無事であり続ける確率」などがいずれも低い確率な為、ほとんどの場合母体そのものが命を落とすケースが多く、無事に出産したとしても母子ともに危険な状態である事がほとんどだとされる。

 逆に、女性バジリスクが男性他種族に対して性行為を行った場合は比較的安全に事が済む。バジリスクの秘部の粘膜も勿論毒性があるものの、彼女らは「陰茎の部分的石化」という手段で男性側が損傷を被るのを防ぐ。これは彼女らにとっても陰茎を硬質化させることによる快感増幅といった作用が見込まれる為、行為に及ぶ際積極的に行われる(行為後にこの石化を解除するかどうかは個体による)。

 いずれにせよ、異種族間で交配して生まれた子供はウィークリングとなる可能性が高い。

 ウィークリングとして生まれた個体は、基本的に実の母の母乳で育てられることはない。父親がバジリスクの場合は母体が無事ではない可能性が高い事、母親がバジリスクの場合は母乳がウィークリングの体に適さない強さの毒である事、そして双方に付きまとう問題としてウィークリングとして生まれた子供をまともに育てようとせず、そのまま育児放棄する傾向が珍しくない事などが挙げられる。


 砂漠のような乾燥地帯を主な生息域としており旱魃にはめっぽう強い一方で、変温動物である爬虫類の特徴を持つためか寒冷気候にはめっぽう弱いとされる。

 また、皮膚組織が崩れ泥のように溶けてしまう為、一度に大量の水を浴びる事もバジリスクにとって危険な行為とされる。

 その為バジリスクには湯浴みの習慣がなく、代わりに砂風呂や岩盤浴といった手段で身体の衛生状態を整える習慣がある。


 高い知能を駆使しての独自言語「バジリスク語」を活用しており、同族確認の手段としてや他者に効かれ理解されたくない内容を口走る際に使用される。

 バジリスク語は柔らかい発音や長母音を多用する傾向にあり、あまり早口でまくし立てるのには向かない言語である。

 また、文章化した際の傾向として直接的な表現を避けたがることが多く、迂遠な言い回し・反語・皮肉などが多用される傾向も強い。その為、他言語に直訳した際ではそのまま言葉の真意が伝わらず、更に踏み込んで言葉の真意を読み取り意訳する必要がある為、高い読解力とそれを使いこなす応用センスが問われる言語だと言える(現実の日本における「京都弁」をイメージすると適切かもしれない)。

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