第5話 ある〜日、森(洞窟)の中。

 暗い洞窟の中を見渡す。<心眼>がなければ何も見えなかっただろうけど、<心眼>のお陰でしっかりと見渡せながら進んでいける。


「そろそろかな」


 まっすぐ進んで、突き当たりを左に曲がると少し大きな空間に出た。


「グゥウー」


 思った通り奥には熊がいた。それも寝ている熊が

 息を潜めながら近づき、鑑定を発動する


「鑑定」ボソッ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


名前:レッドベア

種族:熊

Lv:12


通常種ベアの特殊進化個体

吸血のスキルを持っており魔物や動物の血をすする

赤色の体毛をしておりとても硬いが、大きさは普通の熊と変わらない


・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 更に近づき上から一閃


   "スパッ!"


「あれ?」

 硬いって書いてあったはずなんだが…、紙を切るみたいに抵抗なくいったぞ?

 レベルアップの恩恵はこんなにあるのか。気になることは色々あるが、とりあえず肉を食べよう


「腹減ったぁ」

 近くに水場がなかったので、殺菌しておくのは難しそうだから、洞窟の外まで出て、焼いて食べることにする。


「一応血抜きはしておこうかな」

 皮を剥ぎ、肛門から腹を縦に捌き内臓を出し血抜きをする


  〜数分後〜


 食べたい部位を少し赤くなった包丁で切り取り、さっき起こしておいた火で焼いていく


"ジュウワァアアー"


「音だけなら美味しそうだけど、何にもつけてないからなぁ」

 こうなるって分かってたら調味料カバンに入れておいたのに


「いただきま〜す」

 ・・・ッ!???




「うッ...、うっまぁぁああ!!」

 なんだこの肉!噛んだ瞬間に肉汁が爆発し、風味が脳にガツンと来る!!そして、焼いただけなのに甘めのタレに漬け込んだ後の肉のような旨味が広がる。

 めっちゃうめぇえ!!!


  〜数分後〜


「食った、食った」

 うますぎてく食い過ぎたなぁ。明日も捜索しないとだから早く寝ないとな


「寝るか」

 レッドベアの毛皮を地面の上にひき、そのまま寝転がる。すると疲れからか、すぐに眠りに落ちた。

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