ミライ生成探偵団

流夢

プロローグ+FIRSTdata現実と虚構、交わるセカイ

西暦2060年日本、急速に発達したバーチャル技術は人類に新たな生活を与えた。AIに管理され、それまで存在したサビ残等の健康を害する物を一切断ち切った。無論日本だけでなくヨーロッパの方でもイギリスを起点にバーチャル技術は進んだ。学者や技術者はこれら一連の技術を「NW技術」と呼んだ。新たな世界の技術だ、そして我々人間が住む三次元と四次元の間、つまりは次元の狭間。それをMR、メタリアリティと呼ぶ。和訳すると”超越現実”だ。始まりは順調だった、ひとつを除き。だが止まらなかった。我々人間は踏み入ることの許されぬ領域に来たのだろう、、、始まりは彼からだったと知らずに。



これは、とある青年たちの物語である。





ミライ生成探偵団(仮)





日が昇る、新たな1日の始まりである。アラーム音をウザそうに布団をどけ起き上がる。

「今日から2年、、、ダル」

早速新学期の愚痴のようだ。先程の通りダルそうに洗面所に向い顔を洗い、ダルそうに歯を磨き、ダルそうに着替え、ダルそうにバック片手に家を出る。諸事情から家には彼1人。鍵は必要ない、AIが感知し勝手に閉めてくれる。

「早速遅延かよ、、、」

通学は電車を使う、、、が「バグって」遅延してるようだ。

「おっ、友真ー!!」

振り向くと友人が手を振っている。彼の名は五十嵐友真、国立第8統一学園東京都本校高等一般部門普通科2年の学生だ。

「おは〜、お前も遅延で詰みかけ?」

軽く手をふり歩き出す。

「そー、ってか久しぶりじゃね?遅延とか」

男子生徒がパネルを立ち上げ前回の遅延を調べる。

「うわっ、前回って54年じゃん」

「え、マジ〜?」

とベラベラ喋り遅刻連絡を入れ学校に向かう。



新学期そうそうに大遅刻である。



「で今来たってわけ」

新学年、新たなクラスでの1日はやたらうるさく思う。

「それでぇ、、、」

「えぇ〜?マジで〜?」

正直、どれだけ今の技術が優れていようがこの教室の後ろで喋るギャルはどうしようもないだろう。

「うるさい、、、」

ボソッと声に出す。

「それ、正直たまらねぇ」

ビビってガタッという音とともに立ち上がる。

「、、、へ?」

微妙すぎる空気感の沈黙。

「あっと〜、いきなり悪かったな、、、」

彼もやらかしたと感じたのか少し言いづらそうに謝ってくる。

「うん、、、こっちもなんかごめん」

「じゃぁ俺、行くわ」

ととてつもなくヘタクソな会話を後に自分もと中庭に出る。

───────

真昼間というのに夜中に輝く星のような閃光が走る。その閃光は蒼く、まさに流星のようである。その閃光の正体はアーサー級超AIの一機ネオンである。

「全く、ふざけてる。」

不機嫌なのか、はたまた今回の監視地域が遠すぎるのか。

「な〜んでこの記念すべき設計通り完成されたボクがあんな学校の辺りを監視しなきゃならないんだよ」

伝えられた学校上空、学校は昼休みに入ったのだろう、中庭はグラウンド近くのベンチに生徒が複数いる。

「こんな最近できた学校になんかあるか普通、警備からバグ対策、何から何まで完璧なのに」

アーサー級超AIは特殊迷彩を持っている。そのため浮いてる間、俗に言う”エフェクト”が発生してようが、本人の設定で人間が見える事は無い。

「最新技術盛り盛りとはいえ、、、なんか嫌な感じだな。」

目を細め外にいる生徒達を見つめる。

「どこだ、、、」

何かを探し今度は降下し校舎に入る。教室、食堂、体育館、図書館、職員室、事務室。校舎内全てを周った。しかし見つからなかったのか再び上空に上がる。

「なぜだ?いるのはわかってるのに、、、見つからない。」

イラつきつつも今度は丁寧かつ慎重に演算し探索する。

「いたっ!!そんなところに、、、なんで見つけられなかった?まぁいい、今はヤツの削除だ。」

そう言って男子生徒が一人佇んでいる中庭に降りていった。

───────

「旧資料館の骸骨亡霊?」

友人と話していた友真、話していたのは旧資料館の骸骨亡霊という最近負傷者もいるらしい噂である。

「そう、うちの学校さ無駄に敷地広いじゃん?でグラウンドの奥、柵の近くのちっさい森?の辺りで毎晩鎌もった骸骨亡霊が出るんだって。」

友人が何故かマジになって話すのを見ていた。

「え〜?んなもの本気で信じてるの?」

と友人が話しているのを後にいつも通り中庭に向かう、落ち着くにはちょうどいい場所なのだ。前からずっと誰も来ないしいない。一人になりたい時には最適なのだ。


階段を降り、中庭に出るドアを開ける。その時少しドキッとした、珍しく誰も来ないしいないだろう中庭のドアを他クラスの生徒らしき者が現れ通り過ぎて行ったからだ。その生徒はそそくさと早歩きで階段を上がって行った。

「、、、珍しいな」

とすぐに向き直り、中庭に出る。

───────

いつもの中庭はやはり心地よかった、風が吹き木が揺れ、葉が舞う。まさに理想的な空間だ。

「っていうか、風強くないかな?」

またもや珍しく大きく揺れる木を見上げ、つぶやく。

「そりゃな、海岸沿いは10m、内陸寄りのこの学校も6mくらいが最大だ。」

どこからともなく女の子の声がする

「えっ?!誰?!どこ?!」

困惑し周りを見回す、声の主が再び声をかける

「上だよ上」

信じられないとばかりにスっと上を見上げる

「上?うわっ!!」

本当に上にいた事に驚く、見た目は自分より少し小さいくらい、中学生と言われても違和感はない。しかし明らかに違うのはその純白の髪、海のような蒼き瞳と浮いてることだ。


「挨拶はなしだぞ五十嵐友真」

少女は言い放ち降りてきた。


1stdata現実と虚構、交わるセカイ[完]

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