自分隠しのナルシスト達は付き合いたくないようなので、告白します。

せにな

プロローグ 告白

「ぼ、僕と付き合ってください!」

「わ、私と付き合ってください!」


 誰もいない校舎裏。


 黒髪の前髪が目の下まで伸び、寝癖も付いていて眼鏡をかけてパッとしない男子生徒が頭をうつむけて手を伸ばす。

 

 赤紫色の前髪が目の下まで伸び、くしゃくしゃの髪の毛が腰まで伸びていて眼鏡をかけて不潔オーラが漂う女子生徒が頭をうつむけて手を伸ばす。


「「え?」」


 目を丸くして見つめ合う。

 それもそうだ。こんな寝癖もつけている男と不潔オーラ漂う女に対して告白するとは誰も思わない。もちろんこの2人も思っていない。


「えっと、よろしくお願いします?」

「あ、おう。よろしく?」




   ◇ ◇

 



 よっしゃ!!

 もしこれで俺に好意を抱く人がいても彼女がいるって言える!

 正直こんなブスを彼女としてみたくは無いが致し方ない!こいつなら付き合ってもデートとかしなくても大丈夫だろ!

 

 こんな考え方をしてるのは聡善勇。咲明高等学校に通う高校1年生だ。

 中学の頃は学校中のありとあらゆる女子からモテまくっており、高校ではモテたくない!という決心して冴えない男子へと進化した男。それが聡善勇だ。



   

   ♡ ♡




 やった!!

 もし私に好意を抱く人がいても彼氏がいるから無理!って断れる!

 本音を言うとこんな寝癖がついててパッとしない男よりかはもっとかっこいい男と付き合いたかったけど、まぁ多少は大目に見るてあげる!私の優しさに感謝しなさい!

 

 こんな考え方をしてるのは星澤紗夜。咲明高等学校に通う高校1年生だ。

 中学の頃は学校中のありとあらゆる男子からモテまくっており、高校ではモテたくない!という決心して不潔なモテない女子へと進化した女。それが星澤紗夜だ。




  ☆ ☆




 人間誰しもモテたら自惚れてしまう。だが時にそのモテも鬱陶しく思ってしまうことがある。

 贅沢な悩みだが、モテるのが辛くなった人は自分を隠してしまう。その自分の隠し方が上手すぎるモテ男とモテ女のラブコメ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る