赫く、狂おしく。愛の定義の、強制改竄。

こんなに美しい世界を知りません。人物、機械、まち、空気。夜空。ぜんぶ、強烈な、そして残酷ないろを伴って、読む者の視野を描きかえていきます。そう、わたしたちの世界を、再定義しに来るのです。とにかく、動きの、ものの描写において、ひとつひとつ、身を捩りたくなるくらい、透徹したことばえらび。もう描写ではない。作者さまがみている世界を、愛の定義を、わたしたちに打刻する、それが本作の本質とおもいます。